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国公労新聞 2009年10月25日号 第1313号
 
 

◆国公労連、給与法等の取り扱いで初の総務大臣交渉

◇【原口大臣】
 「基本はこうして話し合うこと」
 「現段階では人勧を尊重」基本権問題の前進を表明

 国公労連は10月19日、09年人事院勧告と給与法案等の取り扱いをめぐって、原口一博総務大臣との交渉を行いました。総務省設置後、国公労連の総務大臣交渉は初めて。
 交渉には、国公労連側は宮垣忠委員長を責任者に4役らが参加し、総務省側は原口総務大臣が対応、村木裕隆人事・恩給局長らも同席しました。
 冒頭、宮垣委員長は「新政権が『国民の生活が第一』の政策実現にむけて奮闘されていることに敬意を表したい」と前置きしたうえで、人事院勧告の取り扱い等に関する総務大臣の見解を以下のように求めました。
 ・国公労連は、本府省をはじめ、地方出先機関・独立行政法人などで働く公務員労働者、正規・非正規を問わず10万人を組織している。国民生活と公務サービス充実に向けて、我々も引き続き力を尽くしたいと考える。
 ・今年の人事院勧告は、月例給・一時金とも大幅引き下げだ。これが完全実施されれば、国と地方の公務員だけでなく、580万人労働者の生活と地域経済に甚大な影響を与える。内需拡大という政府の景気対策にも逆行する。勧告の取り扱いについては、慎重かつ多面的な検討を求めてきた。人事院勧告および育児休業法改正の取り扱いに関する大臣の見解をうかがいたい。

【勧告どおり実施】

 これを受けて原口大臣は以下のように回答。
 ・公共サービス基本法は公務に働く皆さんの労働条件の整備、労働者としての人権保障が何よりも必要だという認識に立っている。就任してすぐに官房に公務に働く皆さんの心身状況を調査して報告するよう命じた。
 ・人事院勧告の内容は、非常に厳しいものであるが、民間の労働条件が極めて悪化したことを反映したものと考えている。労働基本権が制約されている状況にあり、代償措置の根幹をなす人勧制度が尊重されることは当然である、というのが基本姿勢である。
 ・私たち(民主党)は公務員制度改革に関して、労働基本権回復を大きく訴えてきた。そこに行くまでの代償措置ということで、そういった基本姿勢に立ち、勧告どおり実施すべく給与法の改定案の策定を進めて行きたい。職員の皆さんにとっては厳しい内容となるが、ご理解を願うとともに、今後とも国民の信頼に応え公務能率及び行政サービスの一層の向上に努めていただきたい。
 ・なお、公務員制度改革の中で、労働基本権の問題を前進させていきたい。ずっと先送りされてきた問題だが、公務に働く皆さんの人権の保障、あるいは安心なくして公務の質を上げることはできないと考える。

【今後とも話し合う】

 宮垣委員長は「勧告通り実施という方針は、大幅賃下げであり、第一線で働く組合員の気持ちからしても納得できるものではない。もし賃下げになるなら、その財源は、非常勤職員の待遇改善に使ってほしいし、本来労働条件は、憲法や条約などで保障されているとおり、労働基本権回復によって、労使交渉によって決定すべきあり、権利回復に向けた大臣のご尽力をお願いしたい」「地方分権に関しては、出先機関職員の多くを組織する国公労連にとって大きな関心事項であり、将来設計にも関わると同時に、公務・公共サービスに関わる問題でもある。それだけに、さまざまな場面での誠意をもった労使の話し合いが重要であり、今後とも、大臣とは話し合いの機会を持っていただきたい」と発言しました。
 原口大臣は「基本はこうして話し合いをしていくこと。今年度の給与改定は本当に苦渋の決断だが、協働していけるようにしたい。出先の問題についても、そこで働く人たちがやる気をもち、さまざまな権限が侵される心配がないようにして、皆さんとの協働で国民の主権と生活を守る改革をしていきたい。これからもいろんな場でお話をさせてもらいたい」と回答。最後に、育児休業法改正の閣議決定にかかわって、「母も公務員だったので女性の働く上での制約を取り払うために努力したい」とのべました。


◆【東京】安心年金つくろう連絡会
結成準備会総会に94人

◇日本年金機構の凍結を

 【東京国公発】
 国の責任で安心して暮らせる年金制度をつくる東京連絡会(略称・安心年金つくろう東京連絡会)の結成準備会総会が10月10日、94人が参加して都内で開かれました。呼びかけ団体は全厚生業務センター支部、年金者組合都本部、東京社保協、自由法曹団東京支部。
 公文昭文氏(年金実務センター代表)の講演のあと、<1>全厚生の飯塚委員長が社保庁廃止・解体と年金の悲劇を、<2>全厚生業務センター支部の北畠委員長が社会保険の現場を、<3>年金者組合都本部の柴宮氏が最低保障年金の制度の実現を、<4>年金者組合都本部の佐藤氏が女性と年金問題について、報告しました。
 東京連絡会の結成総会は11月28日の予定。


◆分権改革は国の責任放棄
全労連公務部会のシンポに125人

◇道州制は住民自治を否定

 全労連公務部会主催の道州制・地方分権「改革」を考えるシンポジウムが10月17日に都内で開かれ125人が参加しました。
 基調報告で一橋大学教授の渡辺治氏は、道州制・地方分権のねらいは、<1>地方自治体に「構造改革」を実施させ、<2>大企業が自由に公的投資を利用し、グローバルな開発を迅速に行うことにある、と指摘。民主党政権に対し、国民要求を実現する運動の推進が重要とのべました。
 長野県阿智村の岡庭一雄村長は、「道州制は町村自治を消滅させる」との全国町村会の特別決議を紹介し、市町村合併によって、住民サービスが低下している実態を批判。
 全国生活と健康を守る会の辻清二事務局長は分権「改革」は憲法25条の国の責任を放棄するものと指摘。
 自治労連の野村幸裕委員長は、道州制・「地方分権」は、団体自治と住民自治の否定であり、「今なら間に合う、早く知らせ反対の共同を広めよう」と訴えました。
 会場からも、公共サービス切り捨ての実態が告発されました。


◆国の責任縮小、自治体任せ
地方分権改革委が第3次勧告

 地方分権改革推進委員会は10月8日、地方自治体の自治事務の規制緩和を柱とした第3次勧告を鳩山首相に提出しました。
 第3次勧告は<1>義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大<2>地方自治関係法制の見直し<3>国と地方の協議の場の法制化の3つで構成されています。国公労連の岡部勘一書記長は9日、要旨以下の談話を発表しました。
 地方自治体の事務やその方法、基準を国が法令している「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」では、住民サービス全般にわたって、国の定めた最低基準の撤廃を迫り、廃止または自治体の条例委任を求めている。国の責任を縮小し、住民サービスが自治体任せとなることは、自治体間格差の拡大が助長され、国民の基本的人権を損ないかねない。
 「地方自治関係法制の見直し」では、教育委員会の形骸化を理由に存置について自治体任せにしており、教育の政治的中立性が保たれる保障はあるのかなど問題が多い。
 勧告は「地方自治体の自主性を強化し自由度を拡大するもの」と強調するが、憲法25条が定めるナショナルミニマムを自治体に押しつけるものと指摘せざるを得ない。
 求められているのは憲法にもとづいて国と都道府県、市町村がそれぞれの役割を発揮し、国民の安心・安全を守る行政を実現することである。国公労連は、憲法が国民の生活と行政にいかされる民主的な行財政・司法の確立にむけて奮闘する決意である。


◆【北海道】国民諸要求実現を
共同で10・15に宣伝行動

 【北海道国公発】
道労連、道社保協などの共同行動として、諸要求実現をせまる宣伝行動が10月15日、 札幌市の大通り公園で行われました。
 自公政権の「構造改革」路線によって社会保障、教育、雇用など国民の暮らしといのちが切り捨てられてきました。鳩山政権のもとで、生活保護母子加算の復活、障害者自立支援法や後期高齢医療制度の廃止など、国民的な運動でその実現をめざすとりくみです。
北海道国公は、総対話MAPの横断幕とのぼりを持ち寄り 、 「くらし支える行政サービス人員の拡充ビラ」を配布しました。


◆読者のひろば

【賃上げ本腰で】(全医労のなかまから)

 職場の話題は、最近まで増員であったが、最近とみに給料が下がったとの声が多くなった。賃上げ闘争も本腰を入れてやる状況になった。
 政権交代でさまざまな改革が出されているが、給料アップの方向に生かしたい。

【世の中よくなれば】(全運輸のなかまから)

  民主党に政権が変わって、世の中よくなればいいのですが、ますます公務員への風当たりも強くなりそうで心配です。
 子どもたちが大きくなったときはどんな世の中になっているのでしょう。

【年収が百万円減】(全気象のなかまから)

 もうすぐ54歳の誕生日を迎えますが、ここ数年で、年収が百万円ほど減りました。トホホ…

【道州制シンポに参加】(全運輸のなかまから)

 10月17日の「道州制・地方分権『改革』を考えるシンポジウム」に参加してきました。民主党の狙いが、よくわかりました。


◆国公労連新役員の横顔

◇バランス感覚に優れ
上田宗一 中執(全通信出身)

 一年先輩の上田さんとの付き合いは、27年前の同じ職場(課)からでした。
 仕事をエネルギッシュにこなし、よく年配の先輩方とも激論を交わすなど当時の若手のなかでも目立った存在でした。後輩思いのところもありますが、私が新人のとき、忘年会の余興として頭が大きい私をつかまえ、「これから頭でヒモを切ります」と無茶振りされたこともありました(お茶目でした)。
 組合活動は、東海支部青年部長、同執行委員、同副執行委員長、同書記長を歴任。
 上田さんの色々な面を見てきましたが、一番感心するのはバランス感覚の優れたところです。周りの反対があっても必要と思えば押し、引くところは素直に引き、人の話に耳を傾ける。自分の信念に裏付けられた対応であると思います。仕事も遊びもメリハリのある上田さんは、理論的にも優れており、必ず国公労連中執の重責を果たすと確信しています。
(全通信東海支部書記長)


 
 
 
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