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国公労連速報 2008年6月3日《No.1998》
「大連立」をみた? 自公民の修正法案審議
〜労働基本権は3年以内、内閣人事局に労働条件関連の権限を移管〜
     
 

 

 午前中に行われた参議院内閣委員会審議では、民主党松井議員より公務員制度改革法案の修正部分を中心に、政府側および修正提案側(民主党)双方の見解が質されました。
 質問のポイントは、(1)幹部・管理職に新制度の内容や人事等の内閣一元化の具体的方策、(2)内閣人事局の設計内容(定員、スタッフの任用方法、権限含め)、(3)国家戦略スタッフの具体的イメージ、(4)労働基本権の検討スケジュールなどで、答弁に立った提案者の自民党議員と民主党議員は次のように回答しています。

(1)幹部候補者名簿を内閣人事局が作成することに修正した。局長級など幹部職員の任用にあたっては、官房長官、内閣総理大臣の了解が必要で、課長級など管理職についての登用基準は内閣人事局が作成し、各省がこれに逸脱する場合は協議の申し入れも可能。また、幹部・管理職の公募については、数値目標設定も含め、積極的に活用を図る。
(2)局長が各省の評価を鵜呑みにするようでも困るし、幹部の勤務状況を把握できる人物である必要がある。そのため、特定省の固定ポストを避ける意味で官房副長官とすることも一案であるが、中立性確保から外部からの登用もありうる。内閣人事局の機能は、総務省行政管理局の機構・定員関係、人事院給与局の級別定数、人事・恩給局の事務、年金・共済事務などの移管が一応考えられると答弁し、労働条件に関連する権限を人事院などから移管する考えを示しました。とくに機構・定員、級別定数は、法5条4項1号の幹部職員の定数設定との関係から、移管または事務見直しの対象になる。11条で内閣人事局のための必要な法政上の措置は1年以内とあり、そのさい内閣法12条(所掌事務)の改正も必要。
(3)戦略スタッフは内閣の企画・立案を機動的の補佐する趣旨から、実務者としての若手も必要と考えており、イメージとして10人から100人という規模を考えている。
(4)12条の「国民に開かれた自立的な労使関係制度を措置」するの措置には法制上の措置が含まれるため、4条により3年以内に法制上措置、すなわち法案を提出することが政府の責務となる。

 午後からは、民主党(藤本議員)、自民党(松村・北川議員)、公明党(山下議員)の各議員が質問しました。質問の内容は、同じことを繰り返し確認するようなものとなっており、法案の問題点を指摘するというものではなく、修正してできあがった法案を持ち上げるかのような質疑が相次ぎました。
 渡辺大臣は、答弁の中で、「今の公務員制度は時代のミスマッチであり、戦後の官僚制度は政治の介入を否定したDNAを引き継いでいる。各省庁が競争しながら国民生活の発展を担ってきたが、古典的な官僚制度は終焉しなければならない。残念ながら、時代遅れである。相次ぐ不祥事が国民的な批判ともなっている。横一線のキャリア制度をやめ、現行の試験制度を新たな試験制度に変え、人事評価を徹底する」などと質問者に繰り返し回答していました。
 また答弁で渡辺大臣は、中曽根元首相から「これは革命だよ」「枝葉にこだわるな、幹が大事だ」などと助言をもらったことを明らかにし、衆議院での修正案には内閣としても従うので、関係者に心から敬意を表するとも述べました。

 参議院での審議状況は、修正案で与党と民主党が合意していることから、全体として成立ありきの質疑で終始しました。各議員からは、採用から定年まで日の丸官僚を作る、公務員は政治家に従えということが次々と表明されるなど、国民の奉仕者、中立である私たち公務員のあり方について、時の政権に従属する公務員に変質させる危険を及ぼす法案であることがますます明白になってきています。

以上

 
 
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