民主的公務員制度の確立、夏季要求実現、
国政の民主的転換へ全力をあげよう
−2001夏季闘争アピール−

 過去最悪の失業率と企業倒産件数、個人消費の8年連続の後退など、日本経済は、かつてない深刻な危機におちいっている。このような状況をもたらした原因は、大企業の利益を最優先させ、労働者・国民に犠牲と負担をせまってきた自民党型の政治にあることは明らかであり、国民いじめの政治を転換することが緊急に求められている。「公共事業に50兆円、社会保障に20兆円」という、世界でも例をみない逆立ちした財政をあらためることや、個人消費を拡大するための消費税減税、医療・年金など社会保障制度の充実、大企業のリストラ「合理化」規制や不払い・サービス残業の根絶による雇用の拡大など、労働者・国民生活を最優先した政策へと切りかえることは、待ったなしの課題である。
 しかし、小泉新政権は、「聖域なき構造改革」の名のもと、「不良債権の最終処理」として中小企業つぶしをすすめ、社会保障は「自立・自助」で国の責任を放棄し、国民だけに「痛み」を押しつけようとしている。小泉内閣の「改革」とは、従来の大企業中心政治をいっそうおしすすめ、憲法改悪と軍事大国化をめざすことにほかならない。国民の願いとかけ離れた「改革」を許さず、自民党政治を大本から変えていくことが重要となっている。
 いっぽう、政府がすすめている公務員制度改革は、KSD汚職に見られる政官財の癒着にはメスを入れず、実施部門の「合理化」=行政サービス切りすてのための「逆立ちの改革」を行うものである。国公労連は、労働基本権の確立をはじめ、民主的行政の遂行のため不可欠な民主的公務員制度の確立のたたかいに組織の総力をあげる。
 春闘期における政府・人事院の回答は、「人事院勧告制度尊重」「民間準拠」という従来回答にとどまり、「ベアゼロ」政策が貫徹された春闘結果からも、3年連続の賃金引き下げ勧告の危険性も考えられる。こうしたことから、夏期闘争では、当局の使用者責任追及とともに、人事院に対するたたかいの強化が求められている。とりわけ、政府が、賃金切り下げの閣議決定をつづけてきた2年間の経過にも照らせば、公務員制度の改悪を許さないたたかいと結びつけ、職場に強固な闘争体制を確立していくことが重要となっている。
 こうしたなかで、7月にせまった参議院選挙は、国民生活を守る課題はもとより、民主的公務員制度の確立、国民本位の行財政・司法の実現など国公労働者にとっても極めて重要な意義を持っている。夏季闘争における要求前進をめざす取り組みと一体で、政治の民主的転換をめざすために職場・地域から大いに奮闘しよう。
 公務員労働者に対する攻撃がかつてなく強まっている今、不当な攻撃には、全力でたたかう、という労働運動の原点に立ちかえろう。21世紀最初の国政の民主的転換を実現するたたかいとも結合し、生活と職場、行政サービスを守り改善する取り組みに、全国の仲間の総決起を呼びかける。

2001年6月6日   

日本国家公務員労働組合連合会
第111回拡大中央委員会


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