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談話
社会保険庁の廃止・解体に伴う雇用の完全確保と公正・公平な採用を求める(談話)
−−「年金業務・組織再生会議」の中間整理にかかわって−−
     
 

 

1.政府の「年金業務・組織再生会議」(以下、「再生会議」)は10月4日、社会保険庁の廃止・解体に伴う「日本年金機構」の職員の採用にあたっての「基本的な考え方」を「中間整理」として渡辺担当大臣に提出した。
 また、来年10月に発足する「全国健康保険協会」の設立委員会の会議が10月16日に行われているが、そこでは「中間整理」の文書が配布されており、協会の採用人数枠や採用基準などについて議論したとの報道が行われている。
2.「再生会議」は、「公的年金制度は、国民生活にとって極めて重要なもの」であり、「日本年金機構の役割・使命は極めて重大」としつつ、国民から「信頼」される組織は、「機構で働く職員の意欲や使命感」にかかっている、「どのような職員を採用し、育成していくかは、今回の社会保険庁改革の成否を左右する極めて重要なポイント」と強調している。
 「中間整理」は、この点を前提にして、社会保険庁からの職員採用にあたっては、「法令違反を犯した者」や「業務改革に後ろ向きな者」など、「公的年金業務に対する国民の信頼を著しく損ねたような者が、漫然と採用されることがあってはならない」としている。そして、特に、過去に受けた懲戒処分や矯正措置などを採否決定の重要な考慮要素とすることを求めている。
3.保険料の着服や横領などは論外であり、厳しく処罰されるべきは当然のことである。しかし、過去の被処分者の圧倒的多数は年金個人情報の「業務目的外閲覧」や国民年金保険料の「不適正免除」などであり、マスコミも指摘しているように「同じ処分で採用、不採用を分ける公平で客観的な判断基準」はできるのか、極めて重大な問題である。
 また、他省庁からの出向や民間人など外部からの採用、業務のアウトソーシングを求めていることも問題である。国民の年金権を保障するためには、正確な理解と確実な制度運営が何より求められるものであり、専門性と継続性の確保こそが基本であることは言うまでもない。
4.国公労連は、年金記録問題などに対する国民の不満や怒りの矛先を、ことさらに職員に向けることによって、社会保険庁職員の選別採用を当然視する世論が作られていることに重大な懸念を表明するものである。同時に、全国健康保険協会や日本年金機構の設立にあたっては、公平・公正な選考・採用を行うとともに、現社会保険庁職員の雇用を完全に確保することを、社会保険庁や厚生労働省、政府等関係者に強く求めるものである。
5.国民の信頼を失った社会保険庁の組織と規律を厳しく見直し、年金に対する国民の信頼を回復することは喫緊の課題である。しかしそれは、29000人の非常勤を含む社会保険庁職員の努力なくしては成し得ないものである。
 国公労連は、来年5月を目途に最終報告をとりまとめるとしている「再生会議」と全国健康保険協会の採用基準を策定しようとしている設立委員会に対し、私たちの主張を踏まえて慎重な審議と公平・公正な採用基準を策定することを求めるものである。  同時に、国民が安心できる社会保障制度の確立とともに、国家的リストラとも言える社会保険庁職員の分権免職を許さず、雇用の完全確保にむけて全力あげるものである。

2007年10月23日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

以上

 
 
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