防衛庁の「省」昇格法案に反対し、廃案を求める(談話)

1.本日、政府は、防衛庁を「省」に昇格させるなどを内容とする法案を閣議決定し、国会に上程した。国公労連は、この「防衛省昇格」法案に強く反対し、廃案を求めるものである。
2.「省」昇格法案の狙いは、法案提出に関わる閣議開催の要求や予算要求を「防衛省」として直接行うことで内部の士気を高め、かつ、自衛隊の本来任務として海外活動を法定し、自衛隊を名実ともに軍隊とするためのステップを上ろうというものである。これは、9条を中心とする改憲と連動していることはあまりに明らかである。
3.「省」昇格は、改憲勢力の悲願であった。橋本内閣が設置した行政改革会議においても議論されたが、憲法との関連もあって、結局「現行の防衛庁を継続する」とされ、「省」昇格論議は、「政治の場で議論すべき課題である」と先送りにされた。その後、2002年12月に自民、公明、保守の与党3党が、「有事法制成立後に、最優先課題として取り組む」とし、2004年12月には、防衛計画大綱で、自衛隊の本来任務に海外での活動が加えられ、昨年12月には自民、公明両党幹事長が「省」昇格論議の再開で合意したように、着々と手が打たれ、本日の閣議決定に至った。
4.政府は、会期末ぎりぎりに法案を提出し、小泉後継内閣の手によって、秋の臨時国会での成立をめざす意向といわれる。国政の根本に関わる問題をわずかな会期の臨時国会で強行しようとする方針は到底容認できない。ましてや国会閉会中を利用した密室協議などはあってはならない。これまで、国公労連は、憲法改悪阻止をめざし、全労連憲法改悪阻止闘争本部への結集、「9条の会」など幅広い国民の運動との連携・連帯を強めてきた。今回の「防衛省昇格法案」の国会上程という事態を受け、これまで以上に国民的運動を発展させ、法案を廃案とさせ、憲法改悪への動きをストップさせるため、全力を尽くすものである。
                 2006年6月9日
                     日本国家公務員労働組合連合会
                     書記長 小田川義和

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