「公務員制度改革」関連法案は6月18日、参議院内閣委員会で参考人質疑が行われました。
参考人は、経団連役員の加藤丈夫氏、千葉大教授の新藤宗幸氏、兵庫県立大准教授の中野雅至氏、前国公連合議長の丸山建藏氏の4名。
質問を行ったのは、末松信介(自民)、朝日俊弘(民主)、風間昶(公明)、亀井郁夫(国民)の4議員。
13時から始まった委員会は、3時間の予定でしたが20分も早く閉会となるなど、緊張感が欠ける運営となりました。
センターは機能しない、人事院の機能強化を!(新藤参考人)
加藤氏は、法案の能力実績主義と再就職規制で公務員制度・天下り規制の問題に解決しないと考えを示しつつも、2課題だけ先行することは改革のマイナスではないとし、法案を評価。また、公務員としての豊富な経験を民間で活かすため事前規制から事後規制にしたことも評価。
新藤氏は、天下り規制に関わって、早期勧奨退職自体を疑問だとしたうえで、法案は官民癒着の問題の解決にはならず、国民の声はハローワークを利用すべきというものと指摘。また、センターを設立しても求人があるかも分からず、第三者機関としての人事院を機能強化し事前規制すべきと主張。さらに法案は政令で定める事項が多く、全体像がつかめない。能力実績主義に関わっては、公務における評価基準の設定が難しいと指摘。また、勤務条件変更であり労働基本権を付与し国際標準に合わせるべきと主張。
中野氏は、早期勧奨退職は将来的にはなくなるとしつつ、廃止すれば新規採用が抑制されるとして、天下りは各省の予算と権限で行うものと限定し、再就職支援とする退職管理の一元化を高く評価。また、政府与党合意には、ある程度全体像が示されているとし、プライオリティー高いものからと評価。さらに、官民人事交流を進め、政官財を渡り歩いて全体が見える人が必要と主張。
丸山氏は、法案は、まず基本法を提出し、全体が示されるべきと指摘。能力実績主義そのものには反対しないが、使用者権限が強められ人事の中立公平性が保たれるか問題があるとし、評価は勤務条件性を含んでおり、検討会に労働者代表をいれて検討すべきで、権限を総理に移すのであれば労働基本権が必要と主張。
以上
|