10月3日の昼休み、名古屋の官庁街三の丸の名城東小公園において、マイナス人事院勧告完全実施阻止に向けての意思統一集会を開催しました。この集会は、愛知国公が、愛知県労連(以下愛労連と略)などに広く共闘を呼びかけ、愛労連、愛知公務共闘、東海ブロック国公、愛知国公共催の取り組みとして開催することができました。
集会では国公の組合員だけでなく公務共闘の仲間はもちろん、マイナス勧告は全労働者にかけられた攻撃だとして平日の昼間それも各単産は三の丸から遠距離にあるにもかかわらず、全国一般、JMIU、建交労など、愛労連、愛知春闘共闘に結集する民間の9単産19名の仲間が代表参加。集会全体としては、400名以上が結集し、各公務単産の決意表明や地元国会議員要請など今後の行動提起などを全体で確認しました。
また、愛知春闘共闘に結集する民間の単産・単組が共同で「民間労働者の賃下げといっそうの消費不況、“悪魔のサイクル”に拍車をかける公務員賃金の引き下げに断固反対する」とのアピール(別掲参照)を発表したことを愛労連・榑松事務局長が報告しました。(この「民間単産共同アピール」は、『朝日新聞』や『中日新聞』にも取り上げられました)
なお、集会後さっそく自民党・吉田議員に対して、愛知国公議長・事務局長、愛労連事務局長(生協労連出身)、全国一般愛知地本委員長の4人で要請行動を行いました。
(愛知県国公・空直樹事務局長発)
★民間単産共同アピール
民間労働者の賃下げといっそうの消費不況、“悪魔のサイクル”に拍車をかける公務員賃金の引き下げに断固反対する
2002年10月1日
生協労連愛知県協議会 議長 若井和則/地域労組きずな 執行委員長 石川 悟/建交労愛知県本部 執行委員長 日下二郎/全労連全国一般愛知地方本部 執行委員長 黒島英和/愛知県医労連 執行委員長 振角敏広/福祉保育労東海地方本部 執行委員長 長尾倫子/全国検数労連名古屋支部 執行委員長 豊原政巳/JMIU愛知地方本部 執行委員長 原田敏之/全港湾東海地方名古屋支部 執行委員長 篠原俊彦/国労愛知県支部
委員長 岩屋雄二/新聞労連東海地連 執行委員長 橋本茂則/民放労連東海地連名古屋地区協 議長 櫛田 稔/東海地区私立大学教職員組合連合 執行委員長 大橋博明/タクシー協議会 議長 近藤宣彦/全印総連愛知地方連合会 議長 田中知通/通信労組愛知支部 支部委員長 古本義徳/銀行産業労働組合愛知県支部 執行委員長 金子春雄/東海地域法律関連労組愛知支部 執行委員長 村井秀樹/映産労名古屋分会 分会長 鎌田 肇/愛知県労働組合総連合民間部会 部会長 黒島英和
人事院は8月8日、史上初めて2.03%の「賃下げ勧告」を強行した。続いて9月5日に名古屋市1.68%、10月1日に愛知県2.07%の賃下げ勧告が行われた。年間平均15万円もの賃下げになるというこれらの「マイナス人勧」は、公務員労働者の激しい反発と怒りを招いているが、我々民間労働者も、このような勧告は許すことができない。
これがこのまま実施されれば、それによる生活悪化は国の機関や自治体などに働く公務員労働者にとどまらない。医療・福祉・教育分野をはじめとする公務・公共業務関連労働者、米作農家や農協職員、さらには年金生活者など、広範な労働者・国民がこの「マイナス勧告」の悪影響を直接に受けて苦しむことになる。生活保護、労災保険・雇用保険等の各種給付金なども「人勧準拠」で引き下げられるのではないか。国や自治体で増えてきているパート・臨時職員や外部委託の労働者の賃金も下げられはしないか。障害者、高齢者、母子家庭、共同保育、学童保育など、医療・福祉・教育分野の補助金・助成金は大丈夫か。公共事業の人件費積算単価が下げられ、ただでさえ不況と規制緩和で苦しんでいる建設・運輸関係労働者の賃金がさらに厳しくなることはないかなど、「マイナス人勧」の影響を懸念・心配する声は民間労働者の間にも大きく広がっている。
さらに心配なのは、「公務員も賃下げだから」と民間の賃金・労働条件がさらに切り下げられることである。そうなれば、地域経済は、「公務員賃金の引き下げ」、「民間のリストラ・賃下げ」、「いっそうの消費不況」という“悪魔のサイクル”に落ち込むのは必至である。この道に踏み込んではならない。
不況打開の近道は、労働者・国民の消費購買力の回復にある。そしてそのためには、「マイナス勧告」による賃下げは勇断をもって見送り、むしろ積極的な賃金改善にこそ努めるべきであろう。我々民間産業の労働組合は、国や自治体にそのことをつよく要請するものである。
以上
マイナス人勧・不利益遡及問題、公務員制度問題で
国会議員要請/高知市長選では質問状〈高知県国公〉
高知県国公は、10月4日に自民党・田村衆院議員、翌5日には民主党・五島衆院議員への要請を行いました。
田村議員への要請には岡原議長、北岡・竹埜両副議長、川村事務局長と全労働1名の5人が参加し、17時から約30分程度の要請を行いました。要請では、マイナス人勧の実施が、公務員の生活だけでなく地域経済にも打撃を与えること、不利益の遡及は働くルールを反故にすることを訴え、田村議員も「議員歳費も1割カットされてたいへんだ。地域経済への影響はそのとおりだ。特に高知県は公経済に依存しており、たいへんになる。1年間、参院の総務委員長をしており、今も総務委員である。要請の内容は総務委員長にも伝えるし、委員会でも発言していく」など、意気投合する要請・懇談となりました。
五島議員への要請は、岡原議長と北岡副議長、川村事務局長の3人が参加。11時から1時間にわたる白熱したものとなりました。五島議員は「国公としての主張はわかるが、人勧の枠内の話であれば、遡及も含めて受け入れるのが筋ではないか。人勧を否定するなら、それなりの運動が求められるが、自治労も含めてそうはなっていないし、国民の反発もある」と発言。議長を先頭に、「デフレ経済を加速させる。民間賃金も含めて賃下げサイクルに陥る」「不利益の遡及は法の趣旨に反するし、民間労働者にも影響する」と反論し、理解を求めました。五島議員は、より根本的には小泉内閣の経済政策、竹中大臣や財政諮問会議のやり方に問題があると指摘し、県国公もその認識では一致しており運動面でも努力していることを伝えました。五島議員は、「党内には、きびしいものも含めいろいろな意見がある」としつつも、「不利益の遡及の点についてはネクストキャビネットに反映するよう努力する」と発言。今後も継続した懇談をお願いして要請を終わりました。
高知市長選挙予定候補者に「公開質問状」を提出
県国公は10月1日、10月13日に告示、20日投票の高知市長選挙に立候補を表明している3陣営に「公開質問状」を提出しました。質問状の内容は、(1)マイナス人勧は公務員の生活だけでなく、地域経済にも影響すること、不利益不遡及は働くルールを反故にすること、(2)公務員制度改革は、専門性、中立・公平性など現行制度の維持、政官財の癒着を断ち切ること、労働基本権の回復、の3点が柱、(3)行革による定員削減、機構改革は地方の切り捨てになる、との3点についての見解を求めるものです。回答期限は、10月9日までとなっています。(高知県国公発)
以上
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