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談話
 厚労省は不当解雇(分限免職)を中止・撤回し、すべての職員の雇用を確保せよ(談話)
     
 

 

2009年12月28日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

 厚生労働省は本日、社会保険庁職員に対して分限免職処分の辞令交付を強行した。厚労省は社会保険庁の廃止を解雇の理由としているが、業務が継承される限りその身分と雇用が引き継がなければならいことは国家公務員法第75条の身分保障規定からも当然のことであり、国公労連は今回の不当性をきびしく指摘するものである。同時に、信義誠実原則、権利濫用禁止の法理に反する裁量権の濫用であり、断固抗議するとともに、以下の点から不当解雇の即時撤回を求める。
 第一に、日本年金機構が引き継ぐ年金業務は、記録整備等の業務で人員は大幅に不足している。民間から千人を超える正規職員を新規採用していることからも、整理解雇を行わなければならない客観的必要性も合理的な理由もなんら存在しない。したがって、国家公務員法78条4号による分限免職を適用することは許されない。
 第二に、免職対象者に示された雇用確保策は、年金機構の準職員あるいは厚労省の非常勤職員で、いずれも不安定な有期雇用である。しかも、準職員については再応募や懲戒処分を受けた職員は排除され、非常勤職員は年収が半減するなど、回避努力に値するものではない。
 第三に、懲戒処分を受けた職員は日本年金機構に一切採用しないとする基準は、客観的に合理的な理由がない。また、この間の組織の改廃や定員純減においてはその雇用を確保してきたことに照らしても社保庁職員への対応は平等取扱原則に反し、著しく公平性を欠くものである。
第四に、当該職員や労働組合に対する十分な説明・協議がなされていないことも信義誠実原則に反し容認できない。
 あわせて、公的年金業務を引き継ぐ年金機構の体制も不十分なものであり、看過できない。年金機構の職員数は、準職員等を含めても現社会保険庁に比して3000人も少ない体制でスタートするが、すでに正規や準職員で多数の欠員を生じており、年金業務や記録整備に重大な支障を来すことが懸念される。
 日本年金機構の業務運営の管理監督責任は厚生労働省にある。「お客様へのお約束10か条」などのパフォーマンスではなく、迅速で確実な業務を行うためにも、業務に精通した職員の雇用が不可欠である。今回の分限免職は、この点からも国民にとって百害あって一理もない不当解雇であることは明白である。
 年金機構の理事長には日本経団連の元専務が、そして顧問に前会長の就任が予定されている。この間も民間の経営手法の導入がもてはやされてきたが、求められるのは国民の年金権の保障であり、年金機構を財界の利潤追求の場にさせてはならない。
 国公労連は、年金機構の民主的な運営と労働条件の確保、公的年金制度の拡充のために、年金機構に強固な労働組合を確立し、国民と幅広く共同した運動を強める。
 同時に、不当解雇に対しては、その撤回と雇用の確保を求め、人事院への処分取り消しの申し立てとともに、裁判でも断固たたかう決意を表明するものである。


以上



 
 
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