公務員賃金の改善、国民のための
公務員制度確立を夏季闘争第2次
中央行動に1500人
(国公FAX速報 2001年8月1日《No.1195》)
 昨日の人事院前座り込み行動に引き続き、国公労連は、公務労組連絡会の第2次中央行動にも結集して、「公務員賃金の改善」「国民のための公務員制度確立」を求め、多彩な行動を展開しました。
 今日の中央行動は、公務労組連絡会主催の霞が関いっせい早朝宣伝行動からスタートしました。全教の仲間は文部科学省前、自治労連の仲間は日比谷公園噴水前、国公労連は総務省前を中心に、財務省前や厚生労働省前でも、「国民から信頼される公務員制度をつくろう」「水曜日は定時退庁で家族そろって夕食を」と主張するビラを配布しながら宣伝カーから訴え、早朝から霞が関に公務の仲間の願いがこだましました。

さらなる炎天下つき怒りの人事院前座り込み行動2日目


 早朝宣伝から休む間もなく、午前10時から人事院前座り込み行動の2日目に突入しました。昨日よりもさらにパワーアップした猛暑に負けじと、昨日の突入集会の2倍以上の参加者210名が結集し、暑さをふきとばす取り組みを展開しました。
 国公労連・先水中央執行委員の大阪弁での軽妙な司会で座り込み集会がスタート。冒頭、主催者あいさつに立った西田副委員長は、「昨日の人事院交渉でも明らかになったように、3年連続の一時金切り下げによる年収マイナスを人事院は強行しようとしている。深刻な不況の中で、賃下げによるさらなる景気悪化という悪魔のサイクルを断ち切るため、私たちの生活改善のために、マイナス勧告は断固許さないたたかいを進めよう」と述べました。
 続いて、農民連・谷口副会長から、「国公労連の仲間が、この炎天下のなか座り込み行動でたたかっていることに、私たちも勇気づけられている。いまでも農民の『痛み』はハンパじゃない。農民で『不良債権』がないものはいない。自殺者も増加している。小泉改革がさらに国民へ痛みを与えるというが、とんでもないことだ。国家公務員への攻撃も根は同じだと思う。国公労連の皆さんに、国民の中へ打って出て、国民共同を大きく広げて欲しい。農民連も共にたたかう」、東京労連・佐原議長から、「小泉改革は、国の仕事で民営化できるものは、すべて民営化しようとしている。その目的は、営利企業にもうけの場を与えることだ。公務サービスの切り捨ては、国民に痛みを押しつけることと同じ。官民共同で攻撃をはねかえそう」と、それぞれ連帯・激励あいさつをいただきました。また、昨日に引き続きJMIU(全日本金属情報機器労働組合)池貝支部の仲間から連帯のあいさつをしていただき、池貝支部の5名の方が、座り込み行動にいっしょに参加してくださいました。
 情勢報告では、黒田書記次長が、「人事院は民間の給与実態だけに目を向け、私たちの生活実態を無視している。そして、較差が少ないと言うなら初任給をアップするなり工夫をすべきだ。私たちが求めるのは生活改善だ。労働条件切り下げまで人事院にゆだねるものでなはい。怒りを結集してたたかいを進めよう」と力強く語りました。
 決意表明では、全厚生・杉下委員長から、「定員が減らされた上に賃金が下げられ、職場の仲間は苦しんでいる。労働者を大切にしない政治に未来はない。さらに痛みを押しつけようとする小泉改革に未来はない」、全国税青年部・田山事務局次長から、「昨年、2年連続のマイナス勧告に対し、私たちの職場では1万3千人の職員から『怒りの押印署名』が集まった。またしても人事院はマイナス勧告を行おうとしている。今年配属されたばかりの職員は、3年前の新人と比べて8万円以上も賃下げになっている。青年は毎月の給料では食費にも困る中で、一時金をすり減らしながら生活している。今年の勧告は、今までのマイナス分を取り戻す明るい勧告にするよう強く求める」と職場の青年の実態もまじえながらの訴えがありました。
 そして、リレー発言では、昨日、各人事院地方事務局前での行動に取り組んだ各ブロック国公の代表から報告がされました。東北ブロック・及川事務局長から、「東北では、昨日の昼160人の参加で、決起集会やデモ行進を行い、午後から80人で地方事務局前の座り込み行動や交渉を行い、マイナス勧告を許さないたたかいを進めた」、北陸ブロック・越野幹事(石川県国公事務局長)から、「北陸ブロックは、東海ブロックと共に350人の仲間で、人事院中部事務局前での座り込み、デモ行進、集会などに取り組み、人事院へ怒りをぶつけた」、関東ブロック・馬島議長から、「関東ブロックと東京国公は、8月3日に怒りの人事院前行動を展開する」、近畿ブロック・伊藤事務局長から、「昨日の地方事務局前の座り込み行動に続き、今日の行動には近畿全県の仲間が怒りの結集をしている」、九州ブロック・仙道事務局長から、「昨日は国公だけでなく公務共闘の仲間250人で地方事務局前の座り込み行動や交渉に取り組んだ。仲間の怒りは沸騰している。今日は福岡から巨大アドバルーンも持参し怒りをアピールする」と全国の仲間が一体となった連帯感あふれるたたかいが各地から報告されました。
 連日の猛暑のなか、2日間におよんだ人事院前座り込み行動の締めとして、国公労連青年協・後藤副議長の若さあふれるシュプレヒコールで、参加者の怒りを人事院にぶつけました。

全国から国公の仲間1000人が結集

 座り込み行動に参加した仲間は、午後から、公務労組連絡会の第2次中央行動に合流しました。昼休み人事院前要求行動からスタートした公務労組連絡会の中央行動には、公務の仲間1500人(国公から1000人)が結集しました。
 人事院前では、国公労連を代表して全運輸・池沢青年部長が「職場の青年は定員削減と長時間残業、そして、低賃金に苦しめられている。今日朝10時から炎天下のなか人事院前に座り込んだ。今後も青年の怒りを結集して、生活改善のため奮闘したい」と決意を表明しました。
 つづいて、午後1時半からは、行革推進事務局前と総務省前に分かれて要求行動を行いました。行革推進事務局前の行動は、公務労組・野村幹事(国公労連中執)の司会で始まりました。主催者あいさつで堀口副議長(国公労連委員長)は、「公務員制度改革の『基本設計』は、国民の願いに反し、政官財ゆ着・天下り・キャリア優遇などを一層深刻にするものだ。しかし、一方で、半年間の私たちの運動が政府の思惑どおりにことを進めさせていない点に確信を持つことも必要だ。公務員制度改革は公務員だけの問題ではなく、国民生活に直結するものだという認識も私たちの運動で国民の中へ広がりつつある。公務員制度改革は、小泉改革と同一線にある。小泉改革の本質は、雇用・社会保障の破壊だ。この国民に痛みを押しつける小泉改革を黙って文句も言わずに推進する公務員づくりがねらわれている。国民のための公務員制度確立へ私たちの運動をさらに広げよう」と述べました。
 民間単産代表の連帯あいさつとして、JMIUの西中央執行委員が、「公務リストラ、政府の言うがままになる公務員づくりは、中小企業倒産、民間労働者の首切りと本質は同じ、国民に痛みを強制する小泉改革だ。JMIU池貝支部の仲間は、不良債権の回収で550名が首を切られた。まさに小泉改革の先取りだ。官民共同で、この攻撃をはね返していこう」と述べました。
 決意表明では、国公労連を代表して全労働・安江中央執行委員が「労働行政の職場の仲間は、仕事を探している人に満足のいく職業相談がしたい、過酷な労働条件で働かされている人の権利を守りたい、悲惨な労働災害をなくしたい、労災で苦しんでいる人に迅速な給付をしたいという思いで仕事をしている。そんな職場に信賞必罰、成績主義の公務員制度改悪が強行されれば、労働行政は機能しなくなり現在でも厳しい労働者をめぐる状況がますます悪化することは明白だ」と述べました。
 また、総務省前行動の決意表明では、国公労連を代表して、全法務・小渕副委員長が「法務局の職場では、不況により個人での登記申請が急増し、景気対策としての度重なる商法改正等に伴う相談業務が増え続け相談予約が殺到している。これに比例するように職場では現職死亡が増加している。これ以上、公務員を削減することは、利用者・国民が求める行政サービスの提供も困難にするものだ」と発言しました。

 中央行動の締めくくりとして、日比谷野外音楽堂で、「小泉流『改革』を許さず、国民のための公務員制度確立を!01夏季闘争8・1中央総決起集会」が全労連対策本部と公務労組連絡会の主催で行われました。集会のオープニングは、トランペットデュオのさわやか演奏で中島みゆきの「希望の星」が響きわたりました。続いてトランペットデュオに各単産代表30名が夏季闘争勝利のトランペットを持って勢揃いし、華やかにたたかいのファンファーレを奏でました。
 全労連対策本部・石川副本部長は、「能力賃金が導入されている民間の職場の労働者は、人をおしのけても自分がよければよいという職場環境のなかで、商品にクレームが殺到するなど、企業自体に弊害が出ている。これを公務の職場に押しつけると国民・住民が犠牲になることは明らかだ。官民が力を合わせて公務員制度改悪を阻止しよう」と主催者あいさつを行いました。また、集会では、中央行動と並行して、自治労連・全教・国公労連による「3単産アピール(介護保障の充実、30人学級の実現、地域産業と雇用を守るため、税金の使い方を国民本位にかえる共同の運動を呼びかけます)」をふまえた2002年度概算要求期の取り組みとして、対政府申し入れ行動を行ったことなどが報告されました。最後は、国公労連・柳川教宣部長による気迫あふれるシュプレヒコールとトランペットデュオの演奏に乗せた「明日があるさ」(公務労組編)を全印総連の大塚さんの可憐な歌唱指導のもと、全員で合唱し、対策本部・福島副本部長の団結がんばろうで、本日の行動を終えました。

 ★参加者の声

 ○猛暑の中でおこなわれる今回の座り込みに備えて、3日間の有給休暇をとり「応急手当普及員認定」の資格をとりました。だって、暑さで倒れる座り込み参加者が出たら困るものね!国公と地公の公務員の賃金を引き上げ購買力を高めることにより、景気を回復させ、民間の賃金も引き上げ、国民全体が幸福になれるように人事院も考えてほしい。私の言いたいことは、今こそ公務労働者ががんばらなければいけないということ。「公務員はがまんしないで、立ち上がれ!国民を味方につけよう!」【全司法茨城支部の男性】

 ○これ以上の賃下げはやめてほしい!家のローン返済があるのに、3年連続年収マイナスになればとても辛いです。私は営業倉庫の許認可の業務をしていますが、不景気の影響もあり業務拡大にともなう新規の相談が増えています。私の所属する課には4人しかいませんが電話と窓口との対応に追われている毎日です。定員削減による業務量の増加で、残業は恒常化しています。予算の関係で残業代は月6〜7時間しかつきませんので、それを超えるとサービス残業。みんな月平均30〜40時間残業していますし、なかには月100時間を超える職員もいました。これ以上賃金も労働条件も悪くなってほしくないです!これからも仲間と励ましあってがんばりたいです。【全運輸神戸海運支部の女性】

 ○勤めて7年になりますが、差額はいつもわずか…。賃上げの実感はあまり体験していないので、ちょっぴり悲しいですね。免許などの許認可業務をしていますが、時期によっては残業が多いです。がんばって働いているのだから、業務に見合った賃金がほしいです。抱負としては、仕事も組合も楽しくやっていきたいと考えています。【全運輸中国支部の女性】

 ○私は2人の子どもがいますが、ボーナスが減るのは困りますよね。特許庁分会の組織内のブロック事務局長をやっていると、仲間のさまざまな悩みを耳にします。ローンや教育費がかさむ30代後半から40代の方は、ボーナスで赤字を補てんしている現状ですし、子どもを2人育てている青年層は生活が苦しいと訴えていますし、本省の仲間は壮絶な残業に悲鳴をあげている…。あと1カ月で青年協の活動は卒業しますが、これからは組織の拡大にむけていっそう奮闘します。【全経済特許庁分会の男性】

 ○一時金カットは許せません。勤めて13年目になりますが、賃上げもほとんどなく、生活はギリギリです。法務局は人員が削減され、私の働く登記の職場もとても忙しいです。国民の声を直接耳にする窓口業務をやっている私たちにとって、忙しく余裕がない実態に直面して、とても歯がゆい思いを抱いています。これからも国民の要求に応えられるような仕事をしたいです。人事院に言いたいことは、政府の顔色ばかり見ず、私たち国家公務員の方にもっと目を向けてほしいと思います。【全法務札幌支部の男性】

 ○座り込みは初めての体験です。2日間座り込みに参加して、とても暑かったけれど、全国の仲間の熱気を感じました。やっぱりマイナス勧告は許せません!人事院には、景気回復のためにも公務員の賃金を上げてほしいと訴えたいです。この3年間賃金は上がらず、生活はギリギリです。アパートの家賃を払うのもきついですよ。私は仙台管区気象台で交代制勤務をしていますが、人員が減っていて新規採用がなかなかありません。気象台の職務の性格上、緊急時の人員の確保はとても大事だと思いますし、そのためにも、安定した生活と業務態勢が求められています。また、男女ともにいきいきと働くためにも、結婚して子どもが安心して育てられる環境づくりや、看護・介護休暇なども充実してほしいですね。【全気象仙台分会の女性】

 ○今回初めて中央行動に参加しました。職場では経理の仕事をしています。3年連続で賃金引き下げをしようとしている人事院や公務員制度改悪を行おうとしている政府は、もっと職場の実態を知るべきであると思います。公務の職場の実態を知ればには「信賞必罰」がなじまないことは明らかだと思います。【全建労中国技術支部の男性】

 ○今の公務員いじめはひどいですね。もっといい世の中になるようにがんばってください。陰ながら応援してます。歩いている人にも何かわかるようにビラをまくといいですよ。【行革推進本部前で・通りがかりのおじさん】
              

(以上)


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