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談話
「国民投票法案」の強行採決に満身の怒りを込めて抗議する(談話)
     
 

 

2007年4月13日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

 自民・公明両党は、12日の衆議院憲法調査特別委員会に続き、本日午後の衆議院本会議で、「国民投票法案」を与党単独で強行採決した。国の最高法規である憲法改正の手続きを定める重要な法案を、十分な審議を尽くさないまま強行採決したことに満身の怒りをこめて抗議する。

 この間の世論調査でも、国民の多くが、「審議は尽くされていない」「今国会で成立させるべきでない」としている。中央・地方の公聴会でも、公述人の多くが、与党案や民主党案への賛否に関わらず、「拙速ではなく徹底審議を行うべき」と主張している。今回の採決は、国民の合意なしに数の力で審議を打ち切って採決を強行するという、国民主権も議会制民主主義も全く無視したものであり、断じて認めることはできない。
 改憲を主張する人々のねらいは、9条を変え、日本をアメリカとともに「海外で戦争する国」にすることにあることは明らかである。しかし、国民世論は、「憲法を改正するほうが良い」は46.2%と過半数をわり、「憲法9条は変えない方が良い」は56%となっている(読売新聞世論調査〈4月6日〉)。また、与党提出の法案に「賛成」は29%、このうち「今の国会で成立させるべき」と答えた人はわずか28%で、この国会での成立は望んでいない(NHK世論調査〈4月9日〉)。

 この間の審議で法案の重大な問題点も明らかになっている。一つ目は、最低投票率が定められておらず、白票は無効票とされる内容となっていることである。国民の意思を正確に反映できないばかりか、投票率が下がったり、白票が多かった場合、国民全体の1割、2割の賛成でも、憲法を変えることができる仕組みとなっている。二つ目は、有料広告を原則禁止していないことである。日本経団連のマスコミ買い占めによって、改憲に有利な情報のみが流され、世論を誘導することとなる。

 そして、三つ目に、私たち公務員労働者にとって重大な問題として、公務員の国民投票運動に関し、従来の「地位利用」に加え、国家公務員法や地方公務員法などによる「政治的行為の制限」を原則適用する内容を盛り込んでいることである。憲法の改正にかかわる運動には、主権者である国民が自由に参加できるようにすべきであり公務員とて例外ではなく、憲法と深いかかわりを持つ公務員等を政治的意図で国民投票運動から排除することなどあってはならない。

 このような主権者国民の自由な活動をできるだけ押さえこみ、改憲派に有利な主張を財力を頼りに一方的に流し、国民の少数の賛成でも憲法を変えることができる、このような改憲手続き法案を断じて容認することはできない。

 国公労連は、憲法尊重擁護義務を負う公務労働者として役割を発揮し、毎月の「9の日」宣伝行動や署名活動など、憲法を守り生かす運動を広げてきた。引き続き「憲法9条を守れ」の国民との共同をさらに広げ、改憲手続き法案を参議院段階で必ず廃案に追い込むまで全力をあげて奮闘するものである。

以上

 
 
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