国公FAX速報 2004年5月21日《No.1517》

「賃下げの悪循環」をくい止めよう!
 官民1000名が、厚生労働省と人事院前で共同行動

 本日、公務労組連絡会は、賃金改善、最低賃金の引き上げ、寒冷地手当の改悪阻止へ向けて第1次中央行動を実施しました。この行動は全労連の「最賃デー」ともリンクして取り組まれ、終日多彩な行動が展開されました。
 12時からは厚生労働省と人事院前をリンクし、一体で要求行動が行われました。霞ヶ関一帯は、台風一過、青空の下に全国から集まったオレンジ、黄、緑などの旗がまぶしくひるがえり、「最低賃金を改善せよ」「寒冷地手当の改悪許すな」の声が力強く響きました。
 主催者あいさつに立った全労連・熊谷議長は、厚生労働省が最低賃金の目安金額策定に向け、本格作業に入った情勢をふまえ、「今の最賃は605から708円、月額でわずか10万円弱から11万円強、こんな最賃でどうして暮らせるのか」と問いかけ、「民事再生法による自己破産者の生計費に基づけば、19万円から23万円は必要だ。怒りをたたかう力にし、最賃の大幅引き上げで、パートや非正規労働者を含めた労働者全体の底上げを求めよう」と訴えました。
 全労連・大木副議長は、午前中の厚生労働省交渉にふれて、「厚労省は、最低賃金ぎりぎりの労働者が増えていることを直視していない」と切り出し、財界が提起する最賃のさらなる切り下げは、「公務・民間の賃金を切り下げていく露骨なねらいと連動している」と指摘しました。また、ある中小企業社長が「親会社が、最賃で雇えと言ってくる」という生々しい実態を紹介し、「大企業は史上空前のもうけを計上しながら、さらに賃下げを押しつけている。しかし、生活保護費以下になっている現在の最賃は大きな矛盾に陥っている。中小企業労働者やパート労働者の賃上げ要求は切実さを増し、最賃の改善を求める世論が日増しに大きくなっている」と報告しました。
 続いて3名が、「手取りで20万円を切る青年労働者の生活悪化と激しい怒りを背景に、たたかいのエネルギーが広がっている」(JMIU・三木書記長)、「最賃改善で、民間・公務の賃下げの悪魔のサイクルを断ち切る」(全教・新堰副委員長)、「宮城の最賃生活体験では、車は持たない、外食はしない、友達と付き合わないなど生活8カ条が生まれた。厚労省はもっと最賃の生活実態を知ってほしい」(全労連パート・臨時労組連・布間さん)、それぞれ決意を表明しました。
 全労連「最賃デー」の行動は、台風接近により早朝の駅頭宣伝は中止されたものの、厚生労働省、東京労働局、人事院と中央最低賃金審議会の使用者委員、衆参厚生労働委員などに対する要請行動も行われました。

 寒冷地手当改悪は、国・地方問わず給与引き下げの突破口

 続いて13時からは、公務労組連絡会の進行による、寒冷地手当改悪阻止・要求行動が人事院前を中心に行われました。公務労組連絡会・石元議長は、「政府・財界が労働者を低賃金に据え置く政策とあいまって、人事院は、寒冷地手当の制度・性格そのものを見直そうとしている。手当改悪は、国・地方問わず公務員給与の引き下げの突破口だ。運動は、怒りから出発する。地域と連帯して、われわれの要求を届けよう」と主催者を代表してあいさつを行いました。
 情勢報告に立った若井事務局長は、11時から行われた地方代表が入った交渉で、人事院がこれまでの回答の繰り返しに終始し、「民間準拠」を唯一の基準とし寒冷地で奮闘する公務労働者の暮らしぶりに目を向けない態度を厳しく批判しました。しかし、寒冷地手当改悪阻止の大きなうねりは、札幌・新潟・舞鶴・仙台・金沢・長野などで「燎原(りょうげん)の火のごとく」決起集会を成功させてきたことを紹介し、「現時点に至っても結論を出せないところまで人事院を追い込んでいる、さらに、議会請願の採択を広げ地域の声を大きくし改悪を阻止しよう」と、重点課題を強調しました。
 決意表明に立った北海道国公・西村事務局長は、「冬は零下20度の日が続き、灯油代やガス代が夏の二倍」と、寒さの厳しい暮らしの実態を訴え、「手当の改悪は、論外。全力でたたかう」。長野県公務労組を代表して長野県国公・宮澤事務局長は、地方議会への陳情行動や5.18集会(450人参加で成功)の様子を紹介し、「地域の声からたたかいを発信させていく」と述べました。自治労連・川俣副委員長は、「手当の改悪は、公務職員・民間・地域それぞれの水準引き下げにつながる。多くの仲間の思いを受け止めて、二重三重四重の削減の突破口にさせないたたかいをしたい」と述べ、北海道公務共闘・小泉副議長(自治労連)は、「私のいる札幌では、10日前まで朝晩ストーブが必要だった。手当改悪は死活問題であり、絶対に許せない」と怒りをぶつけました。最後に、東北を代表して青森県国公・小倉副議長は、青森県下の全自治体に請願要請し、知事を先頭に手当改悪反対の世論が広がっている様子を紹介し、手当がいかに地方に影響を与えるかを訴えました。そして「私の仕事は、国土交通省の航空職場です。航空は、全国勤務であり、これは全国の問題です。みんなの声を集めて頑張りたい」と決意を表明しました。
 岩手県出身の国公労連青年協・田山議長による「寒冷地手当の改悪反対」のシュプレヒコールを人事院にぶつけました。これには、バスを借り切って上京した20名の宮城公務関連の仲間と共に参加した、怒りの雪だるまも参加しました。
 最後に堀口副議長は、小泉首相が「選挙区にブロックがあるように公務員給与もブロック別でいいんじゃいないの?」と発言したことについて、「彼には、寒さに負けずに懸命に働く公務労働者の思いがわかっていない」と厳しく批判し、「人事院は、露骨な政治介入に屈することなく、公務員の利益擁護のために手当改善をすべきだ」と述べ、団結ガンバローで人事院前の行動を終えました。12時台の行動と合わせて、官民あわせて1000名が参加しました。

 行政サービスの商品化と人減らしに反対し、全国会議員に要請

 続いて国公労連は独自で単組ごとの班に分かれ、「基本的人権を保障する行政・公共サービスを提供するのに必要な要員確保」と「行政・公共サービスを企業のもうけの対象に開放しないこと」を求め、衆・参の全国会議員に対し要請行動を行いました。また、公務労組連絡会は、午前中に経済財政諮問会議、規制改革・民間開放推進会議に対する要請行動を行いました。

以上


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