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国公労新聞 2008年1月10日号 第1273号
     
 
 

 

◆労働者の「泣き寝入り」許さない
〈ローカルユニオンすおうなだ・大分県北地域労組〉
 全建労と建交労が力あわせてユニオン結成
 地域を潤す大河に


 「泣き寝入りを許さない」相談活動と組織拡大をスローガンを掲げ、一人でも加入できる労働組合、大分県北地域労働組合(略称・ローカルユニオンすおうなだ)が、未組織労働者の「受け皿」として、全建労と建交労(全日本建設交運一般労働組合)が力あわせて07年11月、結成されました。全建労九州地本耶馬渓(やばけい)支部(大分県中津市)と大分支部は、民間とともに「たたかう仲間づくり」のため、地域に足を踏み出しています。(教宣部・中田智子)

 ◇同じ職場で働く仲間を助けたい

 これまで全建労九州地本は、建交労など建設産別で組織する生活関連公共事業推進連絡会議(生公連)運動を積み重ね、全国600万建設労働者の労働条件底上げ運動を共闘してきました。
 全建労耶馬溪支部のAさん(ローカルユニオン委員長)は、「転勤の多い公務員にとって、業務の継続、地域の情報や住民要求などを知っている業務委託職員なしには、国の業務はなりたちません。仕事の中核を担わされながら、不安定雇用・低賃金・無権利状態で労働を強いられています」と話します。
 「06年秋、業務委託職員の賃金が一方的に切り下げられました。代わりは誰でもいるんだという半分脅しのように…」と全建労耶馬溪支部書記長のBさん(ローカルユニオン副委員長)は訴えます。
「同じ労働者として黙ってはいられない!」と急遽、全建労耶馬渓支部と建交労の福岡・大分両県本部が中心となって、業務委託職員を対象に、法律を学んで労働者の権利を知る「緊急学習会」を展開。それをきっかけにして、日本総合サービス九州労組(現在は、建交労福岡合同支部日本総合サービス分会)が結成されました。
 Aさんは「民間労働者である業務委託職員の地域での『受け皿』が必要なことを痛感した」といいます。

 ◇一人ぼっちの労働者をなくそう

 大分県北地区には地区労連組織がなく、労働相談は建交労が対応していました。
 「涙を流し、『いじめられ解雇された』と相談所に駆け込んできました。10万円賃下げ、残業代未払い、セクハラ・パワハラなど労働相談は深刻です」と大分県労連・県北地区労働相談員を担ってきたMさん(ユニオン書記長、建交労)は話します。
 Aさんは「地域活動として建交労など民間労組と地域の情勢報告集会を積み重ねてきました。その結果、「泣き寝入り」を許さず、劣悪な労働実態や企業の不当解雇などを解決するため、ローカルユニオンを結成したのです」と結成の背景を振り返ります。
 建交労大分県本部委員長のHさん(ユニオン執行委員)は、「雇用・賃金・暮らしすべてが底抜けになっています。失業対策事業がない現在、国公労働者は具体的に政策提起してほしいです」と期待を語ります。
 大分県北地域は、ダイハツ、日産など自動車産業などの企業が進出し、パート、派遣労働など非正規労働者が増加。ダイハツのための車線の広い産業道路新設、「大企業のための公共事業」は拡大しています。

 ◇08春闘は地域に出てユニオン加入呼びかけ

 大分県労連議長(全建労)は、「地元の未組織労働者の受け皿であるローカルユニオンは、運動を社会的に広げるパワーの源になります」と語ります。「ローカルユニオンすおうなだ」は、北九州から大分にかけての大企業進出地域労働者をも視野に入れ、労働相談と組織拡大をしようという思いをもっています。
 Aさんは、「結成して2週間で組合員は10人を超えました。公務職場に働く委託職員も加入し、職場は活気づいています。08春闘と一体で『組合に入って団体交渉しよう』と呼びかけたい。スタートは源流の一滴ですが、地域を潤す大河になりたい」と決意を語りました。

 ◇ローカルユニオンとは?

 「ひとりぼっちの労働者をなくし、産業や職種、雇用形態に関わらず加入できる労働組合」で、全労連の取り組みとして全国に広がっています(現在、40都道府県に116組織、約6000名が加入)。ローカルユニオンの活動内容は、雇用主からの突然の解雇、一方的な賃下げ、賃金の搾取・未払い、残業代未払いなどの問題解決が主となっています。

 
 

 

 ◆時代の転換点を踏まえた要求、運動、組織を
  国公労連07年全国討論集会に281人参加


 国公労連は、12月7、8日に静岡県伊東市において、「21世紀を生きる公務労働運動の挑戦」をテーマに07年全国討論集会を開き、281人が参加しました。時代の転換点を踏まえた組織、要求のあり方など2010年前後までをにらんだ中期的な運動の方向性についての問題提起を踏まえ単組やブロック、県国公の組織・役職の枠を越えて討議を行いました。

 ◇大きな転換点に

 主催あいさつした福田昭生委員長は、「大きな時代の転換点に立っているが、変化に運動がついていってない。すさまじい公務員バッシングのなかで、国公労働運動の新しい探求が必要になっている」とのべました。そして、現在の情勢を、改憲と構造改革路線にブレーキがかかり、民意によって政治が動く状況にあるとし、「原点にたって、労働組合の社会的役割を発揮し、今までの要求・運動・組織を総点検し、新しい路線を探求しよう」とよびかけました。
 特別報告した自治労連の田中章史副委員長は、構造改革とのたたかいのなかで、提案型の運動を提起し、地域住民との共同を大きく広げてきた経験をのべました。
 岡部勘市書記長が、全国討論集会への「問題提起」(11月25日付、国公労新聞号外参照)を行いました。
 全体討論では、全法務、全労働、全医労、全運輸から組織の現状と組合員の意識変化、労働組合の今日的役割、可能性、改善すべき運動上の課題等について発言がありました。

 ◇これからの運動探求

 分散会では、組合運動についての各人の問題意識などを出し合い、「問題提起」を深めました。
 2日目午後の全体集会では、全8分散会からの報告があり、「職場の人間関係が希薄になり、組織上の困難をどう克服するか」「外に出て、国民とどう対話するか」「わかりやすい言葉でどう伝えるか」「マスコミ対策が重要」など、これからの運動課題をそれぞれ紹介しました。全体討論では、全国税の代表が激動の時代に対応する国公組織のあり方について問題意識を語りました。
 岡部書記長は、「まとめ的な発言」として、「集会で出された意見、単組・ブロック国公等のレポート、個々の組合員の意見を正面から受けとめ、大きな方向性について忌憚なく意見交換したこと自体が画期的なことであり、集会の初期の目的は達成できたと思う。今後さらに単組、地域で深めてほしい。次期大会に向け全体として総括し、方針化していきたい」とのべました。

 ◇参加者の感想

●本集会を提起された国公本部の決意を受けて、本気になって職場組合員、働く仲間との対話を行い、組合の組織の再建を図りたいと思います(総理府労連からの参加者)。
●議論のスタートである、ということですので、今後この問題提起をもとに議論を進めていきたいと思います(全通信からの参加者)。
●3〜5年後の国公の姿は、国民との連帯が進んでいるでしょうか。職場の仲間の要求、生の声を運動化すると同時に当局の諸施策については、国民の目線に立って、厳しくチェックしていく必要があると思います(全国税からの参加者)。
●組織と運動について、率直な議論ができた場となって良かったと思います。内容が深く幅広いだけに、時間は不足していたと感じました(全労働からの参加者)。
●全部を理解できたとは決して言えませんが、勉強にはなりました。もっと多くの人に参加してもらって、視野を広げてほしいと思いました(全厚生からの参加者)。
●私たちの運動を職場で、また職場の外でどう訴えていくかが大事だ。国民に、マスコミに職場の人たちに訴える有効な方法に知恵を出そう (全医労からの参加者)。
●これからの労働組合、運動、組織について、重要かつ必要な討論集会であると思います。個人的には勉強となりいい機会になりました(全法務からの参加者)。
●難しい課題で、どうしても引き続きかつ緊迫感をもって討論しなければならないと思いました。財政が許しませんが、本当は継続的にすべきだと思います(全司法からの参加者)。
●地域に打って出ることで、国民のための行政確立が実現できる意思統一がはかられたと思う。行政だけでなく、構造改革全体で国民は苦しめられているので、地域で奮闘することが大切(全気象からの参加者)。
●これからますます、単組の枠を越えた交流と連帯が求められる中で、現状の認識を踏まえて、国公労連の中期的な展望を築く本集会に参加でき、有意義であった (全港建からの参加者)。
●組合が「何をめざしているのか」わかりやすく組合員に伝えていくことが重要であるということをあらためて理解できた(全建労からの参加者)。
●国公労連が主催する会議に初めて参加した。それぞれの職場での悩み、問題点をいろいろと聞くことができて良かった。労働組合の役割の重要性を改めて強く認識することができたと思う (全運輸からの参加者)。
●各地区、各単組の皆さんから色々と参考になる意見等いただきましたので、これからの運動に役立てていきたいと思います(秋田県国公参加者)。
●おおよその方向性がわかりました。その方向に沿って、どう一歩でも具体化していくかの交流を行うために、ブロック・県国公の交流会も設けていただきたいと思います(長野県国公参加者)。
●外に出る行動にさらに力を入れ国民との認識の共通化を図っていくことの重要性を再認識しました。色々考えながら今後の活動に努めたいと思います(大阪国公参加者)

 
 

 

◆賃上げ、時短、非常勤処遇改善を
 08春闘 国公労連統一要求案討議に参加しよう


 日本経団連が12月19日に発表した「08年版経営労働政策委員会報告」について、マスコミは「賃上げ容認明確に」(日経新聞)と報じています。しかし、07春闘の経過からも、労働者・労働組合のたたかいなくして経営者が賃上げに応じることはあり得ません。原油高騰等での物価高が生活を直撃しており、賃金改善は切実です。大企業は連年にわたって最高益を更新しており、たたかえば要求を勝ち取ることができる春闘です。そのためにも、要求に確信を持つことが重要です。1月30日に開催する国公労連第130回中央委員会で決定する「08年国公労連統一要求案」の積極的な職場討議をお願いします。

 ◇初任給の官民格差の是正を

 「2008年春闘、要求・意識アンケート」は、組合員の1割を対象に初めて「抽出方式」でとりくみました。
 その結果は、「全数調査」でとりくんだ前年と同じ要求傾向を示しています。ベア要求については、アンケートの結果を踏まえ、組合員の大多数が結集する「3分の2ライン」をとり、行(一)ベースで「1万1000円(2・8%)」で提案しています。
 体系要求については、(1)初任給引き上げを前提に、(2)ライフサイクルに応じた生計費の確保、(3)経験・勤続(専門性向上要素)に応じた体系の維持を基本目標に、モデル賃金案を提案しています。
 特に、初任給については、民間初任給との格差是正にむけて、人事院が実施した「2007年職種別民間給与実態調査」に基づき、民間初任給の平均額である行(一)高卒初任給(18歳)15万7000円、大卒初任給(22歳)19万5000円への引き上げを提案しています。

 ◇非常勤職員の処遇改善を

 1995年に全労働者の21%に過ぎなかったパート・アルバイトなどの非正規労働者が、2006年には1663万人(33%)にまで増大しています。国の行政機関で働く非正規労働者も30%以上に及んでいます。
 公務民間を問わず、雇用の流動化政策や人件費にかかるコスト削減をすすめる手段として低賃金のパート・派遣等への置き換えが進行し、「ワーキングプア」が社会問題化しています。このことが、労働者全体の賃金水準を低下させる要因ともなっていますが、公務員賃金にも直接影響し、それがまた民間賃金に影響するという悪循環を生んでいます。
 こうした現状を改善するためには、12月7日・8日に開催した「国公労連2007年全国討論集会」でも討論したとおり、底抜けする賃金構造の土台の再構築を目指す全労働者的な賃金闘争に結集し、最低賃金闘争、均等待遇実現闘争、公契約運動などのとりくみを重視し、国民共同・社会的連帯の構築を目指さなければなりません。
 このことからも、非常勤職員の待遇改善・均等待遇の実現を強く求めていくこととし、臨時・非常勤職員等の最低賃金要求案は、全労連の要求案と同じ月額相当15万円(時給1000円、日給7500円)で提案しています。

 ◇所定勤務時間の短縮要求を重視

 労働条件改善にむけては、所定勤務時間の短縮要求を重視しています。人事院は、07年の勧告時報告で、民間の労働時間調査結果を踏まえ、時短の「勧告」までには至らなかったものの、その必要性について言及しています。
 要求案では、人事院に対して、08年夏の勧告を待たずに、ただちに時短の「勧告」を行うよう求めています。

 ◇労働協約締結権の保障に向けて

 労働基本権を含む労使関係について検討してきた行革推進本部専門調査会は、10月19日、非現業国家公務員に一定の範囲で協約締結権を付与し、人事院勧告制度を廃止する一方、争議権や消防職員などの団結権は両論併記とする「報告」を行いました。
 要求案では、少なくとも協約締結権の保障に向けて、労使対等の労働条件決定システムの確立等を、政府に対して強く求めることとしています。

 ▼08年国公労連統一要求(案)抜粋

  1 賃金等の改善について
(1)国家公務員、独立行政法人職員の現に支給されている賃金を月額平均11,000円・2.8%[国公行政職(一)]引き上げること。
(2)民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)高卒初任給(18歳)を157,000円、大卒初任給(22歳)を195,000円に引き上げること。
(3)臨時・非常勤職員を含め、公務職場に働く労働者の最低賃金を月額相当150,000円(時給1,000円、日給7,500円)以上に引き上げること。
(4)賃金体系について、初任給引き上げを前提に、世帯形成に伴う生計費の増大や、経験・勤続(専門性向上要素)に応じた体系を維持すること。
 そのため、初任給を除く行政職(一)の俸給額(現給保障額を含む)については、以下のポイント要求をふまえ改善すること。

モデル年齢俸給額引き上げ率
35歳285,700円3.2%
45歳383,300円2.6%

 2 労働基本権、民主的公務員制度の確立について
(1)公務員労働者の労働基本権を全面的に回復すること。当面、協約締結権の保障に向けて、交渉による労使対等の労働条件決定システムを確立すること。
(2)公務員制度の「パッケージ改革」、及び「改正」国公法に基づく政省令の制定、規則整備等に関わっては、労働組合との十分な交渉・協議を行うこと。
(3)新たな人事評価制度については、公正・公平性、透明性、客観性、納得性を備えた職員参加、育成重視型の仕組みを確立すること。
 また、今後の人事評価の試行等にあたっては、労働組合との十分な交渉・協議を尽くし、合意の上で実施すること。

 3 労働時間短縮等について
(1)所定勤務時間を「1日7時間、週35時間」に短縮すること。当面、07年勧告時報告にもとづき、所定勤務時間の1日7時間45分への短縮、交替制勤務者の所定勤務時間の週38時間45分への短縮をただちに勧告すること。
(2)厚生労働省が示した指針等に準じて勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不払い残業の根絶を図ること。

 4 健康・安全確保等について
(1)長時間・過密労働をなくし、過労死・自殺、疾病、公務災害の予防など 職員の健康・安全を確保するため、以下の対策を講じること。
 1) メンタルヘルス問題の深刻化を踏まえ、働き方と職場環境の変化に対応して、「職員の心の健康づくりのための指針」等に基づいた心の健康づくり対策を強化すること。
 2) パワーハラスメントに対する指針の策定など具体的な対策を講じること。

 5 非常勤職員の処遇改善について
(1)非常勤職員の勤務や処遇の実態を調査すること。その調査結果に基づき、職務や勤務形態、経験等に対応した類型化を行い、常勤職員との均等を基本にそれぞれの類型に対応した処遇改善を図ること。

 
 

 

 ◆新春インタビュー〈作家・雨宮 処凜さん〉
 憲法を武器に 生きやすい社会を


 あまみや かりん
 1975年北海道生まれ。愛国バンド「維新赤誠塾」のボーカルを務めていた時、ドキュメンタリー映画に主演(99年)。現在は不安定な日々を生きる人々に焦点をあて、取材、執筆、運動を展開している。『生きさせろ!』(太田出版)、『プレカリアート』(洋泉社)など著書多数

 ◇フリーターでも まともに生きられるルール確立を

 いま日本の若者は、「こうすれば安心して働き生きていける」というモデルを喪失した社会での生活を強いられています。
 すでに一部で現実化していますが、フリーターは将来のホームレス予備軍。一方の正社員も長く勤め続けるのが難しいほどの過重労働で、安泰とはとてもいえません。
 ところが、フリーターになるのも過重労働で倒れるのも「自己責任」という考え方が社会の主流。その中で、常に競争に勝ち続けることを求められています。でも、そんな社会はおかしいと思う。どんな人でも無条件に生存が肯定されなければなりません。
 若者の「生きづらさ」や自殺問題に向き合ってきて感じるのは、これらを個人の「心の問題」ととらえている限り、何の解決策も見いだせないということです。背景には、財界による雇用流動化策があるし、地球規模での市場競争推進政策が潜んでいる。
 でも、そのことに気づいたら、ある種の突破口も見えてきました。

 ◇始まった反撃

 私自身、高校を出て上京しフリーターになりましたが、定職はなく、バイトを簡単にクビになる生活を繰り返していたことがあります。当時は、フリーターには労働基準法は適用されないと思っていましたし、労働組合に入れるとは思ってもいませんでした。
 だけど、いま状況が変わりつつあります。低賃金で生活はぎりぎり、普通に働いているのに結婚して子どもを産み育てることができない──このことのおかしさを一人が言い出したら、多くの人が「そうだ、そうだ」と賛同し始めている。
 日雇い派遣で働く若者が組合を作ればたちどころに百人を超える人々が集まる。合法的反撃が始まり、その主張が通り始める状況が生まれています。
 そんなたたかいの武器になっているのが生存権をすべての人に保障した憲法25条です。みんな自分たちの苦しさを生存権の問題ととらえ、権利を主張し、要求している。最低賃金の引き上げや、フリーターでもまともに生きられるルールの確立、利用しやすい生活保護制度などは、憲法25条を実践することで、すべて実現可能だと思うのです。

 ◇結びつく9条と25条

 フリーターであったころ、私は絶望感の原因を問い、自分の存在価値を「国家」に寄り添うことで見つけようとしていました。大きな存在にすがる思いから「愛国」に救いを求め、「おしつけ憲法反対」を訴える団体に所属したこともあります。
 そんな私の認識を変えたきっかけが、貧困からの解放を求める人々の運動との出会いでした。
 イラク戦争に従軍している米兵の多くが貧困層です。それと同様に、いま日本で貧困層が大量に生み出されている背景にも「戦争に行って死んでくれる層を作り出そう」とする政治の意図を強く感じます。
 そうした意味で、私の中で憲法25条と憲法9条は結びついているのです。戦争放棄の九条は生存権に最も深くかかわっていると感じています。

 
 
 
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