「貧困・生活危機突破の大運動で、かえるぞ大企業中心社会」をスローガンに、09国民春闘は多くの労働者・国民の願いを受けてスタートした。
今春闘では、深刻な雇用破壊と貧困の広がりのもとで、労働者・国民との共同を大きく広げ、大企業中心の社会から誰もが安心して働き、生活できる日本に変えていくことが求められている。
非正規労働者の拡大で史上空前の利益を上げてきた大企業が、収益悪化を口実に大量の「派遣切り」を行っている。一方で、社会の底辺に追いやられていた非正規労働者が労働組合に結集し、この大企業の横暴とたたかっている。「年越し派遣村」を契機にした社会的な連帯と世論が政治と行政を動かし始めている。同時に、大企業の巨額の内部留保に社会的批判が高まり、大企業の雇用責任を問う世論が広がっている。
与党や財界も内需拡大を口にしているが、そのためには安定した雇用と賃金引き上げ、社会保障の充実が不可欠である。内部留保の一部を取り崩せばそのことが可能であり、国公労連は、全労連・各県労連に結集して大企業の社会的責任を追及するたたかいに全力をあげる。
政府・財界は、大企業本位の「国づくり」のために地方分権、道州制を推進している。しかし、国の出先機関の統合・廃止や公務員削減で行政サービスを切り捨てる地方分権、道州制では、地域はますます疲弊し、貧困と格差はいっそう拡大する。また、消費税の大増税を狙う政府・財界は、公務員バッシングや公務リストラで国民の批判をそらそうとしているが、地方分権や道州制、公務員制度改革もその手段にしようとしている。
しかし、国民生活のナショナルミニマムに対する国の責任が今ほど求められているときはない。大企業の経済活動の自由を狙う地方分権や道州制の本質を暴露し、くらしと地域を守るためにも「憲法の完全実施」をめざす「21世紀国公大運動」で国民的な反撃を展開しよう。
くらしと雇用、地域破壊の構造改革に対する国民の反撃が麻生内閣を追いつめている。総選挙で大企業中心の政治を国民本位に転換することなしに、暮らしの安心・安全も地域の再生もあり得ない。それは、公共サービス切り捨ての政治を転換するたたかいでもある。
情勢は大きく変化し、国公労働運動の出番を告げている。「国民のなかへ、国民とともに」を合い言葉に、職場と地域から賃金の底上げ、非正規と正規の格差の是正、行政と仕事を語り、そして大企業中心の政治と社会を転換させる国民共同のたたかいに総決起しよう。
2009年1月30日
日本国家公務員労働組合連合会第132回拡大中央委員会
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