「公務員制度改革」関連法案は、6月14日、参議院内閣委員会審議が行われました。
民主党は、早期勧奨退職には反対しているものの、官民人材交流は自民・公明と同じく推進の立場であり、この日の審議も緊張感を欠き、さながら消化試合の様相を呈しました。
法案通らないと天下りが延々と続く=行革大臣詭弁繰り返す
参議院内閣委員会で質問に立ったのは、秋元司・小池正勝(以上、自民)、木俣佳丈・加藤敏幸(以上、民主)、風間昶(公明)、亀井郁夫(国民)の6議員。
自民党の秋元議員は、天下り規制に関して現行でも再就職禁止の2年後、すぐに関係機関に再就職していることをあげ、法案の行為規制は現実的として、賛成討論を展開。
小池議員は、公務員を志す若者が減り、数年で辞める者も増えている原因を年功序列に求め、能力実績主義の徹底を主張。また、再就職斡旋だけでなく、採用も一元管理するよう主張しました。
民主党の木俣議員は、法案が真に能力を活用する制度になっておらず、天下りをむしろ促進するものと批判。また、公務員の政治的中立性を保障するためには身分保障が重要と主張。官民人材交流センターの運営にNPOが含まれないことは不十分と指摘しました。
加藤議員は、民間のものさしを公務にあてはめるには無理があるとし、評価を行うための仕事が増え、コスト増になる可能性を指摘。一方、全体が決まるまで法案を待てとは言わないと発言。
公明党の風間議員は、官民人材交流センター設立後に官民癒着があった場合の責任の所在を確認するなど賛意を表明。
国民新党の亀井議員は、能力実績主義の徹底で勧奨退職がなくなると主張。
これらの質問に対し渡辺行革大臣らは、以下のとおり回答しました。
・法案は、より現実的な官民癒着規制を考えたもので、行為規制・外部検査機関・罰則規定で、厳しい法律。
・官→民、民→官、官→官の人事異動は大事。
・優秀な人材を民に流出するだけでなく、専門スタッフ職で保持する必要がある。
・再チャレンジ試験(中途採用試験)を規制改革会議で検討し、人事院で具体化。今秋実施する。(募集規模は152名、1割程度)
・官から民へ行くのをすべて天下りというのはおかしい。能力を活かすことは良い。
・労働基本権は専門調査会で検討中。能力実績主義の人事管理の評価制度は直接勤務条件にあたらない。
・センター利用で官民癒着があった場合、その責任は本人にあり、ルールに従ってやっていればセンター(センター長の官房長官、任命者の総理大臣)に責任はない。
・公務員が全体の奉仕者として定年まで働くのは立派な生き様で尊敬に値する。官の世界で思う存分力を発揮するのも一つの生き方だが、公務の外で力を発揮することもあっていい。定年まで働くのでは減量化できない。
・毎年約1万人が退職。定年4000、勧奨4000その半分が天下り斡旋、その他2000。採用区分ごとの早期退職割合は不明。年齢は現在平均55.8歳。
・予算と権限を背景にしなければ再就職しづらいため、希望する者はセンター利用、そうでない者は専門スタッフ。人材バンクの名称をセンターとしたのは、官から民へ出るだけでなく民から官に入ってくるゲートウェイと考えている。
以上
|