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全労連・国民春闘共闘は、今年度の最低賃金の引き上げ目安額を決める厚労省の中央最低賃金審議会が始まることにあわせ、「なくせ貧困」のスローガンを掲げ、「不況だからこそ賃金底上げを」「内需主導経済は貧困対策から」を強くアピールする「6.30第4次最賃デー中央行動」を終日にわたり展開し、4,000人が参加しました。人間らしく生活できる時給1,000円、最低賃金の大幅引き上げを求め、参加者によるハンガーストライキ(ハンスト)を行いました。
ハンストは、厚労省前で最賃の全国平均703分(約12時間)座り込んで実施され、国公労連から宮垣委員長を筆頭に15人(国公労連本部、全労働、全建労、全司法、全気象、全港建など)がハンストに参加しました。
冷たい雨の中、ハンスト突入
〜麻生首相にガツンと一言〜
朝8時に「最賃低すぎ!怒りのハンスト突入宣言」を確認し、703分の座り込みハンストが始まりました。
ハンスト突入宣言の後、参加労組から決意表明が行われ、国公労連を代表して上野組織部長は「ヨーロッパでは失業しても生活できるセーフティーネットがあるのに、日本では働いても生活できないでワーキングプアの状況がある。最賃と人勧が日本の低賃金構造の柱なので、夏季闘争では公務の非正規職員にも勧告を出すように運動をすすめていく。日本の最賃は生活保護以下の水準でありおかしい。雨に負けず時給1,000円以上をめざしてがんばろう」と決意を表明しました。
続いて、「麻生首相にガツンと一言タイム」では、麻生首相に扮装した全労連・野村青年部長がマイクを回しながら、参加者全員で元気にリレートークを展開。いまの政治に対する批判が次々と出されました。
行動参加者は、一人ひとりが請願理由を書き込み、「なくせ貧困、不況打開!最低賃金1,000円以上の実現と、全国一律最賃制度の確立を求める個人請願書」を厚生労働省に提出し、切実な要求を訴えました。
プラカードを掲げ400人が集まった厚労省前要求行動
昼休みの厚生労働省前要求行動を行う頃には雨も降り止み、「暮らせない最賃 まっぴらゴメン」などさまざまなプラカードを掲げ、400人の仲間が集まりました。
冒頭、主催者あいさつ&情勢報告で全労連の小田川事務局長は、経済危機を口実に引き上げを抑え込む経営側を厳しく批判し、「内需を拡大し、貧困解消のため、最賃引き上げの世論を広げよう」と呼びかけました。
引き続き行われた決意表明では、全労連・全国一般、自交総連、国公労連、全教、神奈川、東京の代表6名が力強く訴えました。国公労連・門田中央執行委員からは、「霞が関に働く国家公務員は4万人を超えるが、その3割以上が非正規職員で、その多くが年収200万円以下のワーキングプア。公務職場は人を減らされ休日出勤、サービス残業も多くなっている。公務員の増員は切実な要求だが、単に増員要求をしているわけではない。国公労連は、国民のしあわせが実現できなければ、国公労働者のしあわせはないと考えている。初任給が民間を大きく下回っていることや非正規職員のあまりにも低い処遇など、最賃1,000円へ引き上げることが本当に大事だ。これからもがんばり抜く」と力強く述べました。
労働者の声を聞け!審議会に向け訴え
参加者は、中央最低賃金審議会が開催される中央労働委員会館前に移動し、「中賃審議委員激励・最賃引き上げ要求行動」を行いました。
この行動には、元「派遣村」村長の湯浅誠さんが激励に駆けつけ、「最賃以下で働かされる底なしの労働・生活実態など貧困スパイラルが深刻だ。努力して働いても生活は楽にならなかった。せめて時給1,000円を!」と訴えました。また、元派遣労働者、神奈川、建交労、自交総連、出版労連、生協労連から最賃労働の実態を告発しました。
中労委前行動終了後、厚生労働省前に再び移動し、「路上歌声喫茶」で最賃闘争オリジナル歌を参加者全員で合唱。
「路上フォーラム・ナショナルミニマムの再構築を」では、全建労青年部・浅野書記長が「国土交通省の公用車・災害対策車の運転手を委託業務しているが、一般競争入札で低賃金・劣悪な労働条件を押しつけられ、官製ワーキングプアが深刻だ。下請け叩きを許さず、入札のルールを守るため、国民的な運動をすすめていきたい」と決意を表明しました。
19時過ぎから「最賃引き上げ・安定雇用実現!退庁時アピール」と、座り込み集結集会が開催され、ハンストに参加したすべての仲間のリレートークが行われました。
日が沈み暗くなった中、電球が煌々とともる厚生労働省に向かい、参加者全員で最賃引き上げなどを求めるシュプレヒコールを元気に行い、早朝8時から19時43分まで703分の座り込みハンストが終了しました。
以上
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