“働くルール”破壊に反対し、
均等法の実効ある改正を求める決議


 男女雇用機会均等法(以下「均等法」)制定から20年。男女雇用機会均等政策研究会が提言した、男女双方への差別禁止、妊娠出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止、間接差別の禁止、ポジティブアクションの推進方策の前向きな検討要請を受けて、厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会が均等法改正の審議を進めている。
 しかし、同分科会が11月18日に示した均等法「改正」案の「とりまとめに向けた検討のためのたたき台」は、妊娠出産に関する不利益取り扱いについては一定の前進がみられるものの、間接差別の禁止については事例を限定列挙し、ポジティブアクションやセクシャルハラスメントの対策も実効性が期待できないものとなっている。使用者側が一貫して間接差別の禁止を盛り込むことに反対していることも重大である。
 一方、労働政策審議会労働条件分科会では、労働契約法制の在り方をめぐる議論が急ピッチで行われている。その「たたき台」ともいえる「今後の労働法制の在り方に関する研究会」の最終報告は、「自立した働き方」や「労使自治」を前提に、「解雇の金銭解決」や使用者による労働条不利益変更を可能とする「雇用継続型変更制度」、使用者側のリストラに「合理性」を付与する「労使委員会制度」などを提言している。同時に、事務的労働者等を労働時間管理や時間外手当の対象から除外する「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入も求めている。これらの内容は、労働契約法制に名を借りたリストラ促進法であり、雇用破壊法と言わざるを得ない。
 いま財界・大企業は、小泉「構造改革」や「小さな政府」論を全面的に支持し、経済活性化を口実に産業別最低賃金制の廃止を含む労働法制のさらなる改悪を求めている。全労連は、「労働契約法制闘争本部」を9月22日に立ち上げ、学習活動の強化とあわせて国民世論作りを提起している。
 人間らしく働き、人間らしく生きることはすべての労働者の願いである。男女労働者が性別によって差別されることなく、職業生活と家庭生活の調和が確保されなければならない。そのためにも、「間接差別の禁止」など実効ある均等法を実現しなければならない。来年の通常国会では、均等法「改正」案の審議が予定され、7月には労働政策審議会労働条件分科会が労働契約法制の在り方についての「中間とりまとめ」を行うとしており、06年春闘のたたかいは“働くルール”の確立をめぐっても重要である。
 国公労連は、全労連や労働法制改悪反対中央連絡会に結集し、“働くルール”破壊を許さず、パート労働者等の均等待遇の実現、派遣労働や有期雇用の制限・規制強化、実効ある均等法の実現をめざして奮闘するものである。
 以上、決議する。

2005年12月9日
日本国家公務員労働組合連合会
第124回拡大中央委員会

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