国公FAX速報 2002年11月14日《No.1334》


衆議院特殊法人等改革特別委員会−11日午前中の審議
ハローワークの民営化も議論

 12日午前には、衆議院特殊法人等改革に関する特別委員会において、外務省関係の2件、厚生労働省関係の9件の法律案について審議がされました。

<民主党・田中慶秋議員の質問>
田中慶秋議員:特殊法人改革では、必要なものだけを独立行政法人として残すことで進められてきたと思うが、最初の段階で法案の検討はどこで検討が開始されたのか。
石原伸晃行政改革・規制改革担当大臣:46本の個別法律案は各省庁でとりまとめられたものである。
田中議員:各省庁において十分な議論が行われず、特殊法人ありきで法案が出されたのではないか。例えば、労働福祉事業団を解散して設立される独立行政法人労働者健康福祉機構の例では、民間でも可能な労災病院の運営が独立行政法人の業務として残っている。なぜ、残っているのか。
坂口力厚生労働大臣:独立行政法人労働者健康福祉機構の労災病院の例で言えば、労災病院は、勤労者の健康をどう保持するかという点でも必要。ただし、全国の37施設がすべて必要かというとそうでもない。独立行政法人労働者健康福祉機構として整理をしていく。
田中議員:労災病院と大学病院、公立病院の違いはなくなっており、労災病院は赤字。労災病院を民間へ移譲するなどの努力はされたのか。労災病院が特殊な病院であれば独立行政法人労働者健康福祉機構として残せばよいが、特殊ではない。
坂口大臣:労災病院は、産業中毒やじん肺などの医療のため必要。特にじん肺では、肺ガンとなる率も高く、専門性も高い。民間への移譲などについては、独立行政法人化後に整理していく。
田中議員:労災病院として残していいのは、全国で10病院ぐらい。他は民営化でも可能。もう一度全国37の労災病院を総点検すべき。民間に任すところは任すべきである。
坂口大臣:37病院すべてについて検討したい。民営化の受け皿があるかどうかも問題となる。廃止しないでほしいという自治体、先生方の依頼もある。労災病院として特殊性のないところは民営化する方針。
田中議員:受け皿はあると考える。労働者健康福祉機構がなぜ独立行政法人とならなければならないのか。労働者健康福祉機構が(財)労働者福祉共済会に業務を委託している業務もある。委託しているのであれば民間でも十分ではないか。
坂口大臣:労災病院内の売店について、業務委託がされている。独立行政法人となった以降は、入札により売店の業者を決めるなどの効率化も考えられる。
田中議員:例えば、建物のメンテナンスについては、(財)労働者福祉共済会が受け、民間会社に委託している。このようなことはムダである。また、労働者健康福祉機構の業務には未払賃金の立替払も盛り込まれているが、これも民間で可能。天下りの受け皿のための独立行政法人ではないか。
坂口大臣:労災病院の運営のみでなく、労働者の健康・福祉に関わるすべての業務を入れたのでそうなった。独立行政法人を数多く作るのでなく数は少なくした。そのため、異質なものも入っている。労災病院売店の委託問題や不払賃金の立替払の問題は独立行政法人となった以降でも整理が可能である。
田中議員:民営化や地方自治体への移管ができないものを独立行政法人としたのではなかったのか。石原大臣に回答願いたい。
石原大臣:特殊法人が公益法人に業務を「丸投げ」するということをなくすため独立行政法人とした。改革の議論は継続していく。「悪しきを直し良いものは残す」というのが基本である。
田中議員:納税者の立場からいえばそんなにゆっくりはできないものである。日本障害者雇用促進協会と(財)高齢者雇用開発協会の業務の一部を移行する独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構については、実質的には業務は何も変わっていない。また、障害者雇用の支援は現在でも都道府県の障害者雇用促進協会が行っている。地方自治体に行わせればいいのでは。
坂口大臣:障害者雇用納付金の徴収、障害者雇用の助成金の支給などといった業務は国として一元的に行わなければならないものである。
田中議員:障害者のリハビリ、訓練などは民間でも可能ある。2つの協会が1つとなるのに役員は1人しか減っていない。十分な議論がされたのか。省内協議のみで業務を残すこととなったのではないか。
坂口大臣:今まで行っていた業務をすぐに廃止するというのではなく、段階的に見直しを進めていきたい。
田中議員:官僚が自分たちの職場を守るために独立行政法人としたものもあるのではないか。勤労者退職金共済機構については、現在の業務のままで独立行政法人化される。現在のままとする方法と独立行政法人とする方法があるが十分な検討はされたのか。
坂口大臣:独立行政法人として業務内容を精査していきたい。まずは独立行政法人とすることが大事である。
田中議員:日本労働研究機構と労働研修所の業務を継承する独立行政法人労働政策研究・研修機構についても、単に数合わせではないか。研修についてみれば、旧厚生省の研修機関はそのままで、旧労働省の研修機関が独立行政法人化される。同じ研修なのになぜ違うのか。
坂口大臣:労働政策研究・研修機構については、研究の結果を現場に、現場の状況を研修に、というもののテストケースであると思っている。
田中議員:旧厚生省、旧労働省のなわばりがそのままとなっているのではないか。労働基準監督署の研修については、非公務員が公務員を研修することとなる。将来は民営化の方向があるのか。
坂口大臣:労働基準監督署の研修については、厚生労働省としての研修もある。独立行政法人として研修を実施してみて、民間として公務員を研修することでも良いというのであれば民営化もあり得る。
田中議員:民営化して研修成果をあげることも含めて検討願いたい。独立行政法人雇用・能力開発機構については、4000名という大きな組織となる。小回りが利くのか。指揮命令系統がスムーズにいくよう、また、4000名の組織をどのように運営するのか、十分な対応が必要。役員、職員のスリム化は進めるべきである。
坂口大臣:できるだけ地方へ、できるだけ民間へということを進め、スリム化をはかっていきたい。
田中議員:最後にハローワークについて指摘したい。ハローワークこそ民営化に一歩前進する必要がある。民間の派遣業には150万人の登録者がいるが、法的なしばりがあり効率化が不十分である。ハローワークの民営化なり、派遣業を実効性のあるものにするための法改正の必要がある。
坂口大臣:ハローワークについても、極力地方にお願いする、民間にゆだねるものはゆだねるということで、来年法改正をさせていただき、進めていきたいと思っている。
田中議員:以上で終わります。ありがとうございました。

<自由党・黄川田徹議員の質問>
黄川田徹議員:自由党がさきの国会に提出した「特殊法人等及び独立行政法人の整理等に関する法律案」については、内閣委員会に付託されています。この特別委員会で審議することが当然だと思いますが、石原大臣の見解をお聞かせ願いたい。
石原伸晃行政改革・規制改革担当大臣:内閣委員会で提案理由説明がされている。この特別委員会に持ってくることはなかなか大変というのが印象。院に任せざるを得ない。
黄川田議員:特殊法人が民間を圧迫している。肥大化した行政機構を変革することが必要であると考えるが今回の改革でどこまで可能か。
石原大臣:総理が答弁しているとおり、官から民へ、国から地方へ、が基本。株式会社のように効率的で、透明性のあるものとしていく。ふみこんだ改革となっていると思うが至らない点があれば委員会で出していただきたい。手綱をゆるめず改革を進めていく。
黄川田議員:国民の視点で改革を進めていきたい。

(外務省関係、省略)

黄川田議員:厚生労働省関係の独立行政法人労働者健康福祉機構法案についてお聞きする。労災病院については、以前は役割が重要であった。しかし、都市部を中心に民間病院の充実しており、また、労働災害予防の充実による労災の減少もあり、現在、労災病院での労災患者の比率は5%となっている。独立行政法人として残す必要性は薄いのではないか。
鴨下一郎厚生労働副大臣:労災病院については現在、うつ病、メンタルヘルスの部分、過労死につながる脳、心臓疾患などの職場で職業に関連した疾病についての症例の集積、対処法、リハビリテーションを一貫して。重点的配分などについては今後検討していきたい。
黄川田議員:国立病院の独立行政法人化、自治体病院の今後のあり方など、公的病院全体を通しての見直しが必要ではないか。
坂口力厚生労働大臣:公的病院と民間病院は差がなく、民間の方が充実している面もある。しかし、採算の合わない地域では国・公立としてやらなければならないところもある。
黄川田議員:独立行政法人雇用・能力開発機構法案についてお尋ねしたい。現在の雇用・能力開発機構が全国で整備してきた、いこいの村の宿泊施設、勤労者体育施設、集会場など全国で2070施設を地方自治体に譲渡または廃止することとなっているが、譲渡後の施設の利用については弾力的に行っていただきたい。例えば宿泊施設を老人福祉施設に転用するなども可能としてほしい。
坂口大臣:譲渡後の利用方法については、自治体の要望を聞いていきたい。
黄川田議員:次に独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案についてお聞きしたい。医薬品はいち早く患者に使われることが大切である。新医薬品の承認審査はいち早く行うことが厚生労働省としての仕事である。必要であれば人員を確保すべき。
鴨下副大臣:国民が望んでいるのは早く審査することにある。今は、国立医薬品食品衛生研究所の医薬品医療機器審査センター、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、(財)医療機器センターの3つに分かれている医薬品、医療機器の承認審査に係る業務を一貫して効率的に実施できるようにするため、独立行政法人医薬品医療機器総合機構を設けるものである。審査業務や安全対策業務に従事している人員については、当面、安全対策業務の人員を含め、5割程度の増員をはかることとしている。また、必要性が高い医薬品については優先して承認審査を行うよう、見直しを行っていきたい。
黄川田議員:独立行政法人中小企業基盤整備機構法案についてお尋ねしたい。中小企業総合事業団、地域振興整備公団、認可法人産業基盤整備基金の3つの法人が統合されて中小企業基盤整備機構が設立される。独立行政法人とされて地方が元気になるのか不安も感じるが、どのように効果を上げていくのか。
中小企業庁斉藤浩事業環境部長:中小企業の活性化のため一体的、効率的に事業を実施していきたい。
黄川田議員:特殊法人を統合あるいは独立行政法人化してなんとか残そうという意図があるように思われる。問題の先送りと看板の書き換えにより第二の特殊法人をつくるにすぎないと思うが、石原大臣の見解をお聞きしたい。
石原大臣:特殊法人の弊害を除去した組織として独立行政法人を組織したとご理解いただきたい。
黄川田議員:時間がありますので終わりとしたい。


<日本共産党・小沢和秋議員の質問>
小沢和秋議員:独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案についてお尋ねしたい。独立行政法人通則法第2条では、独立行政法人というのは、国がみずから主体となって直接実施する必要のないもののうち、民間に任せても構わない業務のために設立されるという規程がある。医薬品、医療機器の審査や安全対策は通則法第2条の定義にあてはまらないのではないか。
坂口力厚生労働大臣:医薬品、医療機器の審査や安全対策の行政の中心は厚生労働省である。すべての業務を厚生労働省が行う必要はないと思う。たとえば病院でも、検査は検査機関に依頼、判断は病院の医師が行なっている例もある。厚生労働省として責任は果たしていく。
小沢議員:独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、総合機構という。)の職員は非公務員となる。その人件費は製薬会社からの手数料収入となる。製薬会社からの独立性は保てるのか。
坂口大臣:手数料をもらうからといって審査がかわるということはあってはならない。しかし、そのようなことは心配していない。審査の専門家が十分にその能力を発揮してくれると思っている。必要なところには人員も増やすなど、審査は迅速に行っていきたい。
小沢議員:総合機構の出発点は医薬品副作用被害救済基金であり、その後医薬品技術の試験研究、医薬品の品質、有効性の調査業務が加わり、今回さらに医薬品や医療器具の承認審査業務が統合される。性格の異なる業務を一つとすることでの混乱は生じないのか。
厚生労働省小島比登志医薬局長:相互に連携を持って業務が遂行できると考えている。
小沢議員:総合機構の名の下に、医薬品の研究開発部門と審査部門と安全対策部門が統合される。エイズ感染など薬害被害の教訓を生かすためには、少なくとも研究開発部門は他と切り離すべき。
小島医薬局長:総合機構の中立性、公平性、透明性は確保していきたい。
小沢議員:総合機構では、研究開発などの部門が圧倒的な力を持ち、審査、安全対策がおざなりとなるのではないか。そうならないという組織的な保障はあるのか。
坂口大臣:別々の部署がそれぞれを担当する。心配する必要はないと考える。
小沢議員:総合機構では、審査体制強化のために100名増やすこととされている。製薬会社から安易に採用されるというようなことはないのか。
小島医薬局長:個人の能力に着目して採用していく。いわれるような疑念が生じないようにしていきたい。
小沢議員:製薬会社からスカウトしなくても必要な人員は確保できるのか。
小島医薬局長:数的には分からない。広く有能な人材を採用していきたい。
小沢議員:総合機構の役員に製薬会社の出身者を入れることについては原則禁止すべき。また、製薬会社の元役員についても一定期間は禁止すべき。
小島医薬局長:現役の製薬会社役員は総合機構の役員とならないという旨を法律で定めている。製薬会社の元役員まで排除することは法的に難しい。
小沢議員:法的に難しいとしても、実際上は総合機構側が任命しないとすることはできるのでは。
小島医薬局長:任命権者の判断による。
小沢議員:総合機構の役員が製薬会社に転職することを規制する必要があると考えるが。
小島医薬局長:総合機構において倫理規定を整備する。一定の制約をしていきたい。
小沢議員:次に社会保障診療報酬支払基金についてお尋ねしたい。なぜ民間法人とするのか。
坂口大臣:民間で良いのではという意見もある。自立的かつ効率的に運営を行わせるという立場から民間法人とした。民間法人としても十分にその機能は果たせると考える。
小沢議員:今回の法案は、単に民間法人化ではない。社会保障診療報酬支払基金がレセプト審査、支払いを独占している現行制度を改められ、今後は、レセプト審査、支払いを業務とする民間企業が次々と作られることとなる。全国で同じ基準に基づく公正な審査の大原則が崩されるのではないか。
厚生労働省眞野章保険局長:民間法人化しても変わりないものと考えている。
小沢議員:今年1月に発表された総務省の「特殊法人に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」の支払基金に関する勧告では、診療報酬の削減額を活動の成果をはかる尺度とする考えが出されている。診療報酬額の削減を評価の基準として持つ込むことは考え方を抜本的に変更ではないか。
厚生労働省木村義雄副大臣:適切な保険診療を確保するために適正、公平な審査を行っている。考え方に変わりはない。
小沢大臣:レセプト審査、支払いに競争原理を活用するという計画と、診療報酬請求の削減額を活動の成果を図る尺度とする考え方の2つをまとめると、レセプト審査などを行う民間企業をいくつもつくり、支払基金に請求額の削減競争をやらせるという構図が見えてくる。将来の医療費の大きな削減が本来の狙いではないのか。
木村副大臣:削減競争でなく、適正で公正な審査、支払いを続けていく。
小沢大臣:保険者の方から見れば、請求を削ってくれる審査機関が良い機関だということとなる。そうなると、積極的に何とか削ろうとして競争が起こってくる。結果として医療費の削減という効果が生まれるというのが狙いではないのか。
木村副大臣:今回の改正は、政府の関与を最小限にし、自律的かつ効率的な運営を確保するものである。
小沢議員:疑念は払拭されない。大臣はどう保障されますか。
坂口大臣:総務省の指摘は、医療費の安いところを多く見るより、大口のところをきっちりと見た方が良いのではという指摘と思っているし、わたしもそう思う。
小沢議員:わたしが描いたような状況が作り出されれば、全国で一元的な審査、支払体制が崩壊する。保険者、審査機関、医療機関の間で削減などをめぐって紛争が日常化することもさけられないのではないか。今回の法改正は、医療制度を土台から揺るがすものとなりかねない。そうならない保障はあるのか。
木村副大臣:そうならないよう努力する。
小沢議員:少なくとも基金による一元的な支払いは継続すべきではないか。
眞野保険局長:審査と支払いを分けるのでなく一体というふうに考えている。
小沢議員:最後に独立行政法人労働者健康福祉機構法案についてお尋ねしたい。2000年12月20日に当時の労働省から発表された労災病院の再編整備計画では、基本的に労災病院の維持存続が盛り込まれている。ところが、今回の法案では労災病院の移譲、廃止を推進することとなっている。なぜ方針が変わるのか。
鴨下副大臣:2002年12月20日に出された労災病院の再編整備計画の方向性と昨年12月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画の方向性については、基本的にはそれほど乖離はないと考えている。
小沢議員:全体を存続、維持していくという話しから、労働者健康福祉機構の業務として移譲、廃止を含む、乖離があるのではないか。
鴨下副大臣:基本的には乖離がないということである。
小沢議員:態度が変わったから心配している。労災病院のある地域の多くの議会では存続と機能維持の意見書が採択されている。地域では存続の要望が強い。
坂口大臣:労災病院としての役割を終えたところについては、自治体へ移譲、民営化をしていきたいと考えている。
小沢議員:労災病院のある自治体では、存続のため必死に働きかけをしている。多数の地方議会が意見書を採択し、首長、医師会などが要望書を提出している。少なくとも地元が合意しないかぎり廃止など絶対しないということをここで約束していただきたい。
坂口大臣:その地域での労災病院の役割を中心に考えていきたい。地元の主張だけにまかすということでは、行政改革は進まない。
小沢議員:時間がきたので終わりとします。

<社会民主党・中川智子議員の質問>
中川智子議員:独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案について伺いたい。今回の独立行政法人の中では、研究開発、それに対する承認審査、被害救済もやって、安全対策もやる、これでは、再びヤコブ病のような薬害を生むこととなるのではないか。
坂口力厚生労働大臣:独立行政法人となり、審査体制が強化される。
中川議員:審査と開発を同じ法人が行うことに問題がある。切り離すべき。
坂口大臣:法人の中で、審査と開発の部門はしっかりと分かれている。総合機構の管理を行う厚生労働省の中でもこのことを明確にして監督していく。
中川議員:総合機構の役員の中に薬害の被害者や被害者組織が推薦する人を積極的に入れるべき。また、総合機構の職員に製薬会社の社員を採用することは全く制限されていないと読みとれるがそう理解して良いのか。
厚生労働省小島比登志医薬局長:総合機構の理事は最適な人を選任、職員の採用は個人の能力に着目して採用すべきと考えている。
中川議員:薬害の被害者や当事者などを入れて個人に着目するのかということである。また、製薬会社をやめて1年、2年で総合機構に入れるということには枠をはめていただきたいということである。
小島医薬局長:製薬会社の元役員に対して、製薬会社等に対する影響という点だけで法的に規制することは難しい。
中川議員:製薬会社と総合機構のゆ着をなくすためには規制をつくる気があるのか。
小島医薬局長:総合機構の就業規則、倫理規則の中で検討していきたい。
中川議員:いまの回答では極めて不満。企業に有利やような人材が採用されるのではないか。
坂口大臣:客観的に物事を判断できる人を選ぶこととなると思う。倫理規定のようなものや役員を決める基準というものは明確にしていきたい。
中川議員:非公務員型の独立行政法人となるが、薬害が起こった場合、国は責任をとらないということにならないのか。
坂口大臣:国の責任は何ら変わらない
中川議員:総合機構からの情報がなかったとして、国が逃げ道をつくると思うが。
坂口大臣:現在でも職員から情報が届いたかどうかということは問われている。その部分は独立行政法人となっても変わらない。
中川議員:ということであれば、情報開示とその監視が重要となる。そのためには、国の審査を監視する第3者機関の設置が必要と思うが、検討はしていただけるのか。
小島医薬局長:総合機構の情報は広く開示していきたい。
中川議員:第3者機関の設置は検討していただけるのか。
小島医薬局長:厚生労働省と総合機構とで監視していきたい。
中川議員:今回の医薬品医療機器総合機構では、被害救済という言葉が抜けたがどうしてか。被害団体からは被害救済を名称に入れてほしいという声がある。現在の予算配分は、研究開発に中心がおかかれている。総合機構として被害救済に力を入れていくという一言を大臣からちょうだいしたい。
坂口大臣:きちっと見直しをしていきたい。
中川議員:ありがとうございました。

<社会民主党・阿部知子議員の質問>
阿部知子議員:独立行政法人労働者健康福祉機構法案に関わって、特に労災病院見直しの基本姿勢について、鴨下副大臣にお伺いしたい。
鴨下一郎厚生労働副大臣:労災病院が地域の救急医療を含めて、公的医療機関という認識は持っている。他方で、閣議決定にあるような、労災病院を再編していくことも考えなければならない。地域の関係者のご意見は十分に配慮して参りたい。
阿部議員:現実に労災病院にかかっている患者もいる。そのことを含めて検討をしていただきたい。また、すべての労災病院が黒字である。労災病院の特殊性を事務サイドからお話しいただきたい。
厚生労働省松崎朗労働基準局長:労災保険特別会計から、労災病院の増改築、医療機器の整備などの経費を措置している。
阿部議員:労災保険特別会計からの補てんは大きい。民間に移譲された場合、例えば小児科は維持できるのか。市町村はどこも財政が厳しく移譲先となるところはないと思う。
鴨下副大臣:再編は中核病院を中心に行っていく。可能な限り、小児科や産婦人科などを含む総合的な医療機関として移譲するように配慮していきたい。
阿部議員:医療機関は公共機関である。地域住民の声はどのように反映されるのか。
鴨下副大臣:さまざま意見を聞いていきたい。
阿部議員:平成16年4月までの中期目標をつくるということであるが、再編基準はどのようにしていくのか。
鴨下副大臣:今後、労災病院がどのような役割を果たしていくかという観点で検討していきたい。高度な専門的な医療という考えが中心となる。
阿部議員:地域住民の声を聞いて、再編の見直しをお願いしたい。

トップページへ  前のページへ