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本日開催された衆議院本会議で、サラリーマンなど患者本人負担の現行2割から3割への引き上げ、保険料アップ、高齢者の負担増をはじめとする医療改悪関連法案を、与党・自公保3党の賛成多数で強行可決して参議院へ送付した。 「医療改悪反対署名」が2600万筆を超え、マスコミの世論調査でも「医療改悪には反対」が「賛成」を大きく上まわる中、6月14日に議会制民主主義のルールを踏みにじって委員会採決を与党単独で強行し、さらには、42日間もの会期延長と併せて、本会議で採決を強行したことは、重ね重ねのルール破りと言わざるをえない。 国公労連は、国民の「いのちとくらし」を破壊する改悪法案に断固反対する。そして、国民世論を無視し、国会運営のルールを破ってまでのこの蛮行に、激しい怒りと強い抗議の意思を表明する。 小泉首相が押し進める「構造改革」は、「社会保障の自立・自助」「不良債権の最終処理」「規制緩和と国営事業の民営化」のどれをとっても、景気を回復させるどころか、深刻な生活や老後の不安による消費不況をさらに進行させ、中小企業の経営をズタズタにする一方で、利権とむだ遣いを温存し、デフレスパイラルに入ったといわれる日本経済の回復をよりいっそう困難に陥れるものに他ならない。依然5%を超えたままの失業率、一向に回復しない個人消費、大きく落ち込んだ企業の設備投資など、様々な経済指標がそのことを明確に証明している。 このような時期に医療費の大幅負担増をもたらす「医療改悪」法案の採決を強行したことは、高齢化社会が進む日本にとって、世紀の愚策と言わざるをえない。しかも、この法案が「有事法制関連3法案」と同時に審議がされてきたことは、戦時中、戦費調達のために年金制度が導入されたことも連想させ、この国会の異常さをいっそう際立たせている。 各種世論調査で小泉首相の支持率が3割台にまで落ち込んでいる。「自民党を壊す」と言って誕生した小泉首相も、政権発足から1年を過ぎて、「自民党的手法」そのものにたよらざるをえないところまで来た。景気回復や雇用政策などに目もくれず、ありもしない「有事の備え」を口実に戦争国家づくりに狂奔するこの国の首相に対し、国民が一刻も早い退陣を求めはじめている。 私たちは、「医療改悪関連法案」をはじめ「有事法制関連3法案」「郵政民営化関連法案」「個人情報保護法案」などの悪法を断固阻止するため、署名・宣伝など数々の大衆行動を積み上げ、あらゆる共同の拡大を追求してきた。6万人が集まった「ストップ!有事法制、6・16全国大集会」や、全労連・連合・全労協が一堂に会した国会座り込み行動をはじめ、全国で「新たな」「久方ぶりの」「かつてない」共同行動が連日繰り広げられるなど、たたかいは更に広がり政府を追いつめている。 今回の会期延長によって、たたかいは7月末までの延長戦に入った。これまでのたたかいで4つの重要法案のどれ一つも成立を許してはいないが、依然予断を許さず、さらに、国立病院・療養所を解体する「独立行政法人国立病院機構法案」の審議入りの危険性も高まっている。 国公労連は、国民のいのちとくらしを守り、憲法遵守の義務を負う国公労働者で組織する労働組合として、戦争国家づくり、社会保障解体をねらう諸悪法の成立を断固阻止するとともに、鈴木宗男議員逮捕に象徴される「政官財のゆ着」を断ち切り、政治の民主的転換を図るため、引き続き広範な国民との共同をいっそう発展させ、全国で奮闘するものである。 2002年6月21日 日本国家公務員労働組合連合会 |