許すな!退職手当切り下げ、定員削減
画期的ILO勧告を武器に100万署名ラストスパート
11・21第3次中央行動に1600人
本日、国公労連は、秋期年末闘争11・21第3次中央行動を実施しました。例年になく寒い日が続いていた東京でしたが、きょうはあたたかい日差しが差し込む絶好の中央行動日和となり、各単組の上京団や東北ブロック国公の貸切バスでの独自上京団の仲間など、1600人が多彩なとりくみをくりひろげました。
昼休みの総務省前から中央行動はスタート。主催者あいさつに立った国公労連・堀口委員長は、「退職手当は生活設計の糧であり、引き下げは断じて許さない。そして、退職手当カット、定員削減攻撃などの根底には、小泉構造改革による総人件費抑制の方針がある。年金改悪など、国民に痛みを押しつける構造改革反対のたたかいと一体で、退職手当引き下げ反対、増員要求実現のたたかいをいっそう強めていこう」と呼びかけました。
連帯あいさつにかけつけた全労連・坂内事務局長からは、「いま労働者・国民は、不況・倒産・失業・過労死にさらされている。これをどうやって、やわらげるかに政府の責任がある。しかし、小泉政権はこともあろうに、さらに300万人にものぼる失業者をつくろうとしている。また、民間労働者の年収を7万円切り下げ、今度は公務労働者の年収を15万円も切り下げた。いまこそ、官民労働者が反転攻勢に立ち上がるときだ。この秋のキャラバン行動でも、国民総決起の共同が急速に広がってきている。そして、本日、公務員制度改革にかかわっての画期的なILO勧告が理事会で採択される。一方的な賃下げ、不利益遡及など、あってはならないことだ。全労連は、ILO勧告にそった民主的な公務員制度を求めて奮闘したい」と、日本政府に「公務員制度改革大綱」の再考をせまる歴史的なILO勧告にあたっての力強い激励を受けました。
つづいて、国公労連・小田川書記長は、闘争報告で要旨次のように述べました。
3つの主要課題について報告したい。
(1)給与法の国会審議の中で、公務員賃金カットの社会的影響もふまえてのデフレ不況深刻化の問題と、不利益遡及の不当性がくりかえし追及された。労働基本権が制約されたままで、人事院勧告によって一方的に労働条件切り下げができるのかという根本的な追及がされた。最終的には、賃下げ調整については労使協議を行うべきとする修正案が提出されている。十分とは言えないが、私たちのたたかいが反映していることは明らかだ。不利益遡及問題は、これを先例とさせないためにも、司法の場での追及の準備を開始する。
(2)この間、退職手当引き下げ方針の撤回をせまると同時に、高級官僚の高額退職金の是正を優先し、一律引き下げ反対などの点も追及し、交渉を積み上げてきた。民間実態調査を唯一の根拠に引き下げることを前提とし、来年の通常国会に法案を提出する姿勢を崩していない。
(3)10年間25%の定員削減の閣議決定を前提に、一般的な定削に加えた合理化減の攻撃が強まっている。職場の実態を無視した査定を許さないたたかいが求められている。また、国立病院の独立行政法人化や国立大学法人化などの攻撃が、事務・事業の切りすてを含む新たな合理化の要因となっている。こうした問題や、長時間過密労働、ただ働きサービス残業の実態も訴えながらたたかいを強めたい。
以上の3点で共通するのは、総人件費抑制が小泉構造改革の突破口に位置づけられていること。そして、公務員の基本的人権=労働基本権がないがしろにされていることだ。「日本の公務員制度はILO条約に違反」とする画期的なILO勧告も武器に、「公務員制度改革大綱」の撤回を求めるとりくみとも一体で、政府の使用者責任を追及するたたかいを強めよう。
決意表明では、独自の貸切バスで上京した東北ブロックを代表して宮城県国公・岩崎事務局長が、「きょうの中央行動に向けて、宮城では1人1枚の要請書行動にとりくみ、748名の仲間が怒りを要請書に託している。“医療や年金、社会保障が毎年のように改悪され、その上、退職手当も減らされたら将来への希望がない”など1枚1枚の要請書には仲間の切実な要求がつづられている」と、とりわけ退職手当カットに対する怒りの大きさを語り、全労働兵庫支部の宮本さんは、「雇用・失業情勢が悪化の一途をたどる中で、職業安定所の職員も減らされ、窓口での対応も職員に余裕がないため、国民のための行政サービスが困難となっている」と職場実態をふまえて増員を訴え、全法務本部・肥田組織部長は、「賃下げが強行され、さらに退職手当がカットされたら、あわせて200万円以上の大幅な引き下げとなり、生活設計が台無しになる」と何としても退職手当改悪を阻止する決意を述べ、全経済・熊谷副委員長は、「退職手当は重要な労働条件だ。高齢の仲間だけでなく、30、40代の仲間からも、教育ローンや住宅ローンなどで、たいへんな無理をして生活しているのに、退職手当削減は許せない」と職場の若い仲間からも怒りの声があがっていることを紹介しました。
昼の要求行動の最後に、1600人の怒りのシュプレヒコールを総務省にぶつけた後、13時から「総務省前座り込み行動」「労働条件関連予算を増やせ!財務省要求行動」「民主的な公務員制度を確立しよう!行革推進事務局要求行動」に分かれ、それぞれのとりくみを進めました。
★職場カンパで怒りの上京〜総務省前座り込み行動を実施
総務省前座り込み行動には、120人が参加。13時から、座り込み行動に並行する要請団を編成し送り出しました。要請団には、北海道国公、東北ブロック、宮城県国公、福島県国公、長野県国公、京都国公、宮崎県国公、全運輸、全建労の代表10名が参加しました。
要請団をシュプレヒコールで送り出した後、座り込み行動に13時30分から突入。たまたま裁判所への要請行動で上京している、全労連・全国一般大阪証券労働組合・仲立分会の井上さん(大阪争議団共闘議長)から、「私たちは、99年に企業閉鎖と全員解雇を受けてからたたかっている。マイナス人勧や退職金の切り下げは大きな問題だ、なぜなら民間では公務員がやっているからと悪のりしてすぐに持ち込んでくるから。国公労働者のみなさんが、霞が関を舞台にたたかっていることにとても勇気づけられている。私たちの相手は金融庁と大阪証券取引所だが、みなさんのたたかいと大きく連帯して奮闘したい」と、参加者への激励を受けました。座り込み行動は15時まで実施し、終了後要求アピールデモに合流しました。以下、座り込み行動参加者の決意表明の一部を紹介します。
○職場のカンパで今日ここに来た。退職金の切り下げはだまし討ちのようなもの、今みんなで大きな声を出すときだ。(青森県国公・立柳さん〈全国税〉)
○6時に仙台からバスで来たが、バスは自交総連のみなさんに格安で協力していただいた。職場から一言署名をいっぱい集めてきて、いま要請団が届けている。(宮城県国公常幹・井上さん〈全通信〉)
○大学の独法化が2年後に迫ってきた。非公務員型ということで、労基法・労組法の世界に放り出されることになる。ほとんどの人が反対しているのに、事は着々とすすんでいる。国公のみなさんの力も借りて何とか阻止したい。(福島大学教職組・小島委員長)
○昨日は退手で、今日は増員や予算で、全国からの上京団が奮闘した。東北では毎年20名の削減で6級や7級の枠外。中高年の間ではもう職場は魅力がない、早くやめたいという声が渦巻いている。(全法務東北地本・及川副委員長)
★“コントILO”が歴史的パフォーマンスを披露
14時からは、財務省前・推進事務局前要求行動に参加した仲間が合流し、日比谷野外音楽堂で、中央総決起集会を開催しました。
堀口委員長は、主催者あいさつで、「ILOが歴史的な勧告を行った。そのポイントは、(1)現行の公務員制度がILO87、98号条約に違反していること、(2)政府は労働基本権制約を維持する考えを再考すべきこと、(3)公務員の利益擁護の制度的措置を確立すること、など私たちの主張にそったものとなっている。しかし、政府はILO勧告は承服しがたいとして国公法改正作業を進めるとしている。私たちの主体的な運動によって政府を追い込んでいくことが大切であり、私たちはその新たな出発点に立っていることを確認しあいたい。100万署名に全力をつくし、これまでのねばり強い運動と世論の広がりに確信を持って奮闘していこう」と述べました。
激励にかけつけた日本共産党・矢島恒夫衆院議員のあいさつの後、各単組・地方組織、そして、ILO要請団トリオ=コントILOによるパフォーマンスを含む決意表明が行われました。
10月26日から11月3日までロンドンとジュネーブを股にかけてきた国公労連ILO要請団の5人のうちの3人、団長の国公労連・山瀬副委員長と、団員の全運輸・宮垣書記長、全司法・東副委員長の3人が、宮垣書記長原作、山瀬副委員長演出で、ILOへの要請から、画期的な勧告が出されるまでの状況をユニークに紹介するコントを熱演。最後に、日本国内での奮闘を誓い、“YMCA”の西城秀樹も感激する身振り手振りで「あ〜い・え〜る・お〜!」とキメました。
集会のまとめとして、小田川書記長が、「画期的歴史的なILO勧告は、私たちのたたかいを大きく励ますもの。大綱にもとづく公務員制度改革反対へ、100万署名のとりくみをすべての運動に優先して全国でラストスパートをかけよう」と結び、最後に遠山副委員長が団結がんばろうで集会をしめ、要求アピールデモ行進を行い、きょうの中央行動を終えました。
以 上
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