国公FAX速報 2002年12月6日《No.1353》


政府のイージス艦派遣決定に抗議する
国公労連 小泉首相へ抗議文を発出

 政府はインド洋にイージス艦を派遣することを12月4日に決定し、15日にも派遣を強行する構えです。このイージス艦派遣は、アメリカの対イラクを視野に入れた武力攻撃に積極的に支援していくもので、絶対に許されないことです。国公労連は、本日(6日)、別掲のように内閣総理大臣宛の抗議文を発出しました。国際世論は、アメリカのイラク攻撃に反対し、平和解決を求めています。この声を全国各地で大きくあげていきましょう。

〈別掲〉
2002年12月6日
内閣総理大臣 小泉純一郎 殿

日本国家公務員労働組合連合会
                            中央執行委員長 堀口士郎

イージス艦のインド洋派遣決定に断固抗議する

 政府が12月4日にインド洋で海上自衛隊が行っている対米支援活動に加え、高性能レーダーを備えるイージス艦の派遣を決定したことに、私たちは強い怒りをもって抗議し、インド洋からのすべての自衛隊艦艇の即時撤退を要求するものです。
 すでに、アメリカの報復戦争に支援・参加している海上自衛隊艦艇14隻がインド洋で給油作戦、輸送などを展開していることに平和への不安な思いでいっぱいです。
 政府はこの11月にも私たちの反対を押し切って、自衛隊の派遣期限を来年5月までの再延長を強行したことにも強い憤りをもっています。
 その上、今度のイージス艦派遣は、米国が対イラク武力攻撃準備を本格化し、それに伴ってインド洋での米軍の活動が手薄となるのを、日本が補完部隊として役割を担おうとするものです。これがいっそうすすめば、アメリカのイラク攻撃計画に日本が事実上加担していくものであり、憲法にてらしても到底許されないことです。
 いうまでもなく、海上自衛隊のイージス艦は、敵が多方面から同時に発射するミサイルを三百キロ以上の範囲で、最大二百個までキャッチする高度のレーダーと、12個以上の目標に対応できる射程百キロを超す迎撃用ミサイルを搭載しているものです。
 こうした日本の自衛隊ミサイル護衛艦が米軍艦艇とリンクし、米国の武力行使と一体化していくことは、緊迫の度を深めているイラク問題の情勢からも許すことができないものです。
 政府自身が、アメリカの再三の要請にもかかわらずイージス艦派遣をこれまで見送ってきた根拠「集団的自衛権の行使につながるもの」としたことを自ら踏みにじるものでもあります。
 いま、国際世論の動向は、国連安保理決議にもとづくイラクの大量破壊兵器の査察が行われ、国際社会は国連の枠組みで問題の平和解決を心からねがい、戦争を回避するため懸命の努力が注がれていることに大きな注目があつまっています。そのような状況にあるときに、日本がイージス艦を派遣することは、アメリカのイラク攻撃への協力・支援であり、平和を求める国際社会の流れに逆行するものです。
 平和憲法遵守を誓っている私たち公務員労働者は、あらためて、このような危険きわまりない戦争の道に進もうとするイージス艦の派遣をやめ、インド洋からの自衛隊艦艇を直ちに撤退することを求め、抗議とします。
以上

与党、有事法制「修正案」で“火ダネ”ねらう
国会終盤!「廃案」の声盛り上げよう


 12月5日、有事法制特別委員会の理事会が開かれ、与党は武力攻撃事態法案の「修正案」(内容はすでに発表されているものと同じ)を正式に提示し、「9日までに意見を出してほしい」と要請しました。野党は「9日までには無理だろう」(民主)、「廃案を主張している」(共産、社民)などとしてこれに応ぜず、結局、次回の日程も決まらないまま理事会は終了しました。

 与党、今国会への「修正案」提出決める

 与党3党は4日、幹事長・国対委員長会談を開き、武力攻撃事態法案にかんして、(1)「武力攻撃事態」を「武力攻撃事態」と「武力攻撃予測事態」にわける、(2)不審船やテロへの対処も含めるとの「修正案」をあらためて確認、野党に提示したうえで、今臨時国会に提出することを決めました。
 5日の有事特別委理事会の論議で、野党は今国会での協議に応じない姿勢を明らかにしましたが、与党は「修正案」を含めて法案を継続審議とし、通常国会での成立をめざす構えです。
 
 15万余の反対署名を国会に提出

 12月4日、「連絡センター」、国民大運動実行委、中央社保協による臨時国会8回目の国会要請行動がおこなわれ、大分県からの代表などを含め70人が参加しました。
 集会では、中央社保協の山田稔事務局長の主催者あいさつ、日本共産党の中林よし子衆院議員の国会情勢報告をおこないました。つづいて、年金者組合、生活と健康を守る会、民青、民医連の代表らが、くらしを守り、イラク攻撃反対・有事法制廃案への決意を表明しました。
 この日、15万4577筆の有事法制に反対する署名が国会に提出されました。(「有事法制は許さない!運動推進連絡センター・ニュース」2002年12月6日《No.88》から転載)

以  上

トップページへ  前のページへ