公務員賃金引き下げへの反撃を強めよう(声明)
 −−05年春闘期における政府・人事院の回答をうけて−−

 本日、政府・人事院は、05年国公労連統一要求に対する春闘期回答をおこなった。その内容は、「人事院勧告制度を維持尊重」(政府・総務省)、「官民較差に基づき、適正な公務員給与の水準確保」(人事院)などとし、従来回答の枠内にとどまっている。
 「1万2000円、3.1%」のベア要求をはじめとする組合員と家族の切実な要求に照らせば、いずれも極めて不満で受け入れがたい回答である。

 人事院が「給与構造の見直し」素案を提案し、政府・財界が経済財政諮問会議なども通じて、これらの「見直し」強行に圧力をかけ続けるもとで、給与制度の「見直し」課題は、実質的に春闘期の最大課題であった。
 国公労連の追及に対して、政府(総務省)は、「配分問題も含めて勧告尊重」として使用者責任を明確にしなかった。
 人事院は、「制度改変にともなう賃下げは断じて認められない」、「地域間の賃金格差をこれ以上拡大する理由も根拠もない」とする国公労連の追及に対し、「意見を聞きつつ検討をすすめ、その納得を得るよう努める」と回答した。「給与構造・地域給与の見直し」姿勢は変えてはいないが、国公労連の要求もふまえた交渉・協議に応ずることを言明したものと受けとめる。したがって、確認している要求にもとづく職場・地域からの人事院追及を、勧告に向けてさらに強める。

 小泉首相自らが「人事院のあり方検討」に言及するなど、政府は、財政事情を最重視した総人件費抑制の姿勢を強めつつある。地方自治体ではこの春闘期にも、使用者や議会が一方的に賃下げ決定をおこなう事例が相次いでいる。このような労働基本権侵害も含め、政府の賃下げ圧力は、近年になく高まっている。したがって、「一人の賃下げも許さない」との要求をあらためて確認し、政府・人事院の理不尽な賃下げ攻撃と対峙できる職場の態勢づくりもこの時期の重要課題として、運動をすすめる。
 「5年間10%の定員削減」が閣議決定されるもと、働くルールの確立は、極めて重要な課題であった。国公労連は、長時間過密労働の規制やサービス残業の撤廃、男女ともに働き続けられる環境の整備、高齢者雇用制度の実効性確保などの課題を重視した。また、非常勤職員の均等待遇実現を強く迫った。
 これらの要求課題に対する政府・人事院の回答は、現行制度を是として、各省に運用上の努力をもとめるものがほとんどであった。そのような中で、人事院に、育児・介護を行う職員の短時間勤務制度等の導入検討に前向きな姿勢を示させたことは、たたかいの反映である。この回答の具体化も含め、概算要求・勧告期にむけ、一歩でも半歩でも要求前進を獲得する立場からの運動と追及をねばり強く進める。

 この春闘期、国公労連は、職場と地域からのたたかいを背景に、政府・人事院追及を強めてきた。全県国公での春闘討論集会開催も含め、職場と地域での学習を強め、団結と要求への確信を深めた。そして、「2.23地域総行動」、「3.17全国統一行動」など、地域からの官民一体のとり組みに結集し、春闘のたたかう伝統を引き継ぐとり組みの一翼を担った。
 また、東北ブロック公務共闘、新潟県公務共闘などでの集会成功にも代表されるような、公務労働者の要求を掲げた地域共同前進の一翼も担った。さらには、地方議会要請行動や定時・定点の宣伝行動などに多くの県国公が奮闘し、強まる公務員バッシングへの反撃の足がかりを築いてきた。
 これらのとり組みの現時点の反映が、政府・人事院の回答であり、その到達点を過不足なく受けとめ、転換期のとり組みを強める。とりわけ、憲法改悪反対や公共サービス商品化反対のたたかいと、「賃下げ攻撃」への反撃などの諸要求の実現をめざすたたかいを意識的に結合し、地域に打って出るとり組みを中心においた全国闘争の前進にむけた組合員の奮闘を強く呼びかける。
2005年3月22日
                          日本国家公務員労働組合連合会
                          第6回中央闘争委員会

以上


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