大会宣言

 小泉「構造改革」のさらなる継続を許すのか否か、「この国のかたち」をめぐって熾烈な総選挙がたたかわれているもと、国公労連は8月24日から3日間、代議員や特別代議員をはじめ296人が参加して第51回定期大会を開催した。

 国公労連はこの1年間、憲法改悪反対を最重点課題に掲げ、大企業優遇・行政サービス切り捨てなどくらし破壊の「構造改革」路線に歯止めをかけるため、中央・地方一体で奮闘してきた。そして、小泉内閣が「構造改革」の本丸と位置づけてきた「郵政民営化法案」を参議院で否決に追い込んだことは、私たちの奮闘も反映した国民共同のたたかいの勝利であった。
 こうして迎えた衆議院解散・総選挙では、郵政事業をはじめとする「公務の民間開放」を許すのか、社会保障抑制やサラリーマン大増税・消費税大増税を許すのか、公務員やパートなどすべての労働者の生活・権利・雇用を守るのか、憲法改悪に反対し平和と民主主義を守るのか、が重要な争点となる。とりわけ自民・公明両党はもとより、民主党も“公務員の総人件費削減”を公約に掲げ、その大合唱で国民の支持をかすめ取ろうとしている。
 小泉「構造改革」にストップをかけ、公務労働者・労働組合のたたかいの展望を切り開くのか否か、今回の選挙結果が重大な影響を与えることは必至である。大会は、労働者と国民の切実な要求を高く掲げ、全国でこの総選挙闘争に全力をあげることを確認した。

 第2次世界大戦の終結から60年の節目を迎えた今、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやう」決意して“主権在民”を宣言した憲法が、かつてない危機に瀕している。自民・公明両党と財界だけでなく、民主党も改憲の必要性を強調しているが、その共通点が「9条改正」にあり、その前提となる「国民投票法案」が今秋以降の国会で審議予定という緊迫した情勢を迎えている。
 こうした中で、著名人による「九条の会アピール」に賛同して、この1年余の間に全国で3千を超える「会」が結成され、今なお増え続けている。大会は、「9条」改憲反対に焦点をあて、全国の職場・地域で「国公9条の会」の結成や国民過半数署名の達成に全力をあげることを確認した。

 小泉内閣と財界は、自ら招いた財政危機を国民に転嫁する狙いから、公務の民間開放と公務員バッシングの攻撃を強めており、「郵政民営化」に続く「目玉」として「市場化テスト」の本格導入や公務員の総人件費削減を打ち出している。
 大会では、大幅な定員削減や「公共サービス商品化」に対する職場の不安や怒りとともに、国民の生存権や社会権に対する行政責任とその役割発揮が強調された。そして、「公務の公共性を再確認」するため、民主的行財政・司法の確立をめざすとりくみを強化するとともに、「格差拡大の構造改革を転換し、安全・安心な社会の実現を求める請願」署名(くらし安心署名)を軸に、今秋から組織の総力をあげて国民との壮大な対話運動にとりくむことも確認した。

 人事院は、8月15日に2年ぶりの「マイナス勧告」と50年ぶりと称して「給与構造見直し勧告」を行ったが、政府・財界はこれに加えて、民間賃金体系の変化も口実にいっそうの公務員賃金の抑制を狙っている。
 国公労連は、政府・財界の総人件費抑制策に迎合した勧告内容にあらためて抗議するとともに、三度目となる不法・不当な不利益遡及の「調整措置」に関し、政府として脱法行為は行わないことを強く求める。
 大会では、人事院の「給与構造見直し」について、「一人の賃下げも許さない」との要求を掲げた全国的なたたかいで、「当初案」を相当程度押し返したことへの確信とともに、人事院が一方的に強行したことへの怒りがあらためて強調された。そして、この間のたたかいの到達点をふまえ、給与法「改正」の見送りを含め、賃金介入や総人件費削減の「基本指針」策定と純減目標の具体化を許さないたたかい、さらには労働基本権をはじめとする働くルールと民主的な公務員制度確立のたたかいに全力をあげることを確認した。

 国公労連は、10月1日に連合体結成30周年の節目を迎える。この間、政府・財界による組織破壊を含めた熾烈な攻撃に抗して、組合員と家族の権利、そして国民の権利を守るたたかいに全力をあげてきた。激動する情勢のもとで、この労働組合運動の大道を歩むたたかいの歴史と教訓に学び、組織と運動をいっそう発展させることが求められている。
 大会では、「たたかってこそ労働組合」、「組織の強化拡大こそが要求前進のカギ」、「行政民主化闘争とともに組織の強化拡大を」などが強調された。そして、「チャレンジ30」の全面実践を合言葉に、30周年記念の諸事業とも一体で、各級機関の組織・機能の整備拡充、本省庁組織の強化拡大、国の関連機関に働くすべての労働者を視野に入れた非典型労働者の組織化などのとりくみに全力をあげることを確認した。

 国公労連は、国の行政機関とその関係法人及び裁判所に働く職員で組織され、全国の職場・地域に根付く産業別労働組合として、国民のための行財政・司法の確立と教育・医療・福祉の拡充をめざすともに、憲法と平和・民主主義擁護のたたかいに全力をあげることをあらためて表明する。
 小泉「構造改革」による庶民大増税や医療費などの受益者負担増を阻止するため、また国民のいのちとくらしを守り、安全・安心な社会の実現にむけた国と行政の責任を明らかにするために奮闘する。そして、国民主権をはじめとする憲法原則の全面実施をめざし、「守ろう9条!いかそう憲法 国民の中へ、国民とともに」のスローガンを高く掲げてたたかいぬくものである。

 以上、宣言する。

 2005年8月26日
 日本国家公務員労働組合連合会第51回定期大会


以上

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