小泉首相の靖国神社参拝に抗議する(談話) |
昨17日午前、小泉首相は04年1月1日以来5回目となる靖国神社への参拝を行った。 「英霊の武勲を讃える」ために靖国神社が行う最大の年中行事である、秋の「例大祭」に合わせたもので、国内外の中止を求める世論を無視して参拝を強行したことに強く抗議する。 今回、首相は、一般参拝者と同様な形で参拝し、記帳もしなかったと伝えられているが、内閣総理大臣である小泉氏が、自民党総裁選での「公約」にもとづいて毎年行っていることであり、私的な装いをこらしたとしても事の本質と性格は何ら変わるものではない。 首相の靖国参拝をめぐっては、1991年に確定している岩手靖国訴訟仙台高裁判決に続き、去る9月30日には大阪高裁でも憲法に規定する政教分離に違反するとの判決が出されており、こうした司法判断をもないがしろにするものである。 また、中国や韓国をはじめとする諸国からの抗議・申し入れや、市民の大規模かつ激しい反日デモが発生するなかで参拝を強行したことは、侵略戦争に対する反省をいくら口にしてもアジアと世界の信頼を得られないことは明らかである。 いま、総選挙で得た圧倒的多数の議席を背景に、政府与党はもとより民主党も一体となって「戦争の放棄、戦力の不保持と交戦権の否認」を明記した憲法第9条を変えようとする動きが強まっている。 国公労連は、戦後60年の今年を「新たな戦前」としないために、平和と友好を願う全世界の市民と連帯し、日本国憲法の恒久平和、国民主権、基本的人権の三原則をはじめとするすべての条項が完全に実施される社会をめざし、いっそう運動を強化するものである。 |
2005年10月18日 日本国家公務員労働組合連合会 書記長 小田川義和 |