◆なくせ貧困、ストップ改憲!
つくろう 平和で公正な社会
【国公労連08春闘討論集会・職場討議資料】
原油の高騰がガソリンや灯油など燃料価格に影響し、物価高がくらしを直撃しています。商工業者や農林漁業者への影響も深刻であり、生活防衛のたたかいが重要になっています。参議院選挙での民意に押されて福田内閣は、障害者の負担増や母子家庭の児童扶養手当削減などの見直しを表明していますが、「構造改革」路線は変えていません。08春闘は、労働者・国民の要求を政治に反映させるたたかいでもあります。貧困と格差の是正を掲げ、総選挙での政治変革と一体で春闘をたたかうならば、「流れ」を変えられる情勢を迎えています。
◇国民の貧困化と生活悪化が深刻に
08春闘情勢の第一の特徴は、物価値上がりもあって労働者・国民の貧困化と生活悪化が深刻になっている点です。
非正規で働く労働者は毎年増大しており(図1)、青年や女性では2人に1人が非正規という不安定な雇用と劣悪な労働条件に置かれています。
一方で、正規労働者には能力・成果主義賃金とも相まって際限のない長時間・過密労働が広がっています。国民生活分野でも、生活保護世帯は100万世帯を超え、就学援助利用者も増加しています。また、「出産難民」が大きな社会問題となっていますが、地域医療の崩壊も深刻です。安心して働き、生活するためにも雇用と労働条件の底上げが求められます。
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図1 非正規雇用労働者数の推移
資料:総務省統計局「労働力調査特別調査」「労働力調査詳細結果」
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◇労働者犠牲にして大企業は大もうけ
第二の特徴は、労働者・国民を犠牲にして、大企業が空前の利益をあげていることです(図2)。
競争力強化を口実に、派遣や請負など非正規雇用を拡大し、下請け単価も切り下げてコスト削減を進めています。企業業績が回復しても、その成果は株主配当や役員配当に回し、労働分配率は低下しています。
日本経団連など財界は、「労働ビッグバン」と称して派遣労働の自由化や労働時間管理の撤廃、解雇自由化などを狙っていますがとんでもありません。大企業の社会的責任を問い、その内部留保を賃金や労働条件改善など、社会的に還元させるたたかいが求められます。
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図2.空前の利益を上げる大企業 配当も増加、従業員給与は低迷 |
◇消費税増税と公務リストラ一体で
第三の特徴は、政府・財界が、経済財政諮問会議などの機関を最大限に活用して、消費税増税による歳入改革と公務・公共サービスの大リストラによる歳出削減を進めていることです。
道州制の導入とともに、政府の役割を外交や防衛などに限定することや、地方出先機関の「10万人縮減試算」などを提起しており、国の行政の役割をあらためて明らかにすることが求められています。
財界は、法人実効税率のさらなる減税とともに、社会保障財源として消費税増税を求めています。日本経団連はこれらの実現を求めて政党「通信簿」による企業献金を会員である大企業に促しています。
◇広範な国民、団体と共同を広げよう
第四の特徴は、解散・総選挙と一体のものとして08春闘がたたかわれることです。
私たちは、世論と運動が現実の政治を動かす新たな情勢を経験しています。貧困と格差の是正を求める国民との共同を大きく広げるならば、くらしと地域を破壊する「構造改革」と公務・公共サービスの切り捨てを許さない世論を構築することが可能となります。
そのためにも08春闘では、原材料の高騰や米価下落などに苦しむ商工業者、農民、生存権裁判をたたかう市民や年金生活者など広範な国民、諸団体との共同を発展させましょう。そして、くらし・地方切り捨ての政治を変えるうねりを起こしましょう。
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