雇用・くらし・いのち・平和を守ろう!
02春闘3・13中央行動に2000人
 2002春闘での民間の賃金闘争がヤマ場を迎えた3月13日、国公労連は、公務労組連絡会に結集して、「雇用・くらし・いのちを守ろう!小泉構造改革・有事法制を許すな!3・13中央行動」を、国公から1400人、公務の仲間全体で2000人の参加で実施しました。

★国際常識に反する政府の公務員制度改革の手続きと内容

 花粉症で苦しむ人以外は春うららの絶好の行動日和となった3・13中央行動は、昼休みの総務省前と厚生労働省前の2カ所での第1次要求行動を並行して、スタートしました。
 総務省前要求行動の主催者あいさつに立った公務労組連絡会・堀口副議長(国公労連委員長)は、要旨つぎのように訴えました。

 3月19日の政府・人事院の最終回答を目前にし、また4月12日の国民総行動等の成功に向け、本日の行動を大きく展開することが大切になっている。
 いま小泉構造改革により教育現場・自治体・国の行政へ国民の“痛み”が押し寄せている。その上に、3年連続の年収切り下げによる生活悪化に加え、医療改悪等の生活不安、そして、行政減量化・効率化の名による行革攻撃で人減らしが進み、ただ働き長時間残業による健康破壊、公務労働者の働きがいを損ねる事態が深刻化している。
 1万7千円以上の賃上げ、非常勤職員のみなさんの賃金底上げ、ただ働き残業の是正などはささやかな要求だ。総務省・政府に対し私たちの要求に誠実に応えることを要求する。
 政府は、公務員制度改革で、各省の人事管理権限拡大、労働基本権制約、差別・競争を強いる能力等級制度導入などを狙っている。公務労組連絡会は全労連と相談し、日本政府による公務員制度改革の手続きと内容は、国際公約にも国際的常識にも反するとの立場で、ILOや国際世論に訴えていくことを決定している。
 族議員政治家と特権官僚が癒着して、利権や私利私欲のために行政を歪めている。私たちが従来から指摘しているように正すべきは政・官・財の癒着構造だ。
 私たちは、国民本位の行政・教育をめざし、すべての労働者が人間らしく働く権利の確立、公務労働者が国民のために生き生きと働ける国民に信頼される公務員制度の確立めざしてたたかいをすすめよう。

 つづいて、各産別からの決意表明では、国公労連を代表して全建労近畿地本の大岩さんが、「小泉改革は国民に痛みだけ押しつけ、さらに医療改悪を狙うなど悪政のきわみとなり、大倒産・大失業で雇用も景気も悪化する一方だ。大企業の未曾有のリストラ首切りに抗してたたかう民間の仲間に固く連帯して、国民春闘に全力をあげ、小泉改革をはねかえそう」と、力強く語りました。

 ★中労委労働者委員の公正任命を

 厚生労働省前では、中労委労働者委員の公正任命を求める行動が行われました。
 主催者あいさつで公務労組・田中副議長は、「労働者の権利を守る中労委は全労連発足以来いっかんして連合推薦の委員が独占してきた。救済機能を全く果たしていない。まさにゆがんだ体制といわざるをえない。なんとしても、今井さん、藤田さんの任命を実現しよう」と述べ、民間担当委員候補の今井一雄さん(出版労連委員長)は、「中労委は、独立した行政委員会。その委員が連合に占有されている。全国では263の内、非連合系がわずか7名、中労委は15人すべてが連合推薦。労働委員会民主化対策委員会には、ナショナルセンターに所属しない純中立懇やマスコミなどメディアの労働組合も参加し、連合独占に反対している。このような事態では、例えば組合間差別是正のたたかいでは、連合推薦の委員ではまともにたたかえない。この国では民主主義はたてまえだけなのか。長野県知事が先般、非連合の委員を任命したら、連合が抗議したという。笑い話ではない、権力の横暴そのもので、そら寒い思いがする」と語り、つづいて国営企業・特定独立行政法人担当委員候補の藤田忠弘さん(国公労連顧問)が紹介されました。
 各単産からの決意表明では、国公労連を代表して全労働・高木副委員長が、「12年経っても不公正な任命が続いていることに、労働行政に携わる一員として大きな怒りを覚える。我々は採用されたとき、“迅速、公正、懇切丁寧”と教えられた。こんな不公正が続いているのは、いったい誰れの圧力なのか。議員か、財界か、連合か。圧力で不公正な行政が行われるのは、鈴木宗男議員の圧力と同じだ」と発言しました。

 ★許さない!地方切り捨ての賃金見直し

 第2次要求行動は、午後1時過ぎから人事院前と行革推進事務局前の2カ所で並行して行われました。
 人事院前では、独自の横断幕を携えて宮城から参加した国公東北ブロック・後藤事務局長が、「人事院は『地方の公務員給与は高いのでは』という一部からの指摘を受け、地域別賃金の導入を視野に入れた見直しをしようとしている。これは地方の公務員の給与の切り下げだけでなく、地域の民間賃金、最低賃金にも悪影響を及ぼし、不況にあえぐ地域経済にさらなる打撃を与えるものだ。地域別賃金の導入を許さず、民間賃金、地域最低賃金の底上げをはかり、全国一律最低賃金制確立に向けて全国の仲間とともにたたかう」と、国公労連を代表して決意表明しました。
 行革推進事務局前要求行動では、全経済・伊波書記長が、「鈴木ムネオ議員と外務省との不正常な関係が問題となっているが、政府による公務員制度改革はこれを助長する危険性をもっている。『大綱』では天下りのチェックを各省大臣に委ねるとしているがこれでは是正されない。また、本省幹部職員の育成強化をうたっているが一部のエリートによって運営してコマとしてのスタッフには異常なほどの残業を強いるなど使い捨てだ。国民的批判に応える民主的な改革を強く求める」と訴えました。

 ★4・12国民総行動へ全力あげ小泉改革はねかえそう

 中央行動の最後には、総決起集会を日比谷野外音楽堂で開催しました。
 主催者あいさつで公務労組・駒場議長は、「小泉内閣への幻想が音をたてて崩れている。直近の世論調査では40%台となり、最高時から30ポイント以上も下がった。ムネオハウス問題など、国民の怒りは大きく、私たちのたたかいは攻めどきだ。3・19の最終回答に向け私たちの要求を前進させ、4・12国民総行動を大きく成功させよう」と呼びかけました。
 また、第27期中労委労働者委員の公正任命を求め、国営企業・特定独立行政法人担当委員候補として奮闘している藤田忠弘さん(国公労連顧問、国公労連前委員長)が登壇し、「労働者の権利と労働条件を守るため、みなさんと腕を組んで選任の実現をめざし奮闘したい」と力強くあいさつしました。
 各単産代表として決意表明に立った国公労連・小田川書記長は、「2月15日の要求書提出以来、交渉をかさねているが、人事院も総務省も従来回答を繰り返している。とりわけ総務省は労働基本権をないがしろにする公務員制度改革に全面的な協力を表明しつつ、人勧を尊重するなどと言っている。ムネオ疑惑に見られる政・官・財癒着で、人事も左右され公正・中立であるべき行政が歪められている。癒着や天下りにメスを入れ、国民的立場からの公務員制度確立を訴え、国民共同を大きく広げるたたかいを展開したい。8兆円もの内部留保をためこみながら、労働者犠牲・リストラを進めるNTTの横暴を告発し、たたかう通信労組に連帯するため、国公労連は全国各地で、あす宣伝・支援行動を行う。そして、4・12国民総行動へは、すべての組合員による休暇宣伝行動で大きく結集する」と述べました。
 集会の後、参加者は国会請願デモを実施し、この日の行動を終えました。

 ★参加者の声

 ●全経済 産業技術総合研究所労働組合 第1分会の方
 行政職200名の分会で委員長をしています。独立行政法人となって初めての春闘です。賃金要求はたたかわないと勝ち取れないものであり、人勧準拠を打ち破り、大幅賃上げをめざしてたたかいを進めていきたいと思っています。また、家庭では、6歳を頭に3人の子どもを抱えており、医療改悪による3割負担は絶対に許せません。さらに、今後の学費の負担など将来には不安がいっぱいです。

 ●全労働滋賀支部の方
 今回の中央行動には、全労働は各支部2名の上京団で参加しています。滋賀県では、「働くルール確立推進連絡会」が結成されており、10万筆の署名集約をめざし、労働組合への訪問や学習会の開催などの取り組みをすすめています。支部としても、労働行政に携わっている労働者として、「働くルール署名」を重要課題と位置づけています。これまでの労働法制の改悪は、経営者のためのものであり、これ以上労働者をいじめる労働法制の改悪は許せません。

 ●全港建神戸技術調査支部の方
 不況のなか、公務労働者の賃上げが難しいと言われていますが、1万7千円賃上げはアンケートにもとづいた切実な要求です。賃金を引き上げて消費を拡大し、景気回復をめざすべきです。また、「公務員制度改革大綱」で各府省が人事管理を行うとしていますが、これで本当に国民のための行政ができるのか不安です。公務員の労働基本権を回復してほしいです。

 ●全建労近畿滋賀国道支部の方
 民間のきびしさを痛感しつつも、いま私たちが要求しなければ、デフレスパイラルで民間賃金に跳ね返ってしまいます。私の職場では、毎週水曜日の昼休みに最寄り駅前(膳所)でビラをまき、公務員制度改革問題を国民に訴えながら宣伝行動を展開中です。もう少しで20代も終わりますが、青年を育てて運動全体を盛り上げていきたいです。

 ●全労働群馬支部 職安に働く女性組合員
 新幹線に乗って親子3人で行動に参加しました。今日は子どもの誕生日で、4歳になりました!それにしても医療費3割負担は何を基準に決めているんでしょうね。夫婦で共済掛金を払っているのに、矛盾を感じています。私の職場は4月からひとり人員が減らされることが決まっており、業務量が増えているのに大変です。きびしい時代だからこそ、労働組合も元気にがんばらなければいけませんね。

 ●京都国公の方(全法務)
 昨日、京都府知事選の決起集会を円山公園で開催し、2000人が参加。熱気あふれた集会でした。京都では燃えています!全国のみなさんの応援をよろしくお願いします。

以 上

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