政府は10月18日、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を閣議決定した。
その内容は、史上初の本俸切り下げや、賃下げの4月遡及実施など不当なマイナス勧告を「完全実施」するというものである。国公労連は、その閣議決定に厳しく抗議するものである。
国公労連は8月9日に、史上初となった本俸切り下げを含むマイナス人勧に基づく給与法の「改正」を行わないことを求める要求書を提出し、総務省交渉を積み上げてきた。
マイナス人勧に基づく給与法の「改正」は、国公労働者の労働実態と生活悪化の状況を考慮すれば、断じて認められない。
とりわけ、4月に遡っての遡及問題については、官民の比較が4月だからという理由で、新たな措置を講じてまで実質的に不利益を遡及する「脱法行為」であり、「不利益遡及」について一方的な決定を行わないことを政府・総務省に強く要求してきた。
しかし、政府・総務省は、人事院が主張した「情勢適応の原則」を繰り返すばかりで、不利益遡及を正当化する態度に固執し、納得できる説明はなく、使用者としての説明責任を全く果たそうとしなかった。
このように「不利益遡及」問題についてまともな説明もなく、本日給与法「改正」の閣議決定を強行したことは断じて容認できない。
この「不利益遡及」問題は、地方自治体の人事委員会においても相次いで4月に遡っての遡及が勧告されたり、特殊法人でも同様の動きが起こるなど、今年の人事院勧告が社会的な悪影響を広げはじめている。
人事院勧告は、直接的に影響をうける750万人の労働者の生活に影響を及ぼすだけでなく、年金給付額の切り下げなどの動きをはじめその社会的影響は多大なものがある。国公労連は、今日の深刻な消費不況の現状に照らしても、政府がマイナス人勧に基づく給与法を「改正」すべきでないことを強く主張してきた。
こうした背景には、国民生活破壊、国民いじめの小泉「構造改革」の強行という悪政がある。デフレ克服、不況打開のためにも、小泉「構造改革」反対の国民的な運動に積極的に結集してたたかう。
国公労連は、給与法「改正」法案の成立に反対し、当面するブロック連鎖キャラバン行動などで給与法「改正」が日本経済をはじめとする国民に与える影響について訴えるとともに、国会闘争を強化してたたかいを展開する決意である。
2002年10月18日
国家公務員労働組合連合会書記長 小田川 義和
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