5月27日、衆議院で審議をされている国家公務員制度改革基本法案について、自民・公明と民主は本法案を修正で合意し、本日開催された内閣委員会において修正提案を提出しました。修正提案を含め審議を行い、その後採決し、賛成多数で可決しました。これにより明日29日の衆院本会議、30日の参院本会議でそれぞれ審議・採決ということで今会期内での成立が推し進められようとしています。
全労連「公務員制度改革」闘争本部と公務労組連絡会は、議面集会を開催し、全労連「公務員制度改革」闘争本部の小田川本部長の開会挨拶の後、塩川鉄也衆議院議員よりこの間の内閣委員会の審議状況も含めた国会情勢の報告がされました。その後、自治労連、全教、国公労連が決意表明を行いました。決意表明をした全気象冨安委員長は、「内閣委員会に自分も傍聴に入ったが、質問に対して全く答えていない。これでは十分審議したとは言えない。全ての国民が安心・安全に暮らせるよう徹底した審議を求めていく」と決意が述べられました。また、全労働河村副委員長からは、「労働行政の立場から見ても、本法案が成立すれば官民交流も含め労働行政を根本的に覆すものであり到底許されるものではない。法案の徹底審議を求め最後まで奮闘する」と決意が述べられました。
最後に、全労連「公務員制度改革」闘争本部の寺間事務局長より、「全労連とすれば自民・民主の話し合いは茶番だと思っている。公務員制度改革基本法案については、引き続き徹底した審議を求めていく。今月30日に第1次中央行動が実施される。その場において、現在100万筆を目標に取り組まれている公務・公共サービス拡充署名を提出していくが、20万筆程度しか集約されていない。この中央行動に集まる全国の仲間からの署名も集約し、大きく成功させていく必要がある」と行動提起がされ集会を終了しました。
【国会の審議では】
15時10分から開会された内閣委員会は冒頭、自民、公明、民主3党による修正案の趣旨説明がおこなわれました。その内容は、(1)法案の基本理念に男女共同参画社会形成の理念を入れる。(2)内閣一元的人事管理として幹部人事について候補者は内閣官房長官が名簿を作成し、任免について当該大臣は内閣総理大臣と官房長官と協議する。(3)政官接触については透明性を高め報告書を公開する。(4)定年を65歳へ段階的に引き上げることを検討する。(5)提案されていた内閣人事を内閣人事局にかえる。(6)労働協約締結権を付与する職員の拡大について全体像を国民に示し、自律的労使関係制度を措置するというものです。
その後、田端正広(公明)、高市早苗(自民)、西村智奈美(民主)、塩川鉄也(共産)、菅野哲雄(社民)の各議員が質問に立ちました。
田端議員(公明)は、今後の人事院の責任分担について質問。修正案提出の議員は「今後詰めていく」と答弁。
高市議員(自民)は大臣の意に反する官僚のロビー活動を抑制する実効性はあるか、修正案提出の議員は「接触の透明性をあげて、実効性はあがる」と答弁。
西村議員(民主)は、民主の主張してきた天下り禁止はなぜ修正案に入らなかったか、と質問。修正案提出の議員は「3党の合意とはならなかった」と回答。
塩川議員(共産)は、総合職試験は企画立案や管理能力を見るとしているが、一般職、専門職試験にはそういうことは書いていない。今回の法案はキャリア制度に法的な根拠をあたえるものだと指摘。定年年齢引き上げに伴う高齢層の賃下げを人事院勧告に基づかないでするという危険な内容もあると発言。
菅野議員(社民)は、労働協約問題で、労使協議不調の場合の仲裁機関の検討をすべきと質問。渡辺大臣は「法成立後、すぐに検討していく」と回答しました。
最後に最終討議に入り、泉議員(民主)が修正案に賛成の答弁をおこないました。続いて塩川議員(共産)が反対の答弁を行い、(1)修正案と原案は官民癒着を促進することとなる。官民交流ということで、民からビジネスチャンスを求めて人材が入りやすくなる。(2)キャリア制度を固定化する。これまでのキャリア制度は運用によっているが、総合職ということで法律的に認めることとなる。(3)労働基本権の回復、労働協約の付与が明記されていない。(4)貧困と格差を生み出す構造改革路線の延長線で財界のめざす改革となっている。と指摘しました。
採決では、修正案と、原案(修正部分除く)がいずれも賛成多数で可決されました。
以上
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