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2009年6月3日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市
政府は本日、国の地方出先機関改革に関わる「工程表」に基づく人材調整準備本部を立ち上げた。人材調整準備本部は、事務・権限の見直しに伴い、国家公務員から地方公務員へどのような形で人材の移管等を行うかなどの基本的枠組みとともに、労働条件等に関する検討を行うとし、その検討結果は年内にも策定される予定の「改革大綱」に盛り込むとしている。
人材調整準備本部は、鳩山地方分権改革特命担当大臣(総務大臣)を本部長に、関係府省の副大臣、埼玉県及び京都府知事など地方自治体の首長によって構成され、その下に幹事会が設けられている。
いま地方分権改革推進委員会は、地方の税源や財源のあり方に関する「第3次勧告」に向けた検討を進めているが、一貫して地方出先機関の人員削減について数値目標を盛り込むことや、地方出先機関の整理統合などを強く主張している。
国公労連は、現在進められている「地方分権改革」が、(1)国民の基本的人権を保障する国の責任を放棄して「法の下の平等」をなし崩しにすること、(2)「地方分権」の名の下に行政サービスを基礎自治体に丸投げしていっそうの地域間格差を拡大すること、(3)地方出先機関で働く国家公務員の雇用・労働条件に多大な影響を与えることなどから、反対の立場を再三にわたって表明してきた。
こうした憲法の基本原則や地方自治の本旨を歪める「改革」が国民的に開かれた議論も行われず、行政を支えている国家公務員の身分や労働条件を「将棋の駒」の如く、政府・使用者側の一方的な検討で左右されることは到底容認できない。
この間、強行されてきた「構造改革」路線によって生じている今日の社会経済情勢をみるとき、国の責任や行政が果たすべき役割、国と地方の関係などについて十分かつ慎重な検証が求められている。
しかし政府・財界は、「地方分権」や「道州制」による現状打開への幻想を国民に抱かせようと、公務員バッシングも最大限に活用して「人材移管」等の仕組みづくりを先行させようとしている。
国公労連は、まやかしの「地方分権」や「道州制」導入などを許さず、国民の基本的人権を保障する行財政・司法の確立に向け、広範な国民のみなさんとの対話など「憲法の完全実施」をめざす「21世紀国公大運動」を全国で旺盛に展開する。
以上
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