国公労連の結成以来32回目の暑い夏がやってくる。
いま安倍自公政権は、公務員の不祥事や「天下り」への国民の批判を利用した公務員バッシングにマスコミを総動員させ、反動的な公務員制度改革と公共サービスの解体・民営化に血道をあげている。政府の経済財政諮問会議は、国の出先機関職員の10万人削減案をぶち上げ、「骨太の方針2007」は、さらなる総人件費削減方針を盛り込もうとしており、その規模と速度は年毎に増している。
これらに抗し、われわれは、本日の第129回拡大中央委員会で熱く討論を交わして07夏季闘争方針を決定し、これを携えて全国的なたたかいに入る。「国民全体の奉仕者」として、すべての働く者の暮らしと平和・民主主義を守りぬけるかどうか、国公労連の真価が問われる正念場である。
第一に、賃金改善、労働時間短縮、非常勤職員の待遇改善など、国公労働者の切実な要求闘争を、小泉「構造改革」路線がもたらした「貧困・格差拡大」を是正する運動と結合してたたかう。あまりに低いこの国の最低賃金制のもと、労働基準法以下で働かされている多くの不安定労働者の均等待遇を求めるたたかいと連帯する。
第二に、戦後日本の労働運動を牽引した官公労のたたかいを胸に、日本国憲法の改悪を許さない政治闘争に奮起する。なぜなら、安倍自公政権のいう「戦後レジームからの脱却」とは、われわれの先達が尊い生命と引き換えに築き上げた日本国憲法下での「平和的生存権」と諸制度を破壊するものに他ならないからである。
再び戦争と貧困の不安の影が押し寄せるいま、われわれは戦後の政治革新をもたらした労働運動の歴史的なたたかいの節目に確信をもち、来るべき7月22日投票の第21回参議院選挙では「憲法尊重擁護の義務」を負う国公労働者として、日本の未来を託す確かな選択のために全力をあげる。
われわれは勝てるであろうか――、いや、われわれは勝てるであろう。
いま国民の暮らしは、規制緩和・民間開放の嵐のなかでズタズタに破壊されつつある。職場の繁忙化のなかで、人間らしい絆はバラバラに分断されようとしている。しかし、われわれは忘れてはならないだろう。労働組合の労働組合たる真髄が、人間の本性に根ざす連帯性にあるということを。掛け値なしの「連帯」こそが、われわれの社会を前進させてきたということを。
安倍自公政権は、国家公務員の政治的行為への不当弾圧を強めている。しかし、国公労連はこれにひるむことなく、「国民のなかへ、国民とともに」を合言葉に、地域へと街角へと足を踏み出し、失われた絆を取り戻すたたかいを展開する。
われわれは、全国の組合員はもとより組合員でない人たちへ、そして多くの非常勤職員、派遣・請負労働者のみなさんに訴える――国公労連の旗のもとに結集し、日本国憲法の精神が全面的に開花する社会を築くためにたたかおう、と。
われわれは勝てるであろうか――、いや、われわれは勝たねばならない。
2007年6月1日
日本国家公務員労働組合連合会
第129回拡大中央委員会
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