国公FAX速報 2005年6月15日《No.1634》

「国公権利裁判」控訴審が結審(6/14)
注目の判決は9月29日、全力で運動の追い上げを!

 「不利益遡及は許さない!国公権利裁判」控訴審の第2回口頭弁論が、6月14日(火)11時00分から、東京高等裁判所第101号大法廷で開かれました。梅雨入りとは思えぬ、すがすがしい晴れ間が広がる中、朝10時10分から取り組まれた裁判所周辺宣伝行動には、原告27名を含む各単組・ブロック国公の代表や、激励に駆けつけていただいた全労連、公務労組連絡会の各単産など全体で約150名が参加しました。控訴審の結審に当たっての原告側の主張を記載したビラを通行人に配布し、「国公権利裁判」への支持、賛同を訴えました。

▼裁判所周辺宣伝行動/山崎中執のシュプレヒコールが響く!
 冒頭、主催者あいさつに立った盛永副委員長は、控訴審が結審するに当たり、これまでの経過や1審判決の不当性にふれた上で、「東京高裁は、このような不法・不当な1審判決を支持するのではなく、まともで、道理ある判決を下すように望む」とし、「裁判勝利のために、最後までしっかりと奮闘していこうではありませんか」と訴えました。
 激励挨拶では公務労組連絡会・駒場副議長(自治労連委員長)から「昨日、経済財政諮問委員会から『骨太方針2005』原案が示された。4人の民間委員が「公務員総人件費削減を基本姿勢で示せ」と迫り、経済財政諮問会議が「総人件費削減」を原案に盛り込んだ。人事院勧告に介入し、否定する行為をおこなっている。また、地方議会が労使関係を否定し給与削減を行っている。働くルールについて極めて猶予する事態である。国公権利裁判はますます重要になっている。公務労組連絡会も労働基本権を含む権利問題でたたかう」と熱い連帯のメッセージを行動参加者に送りました。
 続く原告の全税関・河野さん、全国税・浜口さん、全医労・府中さん、全建労・古澤さん、全運輸・武田さんからは、「第1審の不当判決は断じて許せない」「民間で確立した不利益不遡及は公務員にも当てはめるべきだ」「控訴審の勝利に向けて頑張りたい」などと、この裁判の勝利に向けた熱き思いを力強く訴えました。
 最後に、国公労連・山崎中執の裁判所に向けたシュプレヒコールでしめくくり、引き続き裁判傍聴行動に入りました。

▼裁判傍聴行動/判決は9/29、勝利判決に向けて全力で!
 東京高裁第101号大法廷には、原告席19名(原告14名と岡村団長をはじめ弁護団5名)を含みほぼ満席のなかで控訴審の第2回口頭弁論が開かれました。今回の弁論は、国側が第1回弁論での結審を要求したのに対し、控訴人側が主張を補強するため第2回の弁論を要求し、裁判所がこれに応えて、開かれたものです。この日は、控訴人側が「控訴人準備書面(2)」を陳述し、国側は控訴人の書面の内容に対し、「争う」と答弁し、結審となりました。
 注目の判決言い渡し日は9月29日(木)13時30分からとなりました。

▼意思統一集会/裁判勝利に向けた追い上げを!

 冒頭、堀口委員長は、「一昨年3月に提訴した権利裁判は、高裁での審理が終了し一つの結節点を迎えることになった。我々の権利が侵害されている事に大きな怒りをもやすとともに、反撃する公務員労働者の国民的な世論づくりは急務である。国公労連は夏季闘争を全力で闘いながら、8月の定期大会に公務の公共性を守る立場からの世論づくりを提起する予定である。皆さんのいっそうの奮闘をお願いする」とあいさつしました。
 前回に続き、激励のために裁判傍聴行動から参加してくれた全労連・国分副議長からは、「今、全労連と国公労連が原告となって中労委の不公正任命の裁判を行っている。福岡の裁判では、裁量権逸脱の判決を勝ち取り、また、ILOからは「政労使の労働者委員は、いくつかある労働組合の潮流のうち一方の潮流のみを使うのは団結権の侵害である」というすばらしい勧告も出されている。皆さんの裁判は、裁判を通じて、公務員の権利を守ることである。お互いに団結して闘っていこう」と力強い挨拶がありました。
 次に、各弁護団からこの日行われた裁判手続きと、「控訴人準備書面(2)」の主張の内容について解説があり、岡村弁護団長からは「我々の控訴理由書に対し国は論争をせず逃げているが、裁判所は逃げるわけにはいかない。われわれが追いつめている」と原告側の主張の正しさを説明しました。
 続いて、小田川書記長が、「マッカーサーの亡霊(政令208号により国公労働者から労働基本権を奪い、かつ憲法公布から施工までの間に、吉田首相に対して9条2項を削除するよう求めた命令があったこと)が今も生きている」との逸話を紹介した後、3つの観点から行動提起を行い、「(1)公務員に対してきびしい攻撃がある。第1審の判決はそのような周辺の状況に裁判所が追随したものであり、周辺を変える運動が必要、したがって夏季闘争に全力をあげつつ権利裁判の意義を内外に広めよう。(2)署名の集約については、一つの到達点であると認識したい。この到達点を背景に、裁判所への要請行動などを強めよう。(3)国公関係の裁判がいくつか行われている。全医労の「不利益変更裁判」、全労連、国公労連が原告となっている「中労委不公正任命裁判」、裁判を支援している「国公法弾圧事件」など、相互に支援を強めて一体的に闘おう」と述べ、「9月29日の判決日は政府が勧告の取扱を閣議決定する時期とも重なる。一体的な運動を」と重ねて強調ました。
 最後に盛永副委員長から、「この裁判が負けるようなことになれば、国による不利益遡及が公然と行われることになる。何としても負けられない裁判だ。判決までの残された期間、全力で戦い抜こう」と締め、一連の取り組みを終えました。


以上


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