総人件費削減に反対し、行政体制の整備拡充を求める決議

 政府の経済財政諮問会議は、6月下旬に予定されている「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005(骨太方針2005)」の決定に向けて、骨太方針2004の「総人件費の抑制」からさらに踏み込んで「総人件費削減」を掲げ、公務員定員の大幅な削減、公務員給与体系・水準改悪の動きを強めている。

 2月28日の会議において、日本経団連・奥田会長をはじめとする有識者4議員が「公務員の総人件費の削減に向けて」と題する意見書で、国家公務員の純減目標の設定、給与の見直しを求め、5月24日には、再び「政府部門の総人件費削減に向けて」と題する意見書で、(1)退職者の後補充を極力抑制することため、国・地方とも、定員の純減目標を今年中に策定すること、(2)給与水準・体系の見直し、(3)公的部門全体の人的コスト抑制を求めた。その結果、6月1日の会議で竹中大臣から提示された骨太方針骨子案では、「人と組織を変える」として、行政改革と並んで公務員の総人件費削減が明記されるに至った。

 現在においても、公的サービスの提供は、ぎりぎりの体制で担われている。加えて、深刻化する経済格差への対応を担う体制の強化、国民の安心と安全を確保する体制の強化が求められている。さらに、環境や人権、少子・高齢社会対策など21世紀の重大課題では政府の役割発揮が必要となっている。今日の情勢は、行政体制の整備拡充を求めているのである。

 また、給与水準・体系の見直しについて、労働組合を無視するばかりか、政府自ら労働基本権制約の代償機関と位置づける人事院に圧力をかけることは、労使関係の最低限のルールすら守らない乱暴きわまりないものであり、とうてい容認できない。

 以上の見地から、我々国公労連は、広範な国民との共同を広げ、総人件費削減に反対し、行政体制の整備拡充を求める取り組み、生活と公務労働の実態をふまえた賃金の実現を目ざす取り組みを強力に進めていくものである。

以上決議する。

2005年6月3日
 日本国家公務員労働組合連合
会第123回拡大中央委員会

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