2006年夏季闘争アピール
 国公労連は、本日、第126回拡大中央委員会を開催し、2006年夏季闘争方針と統一要求を確立した。そして、政府が強引に推し進める「戦争する国」「小さな政府」づくりを断じて許さず、仲間たちの切実な諸要求の実現をめざし、2006年夏季闘争を組織の総力をあげてたたかいぬく決意を固め合った。

 「戦争する国」をめぐる攻防は、6月18日の国会会期末を前に緊迫した局面が続いている。国民投票手続きと改憲案発議の国会法改定を含む「改憲手続き法案」、行為ではなく思想を罰する憲法違反の「共謀罪」新設法案、内心の自由の侵害や教育への不当な国家介入を可能にする「教育基本法改悪案」−−これら3法案は、在日米軍再編に関する基本方針の閣議決定とともに、憲法9条をターゲットにした改憲策動と一体のものである。また、高齢者いじめだけでなく、「混合診療」で所得格差がいのちに反映する「医療改悪法案」も重要局面を迎えている。悪法強行のための国会会期延長を許さず、これらの悪法を断固廃案に追い込もう。

 「小さな政府」の具体化をめぐる動きも加速している。経済財政諮問会議は、6月下旬の「骨太方針2006」答申をめざして、2010年代初頭のプライマリー・バランスの均衡を最大目的とした歳出削減と、歳入改革を口実とする大衆増税を論議している。先行する歳出削減の論議では、地方財政の削減、公共事業費の縮減、社会保障関係費の切り込み、公務員人件費と総定数の削減が中心的な課題になっている。こうした「大企業優先」「格差拡大」「地方切り捨て」の施策を国民の反撃で押し返そう。

 政府は、5月26日に「行政改革推進法」「市場化テスト法」など行革関連5法案が成立したことも受けて、国家公務員の「5%純減」計画を確定し、配置転換や新採抑制など「純減方策」の具体化とこれに関わる「雇用調整本部」の設置などを進めている。職場実態や行政ニーズを無視した「5%純減」はもとより、当該労働者・労働組合の意見反映すら保障しないままでの、雇用の不安定化や労働条件の不利益変更に断固反対しよう。

 また政府は、総人件費削減のため、官民比較方法や賃金体系の「見直し」圧力を強めている。人事院も、比較企業規模を「50人以上」に引き下げて民間給与実態調査を実施しているが、こうしたやり方は労働基本権制約の「代償機関」として断じて容認できない。賃金水準引き下げとなる官民賃金比較方法の「見直し」改悪に断固反対しよう。さらに、「官民イコールフッティング」を口実に年金・退職手当制度の「見直し」改悪も動いており、こうした公務員の総人件費削減攻撃に職場・地域から粘り強く反撃しよう。

 国公労連は、引き続き全労連「もうひとつの日本闘争本部」への結集を強めつつ、憲法改悪と「戦争する国」「小さな政府」に反対し、「行政改革推進法」「市場化テスト法」の一方的な具体化を許さないため、全国の仲間たちに総決起を呼びかける。そして、労働基本権回復をはじめとする民主的公務員制度の確立と公務労働の役割発揮をめざし、国民的な共同の力で運動を大きく前進させよう。
 2006年6月3日
          日本国家公務員労働組合連合会
第126回拡大中央委員会

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