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国公労新聞 2008年2月25日号 第1276号
     
 
 

 

◆みんなの年金守ろう〜どうする「宙に浮いた年金」〜
 社保庁改革を考えるシンポジウム
 職員に責任転嫁する攻撃 制度と現場の矛盾が深刻


 公務労組連絡会と国公労連は2月16日、都内でシンポジウム「守れ!みんなの年金・社保庁改革を考える〜どうする宙に浮いた年金」を開き、全厚生の70人をはじめ、市民・労働者など240人が参加。シンポジストは、朝日新聞の松浦新記者、中央社保協の山田稔事務局長、日本大学の永山利和教授、菊池紘弁護士の4氏。

 4人のシンポジストは、「制度と現場に矛盾があるから、現場は嘘をつかなければならない。社保庁の人が現場から声をあげて欲しい」(松浦記者)、「社会保障制度は悪だという考え方が政府の根底にある。消費税ではなく一般税できちんと支える全額国庫負担の最低保障年金制度が必要」(山田事務局長)、「政府やマスコミは、職員を『悪代官』にして、責任転嫁しようとしているが、本質的な構造に問題が生じている。いま重大な転機。国民的レベルで怒りを巻き起こすときだ」(永山教授)、「職員を選別するというやり方は、国鉄民営化と同じだ。国民の年金を確立する運動をいかに広げるかにかかっている」(菊池弁護士)とそれぞれ発言。
 フロアーからも、「特別便については対応の面でも、まだまだ問題がある。相談体制をしっかりつくるべき」(社労士)、「窓口は大変混雑している。2時間、3時間待ちで午後相談に来た人は夕方帰る。マンパワーが必要」(社保職員)などの発言がありました。

 ◇国の責任で、安心して暮らせる年金実現を

 最後に、「『国の責任で、安心して暮らせる年金を実現する』ために、思想信条や、年齢の違いを超えて、多くの国民が手をつなぎましょう」とのアピールを採択。
 参加者からは、「消えた年金ではなく、不作為であっても消された年金だ」(80歳・年金者組合)、「社保庁の職員の発言がもっと欲しかった。当事者の思いが聞きたかった」(54歳・公務員)、「社会保険解体=年金制度が安心でないことがわかった」(47歳・無職)などの感想が寄せられました。

 
 

 

◆賃金改善、時短、働くルールを
 政府と人事院に要求書を提出


 国公労連は、人事院(2月13日)・政府(14日)に、「08年国公労連統一要求書」を提出しました。その際、格差と貧困の是正、賃金・労働条件の底上げを前面に、(1)生活防衛・内需拡大の観点での賃金改善、初任給の官民較差解消、(2)非常勤職員の処遇改善、(3)所定勤務時間の早期短縮、(4)超勤縮減、働くルール確立、(5)労働基本権の全面回復を重点に主張しました。
 これに対し、「誠意をもって検討」(人事院)、「精読の上検討」(総務省)と回答。最後に福田委員長は、「今後各レベルで交渉を積み上げる。要求を真摯に受けとめ、誠意ある前向きの回答を期待する」とのべ、3月12日を回答指定日に要求しました。
 これから、春闘期の交渉が本格化します。一歩も引かない構えで、政府・人事院を追及し、要求実現を勝ちとりましょう。

 
 

 

◆08春闘で非常勤職員の処遇改善を
 14万9千人の国の非常勤職員 正規の約半分
 賃金や休暇制度など劣悪な労働条件


 年度末を迎え、「雇い止めになるのでは」と不安を抱える非常勤職員もいます。いま、非常勤職員の悩みを受けとめ、解決に努力する労働組合が求められています。

 ◇雇い止め問題の矛盾

 国の行政機関で働く非常勤職員数は、総務省による06年の調査で14万9119人と、正規公務員の29万8609人の約半分となっています。公務員削減の一方で、非常勤職員の総数は増加しています。しかし、別表のように、予算査定等によって減少している省庁もあります。また、「定員外職員の常勤化防止」(1961年2月28日閣議決定)の政府方針のもと、3年雇い止めによって契約更新されない職員も多数発生しています。
 「常勤化防止」の閣議決定は、当時の5年余にわたる定員外職員の定員化闘争のもと、累計で10万人を超える定員化を実現したことに端を発しています。国の行政機関で働く職員の3人に一人が非常勤職員という実態は、当時と同様の矛盾を引き起こしています。
 国立情報学研究所での非常勤職員の雇い止め事件では、「永年勤めた職員に対して任用を打ち切るのであれば、適正な手続きを試み、相応の礼を尽くすべきもの」、「任用更新を拒絶することは、信義則に反し、許されない」との画期的判断(東京地裁、06年3月24日)もでています。

 ◇組合加入訴えよう

 非常勤職員の処遇は、賃金水準をはじめ、通勤手当や忌引き休暇もないなど労働条件も劣悪で、正規職員の待遇とはかけ離れています。
 国公労連は、政府と人事院に対する統一要求として、非常勤職員の「雇い止め」規制とあわせて、賃金や休暇制度などの処遇改善を求めています。
 今年の春闘は「なくせ貧困」が重要課題。職場で働く非常勤職員の処遇改善が私たちの課題です。労働組合への加入も訴え、不安や不満を一緒に当局にぶつけ、解決をめざすことが重要です。

 
 

 

 ◆家計の氷河期ぶっとばせ
 「なくせ貧困!2・13総行動」を展開


 2月13日、全労連・国民春闘共闘など労働者、農民、業者、女性、青年、医療団体などが総結集し、「なくせ貧困! 2・13総行動」を展開。3000人(国公労連は500人)以上が一堂に会し、「貧困なくせ」の声が、霞が関一帯に響きました。同日、建設首都圏共闘も3800人で中央行動を行い、霞が関周辺は7000人にもなりました。
 総行動では、総決起集会、総務省・財務省・厚労省前での要請行動を展開。「月額15万円、日給7500円、時間額1000円」の最低賃金、非正規労働者の均等待遇実現、公務員の総人件費削減反対、公務労働者の労働基本権回復など、春闘要求を政府にぶつけました。銀座パレード、日本経団連前抗議行動も実施しました。

 
 

 

◆「個人の政治的な主義・主張で職務は左右されない」
 山瀬徳行さん(国公労連顧問)が東京高裁・地裁で証言
 国公法弾圧事件「政治活動禁止は時代錯誤」


 国家公務員が政党ビラを配布したとして逮捕された堀越事件の公判が2月6日に東京高裁で、また13日には世田谷事件の公判が東京地裁で開かれました。両公判では国公労連顧問(前副委員長)の山瀬徳行さんが証人に立ち、公務員の政治活動禁止は時代錯誤であり、憲法違反であることを証言しました。
 山瀬さんは、国家公務員の職務は法令や通達などで細かく規定されており、個人の政治的な主義・主張で職務が左右されることはない、ときっぱり証言。また、政府の「構造改革路線」のもとで、独立行政法人化や民営化がすすめられたが、国会でも政治活動の禁止がなくなると困るという議論はまったくなく、規制そのものが不要だった、と述べました。
 さらに、公務員制度の調査を行ったイギリスなどと比較し、一部の上級公務員を除けば政治活動の規制はなく、日本のように地位や身分を問わず一律に刑罰で規制している国はない、と証言しました。
 最後に山瀬さんは、「公務員の権利の水準はその国の民主主義のバロメーターであり、公務員の労働基本権制約と政治活動禁止は『世界の恥』である」と強調しました。

 ◇公正判決求める署名を

 いま国公労連は、両裁判の公正判決を求める署名に取り組んでいます。公務員の労働基本権回復、そして政治的・市民的自由を求める運動を大いに広げていきましょう。

 
 

 

 ◆読者のひろば 私の一言

 ◇測候所無人化で気象庁」の将来は(全気象の仲間から)

 測候所が順次無人化されていくなか、気象庁の将来が不安です。

 ◇管制業務は大変!格闘してがんばる(全運輸の仲間から)

 正月号のインタビュー記事は、いつも楽しみにしています。
 管理管制の仕事はうまくいって当たり前、なにかあるとクレームになるという面がありますが(公務の仕事は、どこもそうですが…)パソコンと格闘しつつ、がんばっています。

 ◇明るい未来のため春闘で賃上げを!(全法務の仲間から)

 人は減る、仕事は増える、給与は少ない。そんな現実では、公務を目指す人もいなくなります。日本の明るい未来のためにも、春闘で賃上げを!

 ◇公務員制度改革問題が職場で話題に(全労働の仲間から)

 職場内では、公務員制度改革基本法案の行方が気になっています。労働基本権問題やキャリア制度の廃止による地方支部機関への影響など…。

 ◇仲間の奮闘する記事で勇気が湧いてくる(全司法の仲間から)

 いつも、国公労新聞を楽しみに、読ませていただいています。
 最近は、公務員に対する国民の目が厳しいという理由で何かと、当局の締め付けがキツく、おまけに組合員の数も減少傾向にあり、組合活動も中々スムーズに行かない点もあり、組合員一丸となって工夫し知恵を絞っているところです。
 そんな中、仕事量も増え、人も増えない中で、職場からは、メンタルの休職者が数名も出て、職場でも必死でカバーし合っている状況です。
 こんな状況下でもありますが、いつも国公労新聞を読んで、他の単組の仲間の奮闘する記事を目にすると勇気が湧いてきます。暗いニュースばかりですが、前向きにがんばって行きたいです。
 また機会があれば、国公労連の集会にも参加したいと思っています。これからも、よろしくお願いします。

 
 
 
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