「構造改革」に固執する小泉内閣は、中小企業の倒産、大量の失業者を生み出す危険性を持つ新「経済再生策」を打ち出し、不良債権処理をさらに加速している。また、国民的反対でその成立を阻まれている有事法制の強行、労働法制の大改悪、3兆円を超える新たな負担増など、国民への攻撃を強めている。さらに、製造業を中心に企業の海外移転が進み、地域経済の空洞化、地域間の経済格差もこれまで以上のペースで拡大している。2003年春闘は、こうした大企業の横暴を糾弾し、国民に犠牲と痛みを強いる小泉「構造改革」と対決し、「雇用・くらし・いのち・平和」を守るための「国民総決起」が求められている。
「マイナス人勧」の悪影響は、深刻な形で現れている。地方自治体では人事委員会が「国準拠」の勧告を行い、特殊法人などでも「人勧準拠」の賃下げが相次いでいる。また、これと連動する、年金改悪も来年度予算編成の焦点となっている。国公労連は、「マイナス人勧」を口実とした賃下げの悪循環に歯止めをかけるため、民間との共同拡大に全国でさらに奮闘する。
ILO理事会は、11月21日、日本の公務員制度がILO条約に「違反」しているとして公務員制度と労働基本権問題にかかわる結社の自由委員会の歴史的、画期的な報告・勧告を採択した。しかし、政府は「承服できない」との態度に固執して、次期通常国会への国公法等「改正」案の提出業務を急速に強めている。ILO勧告の内容を実現していくため、労働基本権回復をはじめとした民主的な公務員制度確立のための運動が正念場を迎えている。
こうした情勢のもとで開催された第115回拡大中央委員会は、労働法制の改悪、「経済特区」などの規制改革の問題点や国民生活への影響などを明らかにし、小泉「構造改革」に反対する運動の一翼をになうとともに、ILO勧告にもとづく民主的公務員制度の確立など国公労働者の切実な要求の実現をめざし、全労連・春闘共闘規模の「国民総行動」をはじめとする職場・地域のたたかいに総力をあげることを確認した。また、公務員制度「改革」や定員削減、総人件費抑制など国公労働者にかけられている攻撃をはねかえし、職場・地域で労働組合が頼りにされるよう、全ての仲間の要求を基礎に「チャレンジ30」の運動を前進させる決意を固めあった。
国際競争での生き残りのため、政府・財界が総力をあげ、労働者・国民の生活を破壊する攻撃を強めているとき、組織された労働者・労働組合が、「激痛」に耐えている未組織労働者・自営業者・中小企業経営者などと共同し、国民的な立場で奮闘することが求められている。これ以上の労働者・国民いじめは許さない、その怒りを胸に、確認した春闘諸行動の成功にむけ、すべての国公労働者が決起しよう。転換期の2003年春闘を、地域の仲間とともに意気高くたたかいぬこう。
2002年12月14日
日本国家公務員労働組合連合会
第115回拡大中央委員会
|