5月14日、衆議院の内閣委員会において国家公務員制度改革基本法案の審議が行われました。
委員会では、政官接触の問題、内閣人事庁を含めた公務員人事のあり方、キャリア制度の問題解決、労働基本権、官民交流問題などについて審議が行われました。
民主党の松本議員は、労働基本権問題にかかわり、「専門調査会の報告よりも後退していると言われているが、大臣はどう認識しているのか」と質問していました。答弁に立った渡辺大臣は、「専門調査会の報告をふまえて尊重する気持ちであるが、法案として提出するためにこのような表現になった」と答弁していました。
最後の質問者として登場した共産党の塩川議員は、官民交流の問題について認識をただしました。その中で現行の官民交流法では、出身企業との間で癒着の疑念が持たれないよう厳格な規制があるが、任期付任用にはそのような規制がなく、特定の企業の推進により任用され、もとの企業に戻っている実態が明らかとなりました。
塩川議員は原子力安全委員会を例に出し、規制する行政機関に規制される企業から任期付任用をしている実態を確認したうえ、民から官へ来るメリットについて問いただしました。答弁で渡辺大臣は、官民の間で共通認識を持つことはこの国の方向性をお互いに理解するメリットがあると述べました。
しかしながら、塩川議員の示した総務省の研究会がとりまとめた報告書では、民間企業が官に人材を送るメリットとして、人材育成、官民のネットワークつくり、ビジネス機会の創出ということが上げられており、官民交流の拡大はそのまま癒着の拡大につながることが懸念されます。
法案の審議すべてにわたり、法案は理念と基本的な方針を示しているに過ぎず、具体的なことはすべて今後検討されるとなっています。法案は、今国会で成立させようとする動きが強まっていることから、今後の動きに注意を払いつつ、民主的な公務員制度と労働基本権の早期回復に向けたとりくみがいっそう重要となっています。
なお、衆議院では5月21日にも審議が行われ、今月中に衆議院を通過させ、会期末までに成立させることが見込まれています。そのため、5月28日には委員会採決を行い、本会議で可決させ、参議院に送付し、会期末である6月15日までに参議院で成立させることが目論まれています
5月14日には、そのほかにも多くの行動が取り組まれました。本速報では、その他の行動についても内容を簡潔にお知らせします。
◆満身の怒りを込めた雨中の座り込み
−後期高齢者医療制度の撤回に国会前で−
国会前の座り込みに国公の代表が奮闘
全労連は、後期高齢者医療の撤回と労働者派遣法の改正を求め、国会前での座り込み行動を展開しました。朝から強い雨が降る中でしたが、多くの仲間が集まったことは、政府に対する怒りが非常に強いことが現れています。
行動では、各参加団体の代表から、とりくみの状況や仲間の怒りが紹介されていました。国公労連の代表として工藤中執から、国公労連のとりくみ等か紹介されました。また、国民本位の行財政・司法の確立に向け、全力で奮闘する決意が述べられました。
昼休み国会前集会に続々と集結
引き続き行われた昼休み国会前集会では、主催者を代表してあいさつに立った生活と健康を守る会の代表は、高齢者の生活実態や生活保護が受けられずに自殺や行方不明となっている人が増加していること等を報告しました。
国会情勢について共産党の佐々木議員から報告がなされ、解散総選挙の必要性が訴えられました。引き続き決意表明が行われ、全労連から小田川事務局長、保団連、年金者組合等の代表から報告がされました
◆退職手当のあり方研究会に意見表明
−中間とりまとめに対するヒアリングが実施−
総務省の「退職手当の在り方に関する研究会」は、5月14日に会合を開催し、中間とりまとめに対する意見をふまえ、最終報告にむけた作業に入りました。この日の会合では、労働組合のヒアリングが行われ、国公労連から浅野書記次長ほか2名が参加しました。
ヒアリングでは、秋山行革部長から趣旨説明を行いました。趣旨説明のあと、質問がなされましたが、国公労連は公平・公正な観点から慎重な検討が必要との回答を行いました。研究会は、このあと二回ほど開催され、最終報告をとりまとめる予定となっています
◆雨にもまけず、公正任命求め
−厚生労働省前で早朝宣伝−
労働者委員民主化対策会議は、5月14日の早朝宣伝をとりくみました。強い雨が降る中で行われましたが、委員候補者の淀氏をはじめ参加者は元気いっぱい宣伝行動を行っています。詳細については、別途速報でお知らせする予定です。
なお、同じ時間帯に予定していた国公一般の宣伝行動は雨のため中止となりました。
以上
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