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談話
全医労不利益・雇止め是正裁判の東京地裁判決についての声明
     
 

 

 本日、東京地方裁判所民事第19部(中西茂裁判長)は、国立病院・療養所が2004年4月に独立行政法人国立病院機構に移行した際、職員の賃金・労働条件が一方的に不利益に変更されたこと、および雇止めされたことに対して是正を求めた全医労組合員28人(不利益変更・雇止めされた正職員・賃金職員・保育士の代表)の訴訟について、極めて不当な判決を行った。私たちの提訴に至った経過や主張をまったく顧みないこの判決に、断固抗議する。

 第一に、独立行政法人国立病院機構は、職員の職務と責任がまったく変わりなく承継されたが、就業規則をつくって、従来の労働条件を大幅に切り下げた。我々は、そこに「高度の必要性に基づく合理性」が認められないことを移行前と移行後の職場の実態をもって明らかにした。一方的な労働条件の不利益変更は認められない。

 第二に、国の賃金職員(フルタイムで正職員と同じ業務をしていた非常勤職員)約5300人は、業務に不可欠な職員として雇用更新を毎年繰り返していたにもかかわらず、雇止めが強行された。雇用継続を求めても、従来よりも更に大幅に切り下げられた賃金・労働条件である週30時間勤務のパートまたは業務委託先の職員しか選択肢はなかった。形式的には、いったん雇止めしたが、引き続き国立病院機構の不可欠な要員として使用することに変わりない。そのことを実態でもって明らかにした。労働条件は大幅に切り下げて使う。そのための圧力手段として雇止め通告を使った。本人が同意したといっても、それは不法に強いられた同意であるから無効である。

 第三に、賃金職員の生まれた経緯と長年に渡る勤務の実情からすれば、賃金職員が正職員となる期待を強く抱き続けたのは、全く当然であった。少なくとも、独立行政法人化の機会に従来の労働条件が維持されることを期待したのもまた当然であった。この期待を一挙に裏切られたことに対し、判決はひとかけらの配慮も示さない。

 今回の不当判決は、労働者の正当な権利・生活を奪うものであり断じて許されない。
 私たちは、安全・安心の医療提供をめざして日々奮闘している。医療現場で働く労働者が違法・不当な扱いを受けていたのでは安全・安心の医療提供はできない。今回の不当な判決を許さず、今後も不利益・雇止め是正を求めてさらにたたかいを強めるものである。

2006年12月27日
全日本国立医療労働組合
全医労不利益・雇止め是正裁判支援連絡会
(全労連・日本医労連・国公労連・全医労)

 
 
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