国公FAX速報 2002年7月3日《No.1270》

レッドカード!マイナス勧告・公務員制度改悪・いのち削る悪法
たたかえば展望ひらく!夏季闘争中央行動に1200人

 ワールドカップが終わり、梅雨空もはねかえし、夏季闘争に全力投球できる条件がそろった7月3日、国公労連は、公務労組連絡会夏季闘争第1次中央行動(国公労連としては夏季闘争第2次中央行動)のピッチに結集し、800人の仲間(公務労組全体では1200人)が奮闘しました。

ルールふみにじる日本政府に国際的批判集中!小泉内閣を追いつめ、
行政ゆがめる制度改悪許さず、国民生活と職場を守ろう


 この日の中央行動は、昼休みの総務省前と行革推進事務局前で並行した要求行動からスタート。総務省前行動で、主催者あいさつに立った公務労組・松村副議長(全教委員長)は、「夏季闘争をめぐる情勢は厳しい。春闘はのきなみベアゼロ、国営企業の有額回答もいまだに出ていないという異常な事態となっている。そして、竹中大臣の公務員賃金削減発言や、それを肯定する小泉発言など、これまでにない攻撃が強まり、公務員制度改悪もすすめられている。しかし、先月のILO総会でこのような日本政府に対して、各国から批判の声が集中した。大義は私たちにある。政府の公務員制度改悪の不当性を追求し、750万労働者に悪影響を与え、景気悪化につながる公務員賃金切り下げを阻止しよう」と述べました。
 決意表明では、国公労連を代表して全労働・河村中央執行委員が、「私たちの職場の仲間は、お互いに協力しあうチームワークの力で、労働災害を防ぐなど労働者のための労働行政実現に日夜奮闘している。しかし、政府の狙う公務員制度、なかでも評価制度がもちこまれれば、労働者の方を見ずに、上司の方を見ながら仕事をすすめることになる。公務員制度改悪がどれだけ行政をゆがめることになるのかを明らかにし、民主的な行政確立へ全力をあげたい」と発言しました。
 推進事務局前では、公務労組・松本幹事が主催者あいさつをかねて、「この国会で、実に4人の国会議員が辞めさせられたり、逮捕された。異常な国会だ。朝日新聞は、『鈴木宗男事件はなくなるか』との質問に、8割の人は『なくならない』と答えたと報じた。ILO総会でも岡山高教組事件の提訴でも、日本政府は世界から批判を浴びている。いまこそ、大綱を撤回させて、国民的な議論と合意で民主的な公務員制度改革をかちとろう」と情勢を報告しました。
 国公労連から全経済・入澤副委員長が、「政府が行おうとしている改革は、特権キャリアの合法化だ。一般の職員はベルトコンベアのビール瓶で、キャリアの検査官が不良品と判断したらいつでもやめさせられるというのか。こんな改革はノーだ」、広島自治労連の川后(せんこう)書記長は、「いま自治体は、国保とりあげ問題でたいへんなことになっている。こんな仕事で競争させられる公務員には断じてならない」、日高教・北野書記長は「研修制度の変質で、教員に差別と分断がもちこまれようとしている。住民・父母と連帯し、憲法に依拠してたたかいをすすめる」、特殊法人労連から都市労・竹内書記長は、「反国民的な小泉改革は、ムダな特殊法人を温存して、育英会のような国民生活に密着した特殊法人をつぶそうとしている。短期間で40万の署名を集め、国民生活と、職員の雇用を守るため断固たたかう」と、それぞれ全国の職場を代表して力強い決意が述べられました。

公務・民間労働者の賃下げ悪循環を共同の力で断ち切ろう

 つづいて、人事院前に全体が結集して要求行動を実施。冒頭、公務労組・堀口副議長(国公労連委員長)は、「いま小泉内閣は、国民に痛みを強いる構造改革をすすめるために、公務労働者への攻撃をいっそう強めている。小泉内閣の経済財政運営の基本方針=骨太の方針第2弾では、公務員賃金切り下げ、総人件費の抑制、地域の給与の見直し、定員削減のさらなる強行、教員給与の国庫補助のカットなどを打ち出している。この攻撃は、公務員と国民を分断し、公務員の生活悪化を突破口にしながら、国民生活関連予算の削減と消費税率の引き上げなどを狙うもので、二つの大きな問題がある。一つは、公務員の人権とルールを無視していることだ。政府は人勧を労働基本権の代償措置と位置づけてきたにもかかわらず、みずから定めたルールをふみにじっている。二つは、公務員賃金の抑制が民間労働者の賃下げに連動する“賃下げの悪循環”がすすみ、日本経済のさらなる悪化が加速することになる問題だ。この情勢のもとで、人事院の責任はきわめて重大。公務員労働者の生活と職場環境の改善は、国民本位の行政・教育を推進する上で不可欠の課題となっている。マイナス勧告や4年連続の年収切り下げは断じて認められない。公務労組の定期する民主的公務員制度確立と賃金改善の2大署名を武器にして、職場のエネルギーを結集し、国民との対話を大きく展開しよう」と力強く主催者あいさつを行いました。
 決意表明では、全建労関東地本渡良瀬支部・野木村書記長が、「地域では、相次ぐ工場撤退や地場産業の不振で、深刻な不況となっている。私たちの支部では、地域経済の景気を回復するためにも、公務と民間の労働者の賃上げが必要だと、みんなで学習し運動をすすめている。春闘での4・12全国統一行動では、多くの仲間が休暇を取得し、地域の民間の仲間と大きく共同してたたかうことができた。この教訓も生かし夏季闘争も力いっぱいたたかう」と、春闘での共同の広がりを夏季闘争でさらに広げようと発言しました。

すべての悪法を火種残さず廃案にし小泉内閣を追いつめよう

 中央行動の最後は、日比谷野外音楽堂で「マイナス勧告・賃下げ許すな!医療改悪・有事法制阻止、民主的公務員制度確立 2002夏季闘争勝利!7・3中央総決起集会」が行われました。国公労連を代表して、遠山副委員長が、「竹中大臣の公務員賃金カット発言やそれを容認する小泉発言は、政府みずからが決めたルールを破るもので断じて許されない。公務員賃金カットが民間賃金カットにつながる悪魔の賃下げサイクルを断ち切るたたかい、民主的公務員制度確立のたたかい、有事法制をはじめとする悪法阻止のたたかいを攻勢的にすすめ、小泉内閣を追いつめよう」と決意を表明しました。
 連帯あいさつにかけつけた日本共産党・松本善明衆院議員は、「政府は最初、有事法案は5月中旬に成立させると言っていた。しかし、有事法案どころか、政府が重視した4つの法案は何一つとして成立していない。これは、みなさんの大きなたたかいが作り出したものだ。さらに運動を広げ、すべての悪法を火種残さず廃案にすれば、労働者・国民の生活改善の展望が大きくひらかれる。ともに共同を広げよう」と、たたかえば展望を切り開ける情勢であることを訴えました。
 集会後、参加者は国会請願デモを行い、「公務員賃金の切り下げ反対!」「国民のための公務員制度をつくろう!」「すべての悪法は廃案にせよ!」と、シュプレヒコールを響かせ、この日の中央行動を終えました。


以上

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