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2009年8月25日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市
政府は本日、09年人事院勧告の取扱いについて、勧告通り完全実施するとの閣議決定を行った。
8月11日の勧告からわずか2週間、衆議院選挙の投票日を目前にしたこの時期に、異例のスピードで閣議決定を行ったことは、政府が「労働基本権制約の代償措置の根幹を成す人事院勧告制度を尊重」した結果だと言い繕ってみても、公務員の労働条件を政治的に利用しようとするものと言わざるを得ない。
国公労連は、過去最大規模の年収減となる今年の勧告が、国家公務員とその家族にとどまらず、580万人の労働者の生活と地域経済に甚大な影響を与え、内需拡大という政府の景気対策にも逆行することから、勧告を実施しないことを要求してきた。
また、2002年の給与法「改正」時の国会決議で、官民給与を均衡させる方法等について「職員団体等の意見を十分聴取し、納得を得るよう最大限の努力」を求めていたこともふまえ、勧告の取扱いをめぐって国公労連との十分な交渉・協議の保障を求めてきたが、それをまったく無視したことに断固抗議する。
総選挙後の新たな内閣に対し、再度人勧の取扱いに関わる交渉を求めるものである。
閣議決定は、総人件費削減の必要性から、5年間で5.7%以上の定員純減目標を確実に達成することを宣言し、超過勤務手当の支給割合の改定にあたっても、業務改善・効率化によってコスト増加を招かないことを求めている。
国家公務員の定員は、業務量や行政需要の増大にもかかわらず、これを顧みない連年の定員「合理化」・純減により減らされ続け、職場では慢性的な長時間労働や長期病休者・メンタル疾患を含めた健康被害が増大し続けている。
職員に「公務の適正かつ能率的な運営」を求めるのであれば、必要な要員確保や超過勤務縮減に向けた具体的施策を政府・使用者の責任において直ちに実行すべきである。
さらに、地域の民間給与をより一層反映させるために、人事院に対して俸給表水準の見直し検討を要請し、独立行政法人に対しても国家公務員の給与水準に配慮した給与改定を求めている。
労働基本権制約の代償機関たる人事院の検討・判断への圧力や、労使自治に対する不当な介入は容認できない。
国公労連は、秋季年末闘争で憲法をくらしと行政にいかす立場から「21世紀国公大運動」を全国で展開し、広範な国民との対話と共同をすすめ、要求前進に向けて全力をあげる決意を表明する。
以上
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