国公労連は本日、全労連、公務労組連絡会の中央行動に結集して、「国民のための公務員制度の確立、国民のいのちと暮らし守る行財政・司法をつくろう」「生活改善できる賃金引き上げ実現、3年連続賃下げは許さない」「大企業のリストラ反対、働くルールの確立」「国政の民主的転換」を求め、終日中央行動をくりひろげました。
中央行動では、全国から参加した国公の仲間1500人をはじめ全体で2400人の参加者が早朝宣伝行動、要求行動、国会請願デモ、すべての国会議員への要請行動など多彩な行動を展開。そして、全労連「公務員制度改革」対策本部主催の総決起集会には、JMIUの仲間100人をはじめ民間の仲間も、「国民犠牲の公務員制度改悪は許せない」と結集しました。
12万筆の署名で国会議員490人に要請行動
梅雨入りしたばかりの東京でしたが、晴れ間も見える天候のなか、中央行動は、霞が関の早朝宣伝からスタートしました。各単組と国公労連本部は総務省前で、「300万ビラ」を配布し、宣伝カーから「国民のための公務員制度をつくろう」と呼びかけました。
昼休みの国会請願デモには、全国の仲間が続々かけつけ、「労働者犠牲の不良債権処理はやめよ」「国民犠牲の小泉流改革は許さないぞ」「民主的な公務員制度を確立しよう」と、シュプレヒコールをこだまさせました。
デモ終了後、国公の参加者は、3カ所での要求行動(政府行革推進事務局前・総務省前・人事院前)と、全国から集まった12万筆の「国民のための公務員制度確立を求める署名」を携え、衆議院と参議院の国会議員490人への要請行動に取り組みました。
公務労組連絡会主催の行革推進事務局前要求行動で、主催者あいさつに立った公務労組・堀口副議長(国公労連委員長)は、「公務員制度改悪の作業を進めている推進事務局に対し、国公労働者の総意として『大枠』の方向での基本設計づくり中止をせまりたい。公務員は公正・中立に業務をすることが基本。改革の方向は上司や政権のいいなりになる公務員づくりだ。憲法や国公法を無視して作業が進められている。いま全労連は、ILOの結社の自由委員会で日本政府の態度を糾弾すべく奮闘している」と述べました。連帯あいさつとして、民間労組の建交労・藤好さんは「公務員制度が特定の勢力や党派のものになることは断じて許せない。業績主義賃金は民間でも弊害が現れ手直しを迫られている」と、政府の進める改革を批判しました。
決意表明では、自治労連都職労・林書記長が「行革推進を担う大臣の父が都知事。親子そろって日本の形をかえてしまおうというのか。心の底から怒りを感じる。公務員制度は国民・住民のための制度だ。住民にとって最も必要な自治制度を作るため奮闘したい」、全教日高教・北野書記長は、「戦争法の担い手の公務員をつくる改革は断じて許せない」、国公労連を代表して全法務の内藤副委員長は、「『大枠』にもとづく改革は労働条件の大幅な改変だ。協議と合意が前提になるのが当然だが、全くなにもなされていない。これは重大な権利侵害だ。しかも、労働基本権については先送りされている。このような逆立ちした改革を許さないため、組織の総力をあげてたたかう」と、それぞれ力強く述べました。
また、同時並行で行われた総務省前行動では、全労働・木下書記次長が「昨日の当局交渉では、高校を中退したいからと職業安定所に職業相談に訪れた高校生に、学ぶことのすばらしさ、必要性を説きながら『中退するな、負けるな、がんばれ』と時間をかけて励まし、学校へもどした職業相談事例が出された。私は、こうした仲間がいることを誇りに思う。ところが、今回示されている公務員制度改革・新たな人事制度では、このような業務を行う者は、使命感を持たないとんでもない公務員にされてしまう。こんな制度改革は何としても阻止する」と決意表明し、人事院前行動では、全気象東京地本・石井書記長が「気象業務の担当する防災という分野では、国民の生命と安全を守るために、何よりも職場の円滑なチームワークが大切だ。政府の改革方向では、このいちばん大切なものが破壊されてしまう。危険な改悪を阻止するため全力でたたかう」とそれぞれ怒りを込めた決意表明がされました。
政府の公務員制度改悪は作業中止だ!
中央行動の締めくくりとして、全労連「公務員制度改革」対策本部主催の「小泉流『改革』を許さず、国民のための公務員制度確立を!6・8中央総決起集会」を日比谷公会堂で開催しました。これには、民間の仲間もたくさんかけつけ、公務員制度の課題では、初めての官民共同の大規模な中央集会となりました。
闘争報告では、対策本部・山瀬事務局次長(公務労組連絡会事務局長)が労働基準監督官のヘルメットをかぶった制服姿で登壇し、「12年前の東大阪の基準監督署で汗を流していた『昔の姿で出ています』で登壇した理由は二つある。一つは、制服デモを企画し国民に大きくアピールしたいという自らの想いをまず自分で実践して見せること。二つには、調整手当改悪反対闘争のときの『調手はっぴ』の次は何かという期待に応え、今回は公務員の原点にかかわる課題ということで、自分の原点に立ち返ってたたかう決意をあらわしたかったことだ。政官財の癒着・腐敗構造にいっさいメスを入れないことなど、たたけばいくらでも『ホコリ』がでる政府の公務員制度改悪を許さず、真に国民のためになり『誇り』を持てる公務員制度が重要だ。私はこの姿で言いたい!『政府の公務員制度改革は作業中止だ!』」と型破りの報告を行い、会場は大いにわきました。
続いて決意表明に立った国公労連・小田川書記長は、「6月29日をめどに、推進事務局が『基本設計』のとりまとめ作業を進めていることは事実だが、その作業は大幅に遅れていることも、また事実だ。それは、基本設計のたたき台として、事務局が示した5月29日の検討案が、賃金、人事管理制度の民間化=信賞必罰の人事管理に限定され、天下りや採用試験、さらには人事院の役割、労働基本権問題、地方公務員制度などについては、未だに『大枠』以上のものを示し得ていないことにもあらわれている。今回の公務員制度改革が、自民党の参議院選挙対策の側面から検討されたこと、その進め方が政治主導を口実に、決められているルールを無視して進められてこと、政と官の関係にメスを入れるといいながら『天下りの自由化』、スーパーキャリアとも言える『国家戦略スタッフ群』に見られるように、自民党と官僚の癒着=一体化をねらっていることなど、逆立ちし、ゆがんだ改革の本質が私たちのたたかいもあって、表面化しているからだ。国民のための公務員制度確立のたたかいと、自らの労働条件改悪を無権利状態のままで強行させないという職場の怒りとを結合し、さらにたたかいを強めたい」と語りました。
連帯の表明として、JMIUの生熊書記長が「公務員制度改革は公務員だけの問題でなく私たちにとっても重要な課題と考え、きょうの集会には、100名の仲間が参加した。公務のみなさんは、悪政の中で、国民本位の行政を進めることが困難になっていると思うが、自分たちはこんな行政をすすめたいんだと国民に大きくアピールして、国民の求める公務員像を追求して欲しい。私たちも共同してたたかっていきたい」とエールをおくりました。
集会は、参加者全体の力強いシュプレヒコール、対策本部・熊谷副本部長(全労連副議長)の閉会あいさつと団結がんばろうで締めくくり、この日の行動を終えました。
★中央行動参加者の声
○全法務福岡支部 家入幸夫さん
職場では、登記の仕事をしていますが、非常に忙しい状況です。私たちが行っている国の行政は、職場のみんなの力を合わせて進めていくものだと思っています。公務の職場には、競争原理のよる人事管理はなじむものではありません。
○全厚生愛知県支部 國枝孝幸さん
公務員制度改悪について、職場で学習討議を行いました。討議の中では、「処理した件数だけで評価はできない。公正な評価をどのように行うのか」という意見が多く出されました。今回の公務員制度改革は、総人件費抑制の方向にあると思うので、絶対に許せません。署名行動など、一人ひとりがしっかりと行動に参加することが必要と思います。
○全司法札幌支部 新原秀隆さん
職場では、今回の公務員制度改悪に対する学習が不足していると感じています。きょうの行動に参加して、今回の公務員制度改悪が極めて大きな問題であることをあらためて認識しました。職場に戻ってからの運動につなげていきたいと思います。
以上
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