1.11月に任期を迎える第27期中央労働委員会労働者委員について、本日、政府はまたも不公正な任命を行い、全労連、純中立懇、マスコミ文化情報労組会議で作る労働委員会民主化対策会議が推薦する藤田忠弘・国公労連顧問(国営企業等担当委員候補)と今井一雄・出版労連顧問(民間企業担当委員候補)を選任せず、連合系委員の独占とする発令が行われた。国公労連は、この不公正任命に対し、強く抗議する。
2.前回、26期委員の不公正任命に対し、全労連と国公労連は、ILO結社の自由委員会に提訴した。その結果、今年6月、同委員会は、中労委委員不公正任命は「ILO87号条約に定めた結社の自由原則違反である」とし、是正を求めた。にもかかわらず日本政府は、これを無視して不公正任命を強行したのである。国際労働基準に従おうとしない日本政府という構図が、今回、再び繰り返されている。こうした国際労働基準無視は、国際社会の強い批判を免れえないのである。
3.中央労働委員会は、民間企業および国営企業等労働者・労働組合の不当労働行為の救済機関であり、同時に国営企業・特定独立行政法人職員のストライキ権剥奪の代償機関と位置付けられているものである。ところがいま、不公正な労働者委員の任命により、中労委・地労委は機能不全を起こしている。国営企業の賃金紛争をとってみても、今年の仲裁裁定が、非現業の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告を唯一の理由として、事実上の賃下げ遡及実施を求めたこともその一例であり、はたして代償措置の名に値するか、厳しく問われなければならない状況に陥っている。それだけに、労働者委員の公正任命を求める声が強まっているのである。
4.こうした状況を打開し、労働者の生活と権利を守る上で、国際労働基準に沿う公正な委員選任の実現は不可欠である。公正任命を求める団体署名は、国公労連で約3000、全体で約6000が集約され、学者・弁護士のアピールには、幅広い賛同が寄せられているなど、世論構築は新しい到達点を築いている。この到達点に立って公正任命の世論をさらに広げ、国公労連は、全労連、労働委員会民主化対策会議に結集し、労働者委員の公正任命実現へ向けて一層奮闘していくことをここに表明する。
以 上
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