国公FAX速報 2002年5月23日《No.1259》

 有事法制の会期内成立ねらう
  公聴会設定の強行に抗議
国会前座り込み行動に1300人


 国会会期末の6月19日まで1カ月を切った5月22日、全労連・国民春闘共闘や国民大運動による国会前座り込み行動が、午前10時から午後3時まで行われました。昼休みには、陸・海・空・港湾労組20団体や平和をつくり出す宗教者ネットの仲間も加わり、1300人の参加で集会を実施し、国公からは70人の仲間が結集しました。

 昼の集会で主催者あいさつに立った全労連・坂内事務局長は、「最終盤の国会にさしかかり、医療改悪・有事法制・メディア規制・郵政公社化法案などが緊迫した事態を迎えている。“雇用・暮らし・いのち”を守ろうと進めてきた私たちの運動は、2500万筆の医療改悪反対署名、燎原の火のように広がってきた有事法制許すなのたたかいとなって結実してきている。しかし、油断はできない。『5・24大集会』を大きく成功させ、28日から連日、波状的に国会を包囲しよう。すべての力を終盤国会に集中して、悪法阻止、小泉退陣に向けてがんばろう」と訴えました。
 つづいて、共産党の穀田恵二衆院議員、社民党の今川正美衆院議員、無所属の川田悦子衆院議員が、国会情勢報告にかけつけ、それぞれ次のように発言しました。

 “会期内成立ありき”“国民への説明責任放棄”の
 公聴会設定強行〈共産党・穀田衆院議員〉


 昨日、与党3党が、有事法案の5月中の衆議院通過をねらって、野党欠席のまま公聴会の設定を強行した。審議時間わずか34時間で、とにかく会期内成立ありきの暴挙だ。朝日や毎日新聞も法案の欠陥を指摘し、なぜそんなに急ぐのか疑問視している。「どのような状況が武力攻撃事態なのか?」「自治体はどんな協力をするのか?」など、基本的な問題で、自民党の議員ですら、「聞けば聞くほど分からない」と言っている。このような状況で、どうして国民が理解できるのか。まして国民の意見を聞く公聴会を設定するなど、政府の説明責任を放棄したものだ。このような暴挙を許さず、アメリカの戦争に協力する法案を断固阻止しよう。

 国民の権利侵害する“欠陥法案”は廃案以外にない
 〈社民党・今川衆院議員〉


 わずかな国会審議の中でも、有事法案が“欠陥法案”であることが明らかになっている。政府が勝手な判断で戦争体制をしき、国民の権利侵害をやろうとしている。その具体的な権利制限の中身は、2年以内に法整備するという、もっとも大切な国民の自由と権利を白紙委任するような状態だ。こんな欠陥法案は廃案以外にない。

 “いのち・人権”奪う有事法案を阻止することは
 大人の責任です〈川田悦子衆院議員〉


 有事法制のねらいは、国民主権の侵害であり、戦争のできる体制づくりです。私は薬害エイズのたたかいの中で、多くの子どもたちが死んでゆくのを見てきました。国による犯罪的行為で命が奪われていったのです。私は“いのち”そのものを脅かす有事法制には断固として反対です。殺すことや殺されることに対して「ノー」の声を私たちはあげていかなくてはなりません。いのち、人権を守り、一人ひとりが生き生きと活動できる社会をつくっていきましょう。それは大人である私たちの責任です。この有事法制はクーデターに近いものだと思います。いま大人である私たちが、がんばって、有事法案を廃案にしましょう。

 戦争する国はいらない!平和な海、平和な外交こそ必要
 〈全日本海員組合・藤丸教宣副部長〉


 つづいて、各団体から決意表明があり、全日本海員組合の藤丸徹教宣副部長は、「日本は平和な海、平和な外交で成り立っている。鉄鉱石・アルミ・ニッケルなどは100%海外に依存しているし、小麦粉をはじめ食料も多くは海外に依存している。小泉内閣は、構造改革をとなえ、平和な日本を戦争する日本に変えようとしいる。24日には、陸・海・空・港湾労組20団体の仲間らとともに、国民的な大集会を成功させたい」と、発言しました。

 座り込み行動後、国公労連は独自の署名宣伝行動を展開

 座り込み行動の後、国公労連は、午後5時半から、有楽町マリオン前に移動し、先週に続いて有事法制・医療改悪反対の独自の署名宣伝行動を、各単組本部役職員や東京国公の仲間40人で取り組みました。若い女性が自ら署名に応じてくれるなど反応もよく、1時間の行動で、有事法制反対署名は82筆集約されました。


 ★戦争のための行政体制は許さない!
 有事法制反対宣伝行動&緊急学習会を実施
               〈京都国公〉


 京都国公は5月16、20日に有事法制反対宣伝行動を独自に行い、あわせて40人が参加しました。16日の行動では、用意していたビラが宣伝終了予定時間までに全部配布し終わるなど市民の受け取りもよく、宣伝の必要性が高まっていることを実感しました。
 京都国公はいくら国民のための行政体制が確立されても有事法制が発動されれば、戦争遂行のための体制となってしまうことから、今後も数回の宣伝行動を提起しており、各単組に取り組みへの結集を引き続き呼びかけています。
 また、京都国公は、5月10日に、有事法制とはいったい何か、国家公務員にはどう関係してくるのか、という視点で講師に自由法曹団の村井弁護士に来ていただき、学習会を開催しました。
 村井弁護士は講演の中で、「国家公務員への影響はかなりある。というより、まっ先に全面的に戦争に動員させられる。国家公務員は職務専念義務があり、国家公務員法の中に『法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない』とある。また、101条2項には『地震、火災、水害その他重大な災害に際し、当該官庁が職員を本職以外の業務に従事させることを妨げない』とあり、この中の『その他重大な災害』には武力攻撃も十分考えることができる。そうすれば例えば、法務局の職員が野戦病院の仕事を命じられることだってありうる。また、命令などを拒否した場合はどうなるのか。これまでの命令違反による懲戒処分に対する裁判の判例をみてみるとことごとく処分は適法とされている。よって命令拒否をしても処分されるのは確実で命令に従うほかない」と、弁護士らしい観点から有事法制の問題点を指摘しました。
 次に京都国公顧問の桐畑さんから戦時中の体験もふまえた貴重な話をしていただきました。
 学習会の最後に京都国公・九後事務局長が京都国公独自の宣伝行動や府民大集会の参加など当面の行動提起をしました。
 参加者の感想には「有事法制の問題点がよく分かった。国民に知らせていかなくてはならない」など決意をあらたにしたものが多くありました。
(京都国公事務局次長・土井直樹メール通信員発) 

以上

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