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政府は、強行成立させた「テロ特措法」にもとづく「対応措置に関する基本計画」を11月16日に決定し、これにそって、11月25日には、補給、輸送、修理、整備、医療、港湾業務の5分野での「協力(後方)支援活動」を目的とする自衛艦6隻(すでに情報収集名目で派遣している3隻を含む)をインド洋に派兵した。そして、本日、27日には、衆議院本会議において、自衛隊派兵の国会承認案件を、与党三党と民主党の賛成多数で可決し参議院に送付した。 許し難いテロ行為への批判を利用し、一時の感情を煽りながら、国の基本ルールである憲法をいとも簡単にふみにじり、戦争参加にひた走った政府等の姿勢は、強まっている改憲策動とともに、国内外の不安と疑念を広げるものとして、糾弾しなければならない。 国民的論議がつくされないまま「テロ特措法」を成立させた政府は、アフガニスタンでの状況変化や、アメリカがテロ根絶を口実にソマリア、フィリピン、イラクなどへの攻撃拡大を検討、示唆していることなどには目もくれず、一日も早く自衛隊艦船を派兵し、既成事実を積み上げることに専念した。「テロ特措法」成立後のテレビ朝日の調査でも、米・英のアフガン軍事攻撃について、「支持しない」が47%で「支持する」の40%を上回り、自衛艦のインド洋展開についても「支持しない」が53%と、「支持する」の38%を上回っていることに示されるように、なお世論は二分している。このことに照らしても、性急な派兵決定であり、国民世論をふみにじる暴挙である。 また、「テロ特措法」の審議段階で曖昧にされていた自衛隊の支援行動内容についても、「基本設計」では行動内容、活動範囲などがなお明確にせず、具体的内容をさだめた実施要項は「秘」とされて国会に報告すら行われないなど、文民統制の観点からも見過ごせない問題を含んでいる。「軍隊の暴走」を国会がいかに統制するかは重大な問題であるにもかかわらず、「白紙委任」を与えたに等しい今回の承認は、民主主義とのかかわりでも大きな禍根と言わざるをえない。 国会では、引きつづき、PKO協力法の「参加5原則」の見直し「改悪」法案が審議され、軍事組織であるPKF(国連平和維持軍)への自衛隊の参加に道を開こうとしている。いつでも、どこへでも、日本の軍隊が軍事行動に参加する有事態勢づくりが一気に加速しており、平和と民主主義が重大な危機にさらされている。 日本憲法9条は、1999年のハーグ会議でも「21世紀の国際平和秩序を先取りするもの」として国際的にも脚光を浴び、「テロも戦争もノー」の世論が国際的に広がっている。 国公労連は、このような事実に目を向け、日本政府は今こそ平和憲法を守れ、戦争地域からの自衛隊の撤退を、の世論と運動広げてたたかいに引きつづき奮闘する決意である。 2001年11月27日 日本国家公務員労働組合連合会 |