2008年11月16日
日本国家公務員労働組合連合会中央執行委員会
本日、政府・厚生労働省は第30期中央労働委員会の労働者委員に、国公労連と日本医労連が共同で推薦し、全国労働委員会民主化対策会議の統一候補となった淀房子氏(全医労前副委員長)を任命した。この任命は、非連合である労組の推薦する候補者が初めて選任されたものであり、歴史的・画期的な成果である。
政府は全労連と連合の両ナショナルセンターが1989年に結成されて以降、連続9期18年にわたり連合推薦者のみの任命を続けてきた。国公労連は国営企業担当、特定独法担当の候補として第26期の任命について熊谷金道氏(全労連元議長)を推薦して以来、藤田忠弘氏(国公労連元委員長)、泉部芳徳氏(全経済元委員長)、堀口士郎氏(国公労連元委員長)の各氏を推薦してきたが、政府はその任命をことごとく拒んできたのである。
第30期中央労働委員会の任命について国公労連は、民主化対策会議に結集し、民間企業担当の水久保文明氏(新聞労連)と特定独立法人担当の淀房子氏の両候補を先頭に、公正任命を求める行動に奮闘してきた。両候補の写真を入れたポスターを全国の職場に貼り出し、総理大臣宛の団体署名を1300通集約するとともに、厚生労働省前統一宣伝や同省への要請行動にも取り組んできた。こうした運動を背景に、淀候補については、(1)看護師としての経験を踏まえて現場の声を中労委に反映できる、(2)特定独法の最大組織の労組の推薦を受けるとともに、さらに特定独法全体としても8割の職員を代表する3労組が推薦している、(3)中労委労働者委員15人中、女性は2人しかいない、と任命を求める主張を行った。宣伝、署名など大衆運動と裁判闘争、ILOへの提訴など永年にわたる運動が結実したものとして、今回の結果を迎えることとなった。
今回の任命は、不当労働行為に苦しむ労働者、労働組合にとって大きなはげましとなるものである。中央労働委員会が不当労働行為の救済機関としての本来の機能を発揮する契機となろう。さらに、各種政府機関委員に於ける連合独占の状況にも影響を与えることとなる。
国公労連は、引き続き民主化対策会議に結集し、労働委員会の活用促進を図るとともに、組織人数割合による委員の任命など労働委員会の民主化に向けてさらに運動を進めるものである。
以上
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