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国公労新聞 2007年1月25日号 第1251号
     
 
 

 

 ◆国民生活を守り、改憲阻止を
  通常国会開会 国民投票法案を通すな


 第166回通常国会が1月25日に開会されます(会期は6月23日までの150日間)。各党は、4月のいっせい地方選や7月の参院選を控えて、国会での争点づくりに懸命です。
 安倍首相は、1月17日の自民党大会で、継続審議となっている国民投票法案の早期成立や、「教育再生」に関する法案の成立など、憲法改悪に強い意欲を示しました。
 今号では、現段階での国会の争点と私たちの課題についてふれます。

 ◇憲法施行60年改憲反対の世論を
 安倍首相は年頭の記者会見で「憲法を私の内閣として改正をめざしたいということは、当然参院選挙でも訴えたい」と強調。そのために、国民投票法案を今国会で成立させようとしています。
 国民投票法案は、憲法を変えて「戦争できる国」にするための改憲手続き法案。自民党中川幹事長は1月12日、国民投票法案について「5月3日の憲法記念日までに通す」と、早期成立に強い意欲を表明しました。
 今年は憲法施行60年。「9条改憲」国民投票法案反対の運動を結んで、大きな世論を広げることが求められています。

 ◇国民の批判高まる
 安倍政権になって100日余り。昨年の郵政「造反」組の復党問題、教育基本法改悪をめぐるタウンミーティング「やらせ」問題、官邸主導の税制調査会の会長辞任問題などで、国民の批判が高まる一方です。
 加えて、年末に辞任した佐田前行革相にはじまる閣僚らの事務所経費不正問題など、徹底究明が必要です。
 大企業優遇・国民犠牲の07年度予算案も大きな焦点です。

 ◇「労働契約法制」創設反対運動を
 安倍首相は、1月16日、サービス残業を合法化する「ホワイトカラー・エグゼンプション」(労働時間規制の除外制度)導入法案の通常国会提出を断念しました。これは全労連が07年春闘の重要課題に位置づけてきた「緒戦の成果」であり、引き続きその完全撤回をめざすとともに、長時間労働の規制、偽装請負の告発、労働条件の不利益変更を容易にする「労働契約法制」の創設反対などの運動強化が求められています。

 ◇社会保険庁解体法案に反対
 一方、自民党の中川幹事長が「改革の試金石」と位置づける社会保険庁・公務員制度「改革」の動きも、政治主導で加速しています。
 与党年金制度改革協議会は12月14日、社会保険庁を廃止・解体し、非公務員型の公的新法人を設置する「改革推進」方針を決定。職員の一旦退職と選別再雇用による大リストラと労働組合つぶしを狙っており、法案阻止のたたかい強化が求められています。
 
 

 

 ◆非常勤職員を無惨に切り捨て
  全医労不利益・雇止め是正裁判 東京地裁が不当判決


 【全医労発】12月27日、東京地方裁判所は、全医労が国立病院の独立行政法人移行に伴う賃金・労働条件の不利益変更および賃金職員の雇止めなどの是正を求めた労働条件確認等請求事件について、いずれも棄却するという極めて不当な判決を言い渡しました。

 ◇5300人もの雇止めを当然視
 判決は「定員職員の雇用継続は法律や国会答弁で示されているが、賃金や労働条件の継承は約束されていない」とする被告・独立行政法人国立病院機構の主張をそのまま認め、全医労の35歳以上一般職員の賃金を、団体交渉もしないまま、一方的に10%も切り下げることには「高度の必要性と合理性が認められない」とする主張をしりぞけました。
 10年20年と定員職員と同様に働いてきた約5300人の賃金職員を一方的に雇い止めしたことについても、「賃金職員は任用期間が定められており、期間満了で身分を喪失するのは当たり前」と言い放し、公法上の「任用行為」には私法上の「解雇権乱用法理」は適用されないとしました。
 やむをえず年収が半分以下となる週30時間非常勤職員となって働いていることに対しても、「否定しなければならないほど低廉なものとは言えない」とまで言い、ワーキングプアとまでいわれる劣悪な労働条件の非常勤職員を無惨にも切り捨てました。

 ◇直ちに高裁に控訴
 全医労は、「この不当判決は断じて許せない」と、直ちに高裁に控訴をしました。
 
 

 

 ◆「あんたらの言うとおりや」 大阪天満宮参拝者が激励
  大晦日カウントダウン宣伝行動


 【近畿ブロック国公発】06年12月31日午後11時集合の国公近畿ブロック「大晦日カウントダウン宣伝行動」に13人が参加。兵庫県国公提供「護憲ライダー」、全国税近畿提供「なまはげ」に変身して、大阪天満宮(大阪市北区)に初詣にやってくる人々に、大阪労連のチラシを約300枚配布し、「増税反対、格差社会なくす請願署名」を訴えました。
 「9条を守り生活に活かそう」「安全・安心の社会を築こう」「愛する人・子どもたちのために平和の社会を」と口々にアピールする宣伝隊に、市民の反応も上々。「あんたらの言うとおりや。署名するわ」との夫婦、「今の社会は間違ってる。がんばってや」と青年も激励。
 行動終了後、新年会を兼ねた反省会で大いに盛り上がり、今年1年の奮闘を誓い合いました。
 
 

 

 ◆財界が5兆円もの企業減税要求
  穴埋めに「消費税引上げよ」はあつかましい


 ◇転換しよう大企業優遇税制
  これはあまりにも身勝手だ!!


 ◇日本の法人税率はけっして高くない
 日本経団連の御手洗冨士夫会長は06年11月の記者会見で法人実効税率(法人税・法人事業税・法人住民税の法人3税)の10%削減を主張しました。現在約40%の法人実効税率を30%にすれば、約5兆円もの減税になります。大企業上位20社合計で6652億円もの減税になるという試算も出されています。
 一方で、1月に発表された「御手洗ビジョン」(日本経団連「希望の国、日本」)では「2011年度までに消費税率2%(約5兆円)引き上げ」を主張。なんということはありません、企業減税分を消費税でまかなえということです。しかし、日本の法人実効税率は世界的にみてもけっして高くないのです。

 ◇これまでも消費税で企業減税分の穴埋め
 消費税は導入後18年間で174兆8000億円が納められてきましたが、企業法人税の減税分の穴埋めとされてきました。
 さらに、大企業は、小泉改革時代に導入されたさまざまな優遇税制によって、すでに法人実効税率は30%水準です。

 ◇大銀行法人税ゼロはおかしい
 また、大銀行6大グループは現在法人税0円です。不良債権処理に伴って過去に積み上げた赤字と相殺する税制上優遇処置によるものです。しかし、6大グループの07年3月通期の最終利益は総額2兆9600億円と見込まれて、まともに納税すれば、国税分(法人税率30%)で税額8800億円です。この分があれば高齢者への増税はまったく不要です。07年度政府予算案では、母子家庭の生活保護を削る一方、大企業・大資産家には大減税を行おうとしています。

 ◇定率減税廃止は大問題
 今年から所得税・住民税とも定率減税が廃止になります。半減・全廃と2年がかりで3兆3000億円もの大増税です。定率減税は1999年小渕内閣の景気対策として@所得税最高税率引き下げ(50%→37%)、A法人税率引き下げ(34.5%→30%)といっしょの減税措置として、導入されました。いっしょに実施された法人税率引き下げ、大金持ち優遇の所得税の最高税率はそのままです。何とも不公平です。
 定率減税廃止は、03年総選挙の時に与党・公明党が「100年安心の年金改革」の目玉として、基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1にする財源として選挙公約として打ち出しました。しかし、定率減税が全廃になっても基礎年金の国庫負担は3分の1のままです。このことを公明党は国民にどう説明するのでしょうか。

 ◇「減税」を買うため大企業献金拡大、外資もOK
 財界は自分らの望む政治を実行させるために政党に企業献金し、政治を金で買おうとしています。昨年の通常国会で、これまで禁止されていた外資系企業の献金を解禁する法律が自民、公明、民主の賛成で成立。「株式の50%以上を外国人や外資が保有する株式会社」禁止規定がなくなりました。
 日本経団連会長の御手洗富士夫氏が所属するキヤノンの外資比率は51.01%です。日産、オリックス、富士フィルム、武富士なども株式の50%以上が外資です。この法律に賛成した党はこうした企業からの献金を期待しているのです。
 
 

 

 ◆職場から地域に足を出そう
  地方議会から意見書採択を


 ◇公共サービスの「市場化テスト」
  安易な民間開放せず、拡充を
 公共サービス改革法や基本方針の決定により、4月からは市場化テスト法による民間開放が本格実施されます。そうした中、私たちは地域に足を踏み出し、公務の民間開放の問題点を広く訴え、世論構築をはかる必要があります。国公労連は07春闘期に2・3月地方議会への要請を行い、意見書採択をめざします。

 ◇【意義と目的】地域住民生活守る
 国や地方自治体に対し、民間委託化や人件費削減が強く求められています。これらの動きは、地域住民の生活保障を解体し、官民双方にかけられる賃金切り下げ攻撃は地域経済の疲弊をよりいっそう加速することは明らかです。
 格差と貧困の拡大、地方の切り捨てをくい止めるために、問題の本質を地方議会に訴え、理解と共感を広げることを追求します。

 ◇【目標】採択し世論構築を
 国公職場がある自治体議会での「公共サービスの安易な民間開放に反対し、国民生活の『安心・安全』の確立を求める意見書」を採択し、世論構築を図ります。

 ◇【対話と共同】地域行動へ参加を
 国民春闘共闘委員会は、公共サービスの「民営化」によるサービス低下などを訴え、公契約の制度的確立を求める「地域総行動」(2月21〜23日)を実施します。
 公務労組連絡会は、公務・公共サービス拡充、地方切り捨て・住民犠牲の「構造改革」阻止に向けた「対話と共同」を地域から広げる「全県キャラバン2007総行動」を展開します。
 国公労連は、これらの運動に地域で結集するとともに、意見書採択運動をすすめます。

 ◇意見書採択運動のポイント
 1.開会前、早めの準備を
 「3月議会」とはいっても、実際には2月に開会する議会もかなりあります。請願締め切りは、多くの議会で「開会前」なので、あっという間に時間に追われることになります。早めに準備を開始しましょう。

 2.単組の役割を明確に
 「公共サービス」商品化が、住民や地域経済にどのような影響を及ぼすか、具体的に説明することが大切です。国公職場の存在するすべての議会が対象ですから、とりくみの主役は分会です。分会のとりくみを支援するため、各単組本部から請願項目や請願趣旨の「ひな型」が示されます。分会は、支部や本部と連携し、とりくみを進めましょう。

 3.県国公が推進・調整を
 各県国公は、1月を目途に推進本部の設置など推進体制を確立し、国公職場があるすべての自治体議会について、担当地区国公、担当分会を明確にします。その際、可能な限り単組・地区国公を集めた会議を配置し、分担の調整と、とりくみの意思統一をはかります。各県国公はこれと並行し、県労連や地域労連に要請します。

 4.職場の分会役員を先頭に
 議会に何度も足を運んだり、手間のかかるとりくみになることが予想されます。一部の役員まかせにしては成功しません。職場の分会役員を先頭に、多くの組合員が参加して、話し合いながら進めることが決定的に重要です。

 5.議会事務局などと相談を
 スムーズにすすめるうえで、議会事務局はもとより、共産党など私たちの要求に好意的な会派を味方につけましょう。請願の方法や、他の会派の動向を教えてくれるなど、いろいろなアドバイスがあるはずです。
 
 

 

 ◆読者のひろば

 ◇9条の目的と効果職場の話題に!…(全運輸九州航空支部鹿児島分会の仲間から)
 「『9条』はどのような目的で作られ、どういった効果を我々にもたらしているのか」といったことが職場の話題になっております。もう一度その重要性を考え直し改憲には反対していかねばと。
 新年を迎え、気持ちを新たにしているところです。

 ◇子どもたちの担う明るく平和な未来を…(全医労山陽支部の仲間から)
 子どもたちの担う未来が、明るく平和であるよう「9条改憲」に強く反対します。

 ◇「小さな政府」でサービスが低下…(全法務東京地本品川分会の仲間から)
 政府は公務員の数を減らして「小さな政府」をつくろうとしているが、国民へのシワヨセを無視して、サービス低下をまねいているとしか思えない。

 ◇他の職場の奮闘を知り、励まされる…(全港建四日市港支部の仲間から)
 いつも他の職場の奮闘を読ませていただき、自分たちもがんばらなければと思っています。
 私たちの職場も強行な定員削減により担当者(係員)がほとんどいない頭でっかちな組織となっており、職員全員が日々の業務に忙殺され、ゆとりがありません。
 組織のあるべき姿を取り戻すべく、奮闘していきたいと思っています。

 ◇ワーキングプアで将来どうなる?…(全労働大分支部の仲間から)
 「ワーキングプア」と呼ばれる人達がTVでも取り上げられ、社会問題となっています。彼ら貧困層と富裕層との格差は私たちの想像以上に拡がっているようです。
 このままでは、将来の日本がどうなって行くのか不安でいっぱいです。職場の窓口においては、国民・住民のためのサービス提供となるよう心がけていこうと思います。

 ◇さまざまな仲間がいるみんな必要な存在!…(全運輸大阪空港事務所分会の仲間から)
 正論が通らず、思いやりが切り捨てられ、ただ、勝ち負けのみで判断される世の中になってしまいました。そんな世の中で私たちの子ども4人は自分の夢を実現させるために、頑張っています。その姿から私たち夫婦も元気づけられます。
 組合活動も同じだと思います。中心で活躍する人たち、少し離れて応援する人たち。それぞれの思いはありますが、みな必要な存在です。また、組合が元気であれば、なんとなく安心します。今年も頑張って下さい。
 
 
 
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