大 会 宣 言
国公労連第47回定期大会は、「憲法が生きる行政・司法の確立へ、いま、国民の中へ国民とともに」をメインスローガンに、8月28日から30日の3日間、東京で開催された。
完全失業率はついに5%となり、戦後最悪の記録を更新するなかにあっても、大企業が次々と大リストラ計画を発表するなど、雇用情勢はいっそう深刻となっている。「聖域なき構造改革」をかかげる小泉内閣のもと、今後も、不良債権の早期処理による中小企業の倒産、失業者の増大が避けられないばかりか、医療や年金、介護など社会保障の切り捨てによって、耐えがたい「痛み」が労働者・国民におそいかかろうとしている。私たちは、景気回復・雇用拡大を求め、小泉内閣の悪政と対決して、国民生活を守るたたかいに固く結集する。
省庁再編、独立行政法人化など行政「改革」の総仕上げの位置づけで公務員制度「改革」をすすめる政府は、その「基本設計」を6月に決定した。3月の「大枠」発表以降、その問題点を国民的に明らかにしながら、50万を目標とする国会請願署名や300万枚の大量ビラ宣伝などを柱に、国公労連、各単組、ブロック・県国公が一体となり、民主的な公務員制度を求めるたたかいに組織の総力をあげてきた。短期間に集約した約20万の署名は、133名の請願紹介議員を獲得し、そうした運動の力や、ILO89回総会における全労連を含めた労働組合代表団の追及、国際的な批判が日本政府を追い込み、「労働組合との誠実な交渉・協議」を明言させるとともに、当初政府がねらっていた改革のスケジュールを後退させた。
政府が、12月にも「大綱」の決定をねらっているもとで、大会では、運動の到達点を確信に、政府・行革推進事務局との交渉を強めつつ、政府が、一方的に「大綱」決定を強行しようとするときには、実力行使態勢を確立して政府追及を強める決意を固め合った。
2001年人事院勧告は、史上最低の「0.08%、313円」の官民較差に加え、期末・勤勉手当の0.05月引き下げにより、3年連続で年収を引き下げるマイナス勧告となった。労働基本権制約の「代償措置」としての人事院の役割を投げ捨てるに等しい賃下げ勧告は、公務員労働者の生活と労働の実態からしても、断じて認められない。私たちは、賃下げまでも人事院勧告にゆだねてはいない。大会では、「職場連判状」などを通して仲間の声を集中し、政府の使用者責任を徹底して追及するために、秋からのたたかいを強化することを意思統一した。
労働者同士を競争にかりたてる能力・業績主義の強化、過労死を生みだす長時間・超過密労働、不払い・サービス残業、一方的な解雇など、いまほど労働者の生活と権利が踏みにじられているときはない。私たちは、人間らしく働き、人間らしく生きるために、「働くルールの確立を」との声をひろげ、すべての労働者と連帯してたたかう。大企業・大銀行への税金ばらまきの一方、社会保障の後退によって、国民のいのちと健康が危機にさらされているとき、私たちは、国立病院・療養所の移譲・統廃合、独立行政法人化など国のサービス切り捨てに反対し、国民本位の行財政・司法の確立を求めてたたかう。憲法の平和原則がかつてなく脅かされているもとで、憲法を擁護し、日本の平和と民主主義を守るためにたたかいぬく。
職場に仲間たちの怒りが渦巻くなか、いま、労働組合の役割そのものがためされている。21世紀の国公労働運動の発展にむけて、一人一人の仲間たちの力を結集し、職場・地域から団結を強め、すべての労働者・国民と固く手を結びたたかうことを宣言する。
2001年8月30日日本国家公務員労働組合連合会第47回定期大会