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国公労新聞 2008年4月25日号 第1280号
     
 
 

 

 ◆貧困と格差ひろげる政治ノー
  後期高齢者医療制度の中止・撤回を
  年金記録問題を解決せず、保険料は天引き
  国民の怒り大きく、福田内閣支持率急落



 4月に入って福田康夫内閣の支持率は急落しています。4月21日付朝日新聞が発表した同社の全国世論調査での、支持率は25%に。内閣支持率が20%台に落ち込んだのは、昨年7月に自民党が参院選で大敗した直後の調査で、安倍内閣の支持率26%となって以来のことで、国民の怒りのあらわれです。

(朝日新聞4月21日付から転載)

 4月に入って、ガソリン税などの道路特定財源の暫定税率が失効しましたが、福田内閣は、ガソリン税の暫定税率を衆院での再議決で復活させようとしています。朝日新聞の世論調査では、再議決に賛成が24%にたいし、反対は63%にのぼっています。

 ◇後期高齢者医療制度71%不満

 また、4月から後期高齢者医療制度が始まりましたが、この制度を「評価しない」が71%にのぼり、「評価する」はわずか18%。年金記録問題の解決もままならないもとで、年金からの保険料天引きにお年寄りの怒りが高まっています。
 内閣不支持の理由では、69%が「政策の面から」を選んでいます。
 4月にはいって生活必需品は値上がりしているのに年金は減り、税金や社会保険料も負担が増す一方です。こんな弱いものイジメ、お年寄りに冷たい政治にたいしてふんまんやるかたのない思いを持っている人が増えています。

「増える税・社会保険料と減る年金」
(高齢者夫婦世帯・横浜市の場合、小池晃参院議員試算)

 ◇「総辞職か解散か」追い込まれる福田内閣

 マスコミは、福田政権が行き詰まっている最大の理由とは、昨秋の唐突な大連立構想とその破綻があり、その後遺症から官邸の機能不全状態になっていると指摘しています。
 与野党が対立したまま、4月末のガソリン税の暫定税率の衆院での再議決、参院への首相問責決議案の提出となると、福田内閣は7月のサミット前に総辞職か解散に追い込まれる事態もでてきます。
 新自由主義にもとづく「構造改革」路線によって、ひたすらアメリカや大企業に奉仕する一方で、社会保障制度や雇用を破壊し、貧困と格差をひろげ、地方を疲弊させている政治を、国民の力で変えていくことがいま求められています。

 
 

 

 ◆尊厳を踏みにじる制度
  福田政権のアキレス腱に 「うば捨て制度」怒り爆発
  後期高齢者医療制度の問題点


 4月1日、後期高齢者医療制度がスタート。福田首相は国民の怒りの前に、制度初日に「長寿医療制度」と名前を変えさせる前代未聞の対応をとりましたが、いっそう怒りと混乱を拡大する結果に。
(執筆=中央社保協・山田稔事務局長)

 自公政権は「後期高齢者という名前が悪いから『長寿医療制度』にする」「国保より高くなった人も、安くなった人もいる。平均では国保より安くなっているはず」などと、場当たり的な対応や言い訳の繰り返しです。
 国民はこの制度が「高齢者は早く死んで頂いて結構だ」とする、基本的人権も、人としての尊厳も踏みにじる制度だということに真正面から怒っています。
 基本設計が「高齢者の医療費削減ありき」で、「保険料は上がり続け、死ぬまで徴収する。受けられる医療は徹底して制限する」ものであるが故に、2006年の国会審議の時も、具体的な中身を明らかにしないまま審議を打ち切り、自民・公明与党が強引に成立させました。保険料は昨年暮れに、医療内容は今年二月になってようやくわかるといった事態です。見えてきた制度はまさに『うば捨て制度』そのものであり、全国各地で国民の怒りが爆発するのは当然です。

 ◇超党派の議員連盟も

 四野党共同の「廃止法案」が国会に提出され、制度の中止・撤回等を求める地方議会意見書採択も565(4月15日現在)を超えました。自民党内に制度見直しを検討課題とする「後期高齢者医療制度を考える会」(議員連盟)が、さらには社会保障費2200億円削減方針の撤回を求める超党派の「医療現場の危機打開と再建を目指す国会議員連盟」(会長・自民党尾辻参議院議員会長、幹事・共産党小池参議院議員)も発足しました。 福田首相は「丁寧な説明をしていく」としていますが、これまでひた隠しにしてきた制度の中身をどうやって誤魔化し、説明するというのか、いまや国民もマスコミも待ちかまえています。

 
 

 

 ◆〈日航907便事故控訴審〉現場の実態を無視
  東京高裁 不当な逆転有罪判決
  個人責任でなく再発防止の対策を


 【全運輸発】08年4月11日、全運輸組合員である2名の航空管制官が起訴されている日航907便事故(01年1月31日発生)控訴審の判決公判が開かれ、東京高裁は、第一審の無罪判決を破棄し、訓練生に禁錮1年、訓練監督者に禁錮1年6か月(ともに執行猶予3年)の、極めて不当な逆転有罪判決を言い渡しました。
 判決論旨で裁判長は、当該機長を含むすべての証人の「1000フィート(約300メートル)の垂直間隔は危険ではない」との証言を無視するとともに、TCAS(航空機衝突防止装置)のRA(回避指示)について「管制官は運航票やレーダー表示などで正確な情報を把握しており予見できる」とするなど、矛盾に満ちた理由を述べました。また、「TCASのRAの回避方向と管制官の適切な回避指示は同じであり予見できる」とし、現場実態とまったく違う事実を作り上げるなど、現場を知らない裁判官が、第一審・控訴審つうじて何一つ立証できなかった検察主張を、何らの科学的で明確な理由もなしに鵜呑みにしている点は重大です。
 また判決が、行政上の基準行為違反と刑法上の注意義務違反との関連を打ち出したことは、今後の管制業務をはじめ航空行政全体の業務遂行に大きな悪影響を与えることは明らかです。

◇たたかいは最高裁へ

 今回の判決は、真の航空事故調査体制の確立を図り、国民の安全・安心を確保する観点から見れば、反国民的判決と言えます。弁護団は最高裁判所に上告し、仲間の雇用と身分の確保、再発防止を優先する真の航空事故調査体制の確立にむけて全力で奮闘します。引き続き、全国の仲間のみなさんのご支援をお願いします。

 
 

 

 ◆「年金を商品にするな」
  年金を良くする会(準備会)を立ち上げ
  〈愛知〉社保庁解体を考えるシンポに87人


 【愛知国公発】愛知では、愛労連・愛知社保協・年金者組合・全厚生愛知県支部・愛知国公の5者で、「年金を良くする会(準備会)」を立ち上げました。4月17日には名古屋市内でシンポジウム「どうする年金・社会保険、社会保険庁解体を考える」を開き、総勢87人が参加しました。
 シンポジストの後藤征男氏(社会保険労務士)は、「年金業務が民間に委託されれば、年金は商品として扱われ、今よりひどくなる。もっと、国民が怒るべきだ」と指摘。
 茶谷寛信氏(全日本年金者組合愛知県本部委員長)は、「年金加入期間も25年から10年に短縮し、最低保障年金制度の確立と、保険料は全額税方式とすべきだ」と提言。
 深沢英二氏(全厚生愛知県支部委員長)は、「マニュアル的対応ではなく、経験の蓄積にもとづいて、国民に対しサポート、アドバイスできる対応が必要だ」と訴えました。
 石前浩之氏(朝日新聞大阪本社・社会グループ記者)は、「年金問題は、現場の職員が一番知っている問題であり、勇気をもって国民に発言を。ひいては国民の利益に結び付けてほしい」と発言しました。
 会場からは、全厚生の仲間が過酷な労働実態と職員の不満が増大していることを報告。「年金受給権を確保し、安心して暮らせるようにしたい。今のままでは無責任体制が広がるだけだ」(自治体労働者)、「職員の方々が、なぜここまでたたかれないといけないのか。国がどんな制度を作っていくのかが問題」(年金受給者)などの発言がありました。
 シンポジウムの最後に、「年金を良くする会(準備会)」として署名や社会保険事務所前での宣伝行動にとりくむことを提起し、確認しました。

 
 

 

 ◆船舶労働者に評価制度なじまぬ
  国公船舶総行動に120人参加


 4月11日、国公船舶連絡会は海上労働者の労働条件、職場環境の改善をめざして「国公船舶総行動」を展開しました。
 早朝宣伝に続いて、午前中の人事院交渉では「高熱作業の炊事部に司厨手当の新設を(気象・啓風丸)」「怪我や病気の場合の陸上雇用の確保を(港建・清龍丸)」「南極観測は、マイナス30度の中での危険な作業(海洋大・海鷹丸)」「水上作業手当の適用範囲の拡大や冬季観測手当の新設を(気象・高風丸)」などを強く要求しました。これに対し人事院は「国民の利益や安全を水際で支えていると思う。取締り、観測、調査など民間とは違う目的で働かれている」との認識を示しました。

 ◇危険と隣り合わせ

 晴れ上がった昼休みの人事院前行動には近隣の単組を含め120名の仲間が結集。水産庁・東光丸の仲間は「日本の漁業資源を守るため違法な外国漁船の取り締まりにあたっているが常に危険と隣り合せだ。評価制度の導入により、組織内部にくさびを打ち込むことはチームワークの乱れにもなり命に関わる問題。人事院は海上労働の実態を理解した上で行政にあたってほしい」と力強く訴えました。
 午後の学習交流会では国公労連・盛永副委員長を講師に、評価の制度設計を巡る現局面を学ぶとともに、全農林中央水産研究所分会の西田委員長が、漁業資源調査、温暖化調査など海洋研究調査について講演しました。 その後、各単組の重点課題やとりくみ状況を交流し、賃金・昇格課題をはじめとする労働条件や職場環境改善への決意を新たにしました。

 
 

 

 ◆50周年記念 国民平和大行進に参加を

 50周年を迎えた2008年国民平和大行進が5月6日、東京・夢の島を皮切りにスタートします。
 国公労連は、平和行進を通して核兵器廃絶と憲法を守ることを国民にアピールするために、組合員の「手から手」に、独自の「リレー旗」をつなげることとしています。リーフを活用して国民平和行進の歴史と意義を学びながら、全国に職場をもつ国公労連の仲間が一人でも多く参加し、平和の願いを08年原水禁世界大会につなぎましょう。

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