イラクからの自衛隊の即時撤退、有事法制発動・憲法9条改悪に反対する決議

 戦後60年となる今年、「改憲」「創憲」「加憲」と、言い方に違いはあるが、憲法を改悪しようとする動きが強まっている。その中心は、9条2項を改悪して戦力を保持し、集団的自衛権の行使を意図したものであることは明らかである。
 衆議院・参議院の両憲法調査会も4月にそれぞれ最終報告を提出したが、その内容は、「日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行う」とした設置目的を大きく逸脱した、改憲に向けた論点整理ともいうべきものとなっている。
 この「最終報告」を受け、国会法改正と国民投票法案の自公民の協議が開始されており、通常国会後半には、国会法「改正」法案の提出も狙われている。

 日本政府は、有事法制をテコにした米国追従の自衛隊のイラク派兵を未だに続け、占領そのものに荷担している。イラク国内の治安は悪化する一方で、毎日のように一般市民が犠牲になっていることが報道されている。また、この間7名の日本人が拘束、殺害され、良心によって活動を続けている日本人ボランティアやジャーナリストの活動も制限せざるを得ないなど、イラク全土が戦闘地域となっていることは明白である。

 2000万人のアジアの人びと、310万人の日本国民に犠牲を強いた60年前の侵略戦争を美化する暴言が、自民党や内閣を構成する議員から相次いでいる。国内外の人たちの苦悩を省みないこれらの態度は、憲法9条2項を変える動きの強まりを背景にしていることもまた明白である。
 改憲策動が強まり、違憲・違法なイラク派遣が長期化し、侵略戦争美化の風潮が強まる動きの中で、私たちの人権や自由を制限しようとする動きが顕在化していることも見逃せない。

 このような中、04年6月に結成された「九条の会」への賛同が草の根運動として広がっており、全国に1,900(5月22日現在)の賛同組織が結成され、各地で開催される講演会には動員型ではない自発的な参加者が押し寄せる状況となっている。「9条改憲反対」「平和を守れ」の声と運動は確実に広がり、改憲勢力と対峙する状況となっている。

 国公労連は広がる世論と手をたずさえ、「イラクからの自衛隊の即時撤退、有事法制発動・憲法9条改悪の阻止」を改めて確認し、改憲反対の世論を職場と地域に広げるとりくみを一層強めていく。

以上、決議する。

2005年6月3日
日本国家公務員労働組合連合会
第123回拡大中央委員会

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