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国公労新聞2010年6月25日号(第1328号)
 
 

◆国公労連が抗議談話

 菅直人内閣は6月22日、「地域主権戦略大綱」を閣議決定しました。国公労連の岡部勘市書記長は同日、要旨以下の抗議談話を発表しました。

◇国民主権、地方自治に背く
 「地域主権戦略大綱」を閣議決定

 「大綱」は、国が行うべき国民に対する最低限の生活や権利の保障を投げ捨て、公務・公共サービスの後退を招く「地域主権改革」の全体像を示したものである。さらに、自己責任を押しつけ、地域間格差は「住民による選択と責任」を理由に国の責任放棄を肯定化している。国民主権や地方自治の本旨などを規定した憲法に抵触する極めて危険な内容となっている。
 「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」では、地方自治体の条例制定権を拡大し、自由度を拡大するとしている。しかし、国が定めた最低基準を撤廃し、地方自治体がそれぞれ条例で定めることは、財政力等の地域間格差によって住民サービスの低下が危惧される。
 「基礎自治体への権限移譲」では、三位一体改革によって地方交付金は大きく削減され、自治体は深刻な財政難に陥っている。さらに、「平成の大合併」の広域化による弊害や財政難など問題は山積みしている。こうした問題の解決なくしては、事務・権限を移譲しても、ますます地域の疲弊が増幅するだけである。
 「ひも付き補助金の一括交付金化」では、その大半が社会保障や義務教育の費用であり、国家財政難の中で、社会保障・教育の予算が削られる可能性は否定できない。
 「国の出先機関の原則廃止」では、事務・権限の地方自治体への移譲など抜本改革を進め、自治体が自主的かつ総合的に実施するとしている。
 しかし、出先機関の原則廃止や事務・権限の移譲は、全国一律に平等、公正、継続性をもって提供されてきた必要不可欠な行政サービスが後退する恐れがあり、基本的人権の侵害につながりかねない。同時に、職員の身分・労働条件に重大な影響を及ぼすものであるにもかかわらず、当事者たる国公労連との誠意ある交渉・協議を行わず、一方的な検討と閣議決定をおこなったことを厳しく抗議する。
 国公労連は、国民の生活および権利保障としてのナショナルミニマムに対する国の責任放棄を許さず、憲法をくらしと行政にいかすため、「地域主権改革」がもたらす問題を広範な国民・地方自治体と共有しながら、国民本位の民主的な行財政・司法の確立にむけて奮闘していく。


◆【国公労連】
 生活と労働実態ふまえ改善を
 人勧にむけた重点要求を提出

 国公労連は6月10日、宮垣忠委員長を責任者に2010年人勧重点要求の提出交渉を行い、人事院側は吉田耕三事務総長が対応しました。
 宮垣委員長は「生活防衛と内需拡大・景気対策の観点から賃金改善を強く求める」と強調。
 岡部勘市書記長は、要求の重点について以下のように説明しました。
 (賃金の改善等)賃金改善こそが必要。初任給の官民格差改善を。(新たな高齢期雇用制度の検討)公務の検討が民間のモデルケースともなる。慎重な検討を。(非常勤職員の処遇改善)更新期間の上限設定は到底認められない。均等待遇に向け抜本改善を。(時短、休暇制度等)定員と業務量のミスマッチ改善を。新規採用抑制は学生にも不安を与えている。定員問題で意見表明を。病休制度見直しは拙速にすべきでない。(公務員制度、基本権)仕切り直しになる国公法改正法案で政府に意見表明を。(健康・安全の確保)休暇取得できる環境整備、パワハラ指針作成を。
 吉田事務総長は「要求は承った。公務を取り巻く状況の厳しさは変わらないが、要求としてだされた諸課題については意見をよく聞きながら検討を進めたい」とコメントしました。
 宮垣委員長は、「人事院の役割発揮がこれまで以上に求められている。要求を正面から受け止め、一層の努力を」とのべ、交渉を締めくくりました。


◆最賃の大幅アップが不可欠
 運動で前倒し実施を

 現在、最低賃金の全国平均は時給713円です。最高は東京の791円、最低は沖縄などの629円です。
 時給713円で年間2000時間働いたとしても、年収142万円にしかなりません。
 ここから税金や社会保険料をひかれたら、とてもまともな生活はできません。文字通りワーキングプア(働く貧困層)で、一人前の労働者に「健康で文化的な最低限の生活」を保障するものとはとてもいえません。
 政府は6月18日に新成長戦略を閣議決定し、そのなかに2020年までに「最低800円、平均1000円」に引き上げる目標を盛り込みました。
 2020年が目標達成年次とすれば、少なくとも、毎年25円程度の引き上げが必要で、過去3年の引き上げ幅(年10〜16円)を上回ります。経済界は当初、「中小企業への影響の大きさ」を理由に、引き上げ目標に反対したと伝えられています。
 どうやってこの水準を達成するかについては、最賃審議会の努力にゆだねています。しかも、政府の目標は、実質2%、名目3%を上回る経済成長が前提とされています。
 法改正など明確な政策転換を伴わない「目標」の提示だけでは、10年たっても実現性は乏しいといわざるをえません。
 今年の最賃闘争では、大幅引き上げの重要性を広く世間に訴え、中央と地方の最低賃金審議会を激励し、最賃制度の抜本改正に向けた運動の強化が求められています。


◆雇用守れ、「市場化テスト法」見直せ
 民法労支援共闘会議を結成

 民事法務協会労組支援共闘会議の結成総会が6月9日に都内で開かれました。
 法務局の乙号業務(登記簿謄本などの発行業務)はコスト優先の「市場化テスト(官民競争入札)」によって法務省の外郭団体の「民事法務協会」が落札できず、全国で700人を超える職員が退職・雇い止めに追い込まれています。民事法務協会労組(民法労)は、法務局の乙号業務に従事する労働者の労働組合。上部団体は特殊法人労連と全労連・全国一般。
 結成総会では、東京国公の植松隆行事務局長が、低価格入札者に有利な契約先選定の仕組みになっていることを指摘し、公務・公共サービスの質の低下につながっていくことを厳しく批判しました。
 支援共闘会議は、市場化テストの弊害を広く知らせつつ、<1>入札参加条件の改善、<2>安定雇用と労働条件の維持・向上を確保できる入札条件改定、<3>落札業者による雇用継承、を求めていきます。
 代表委員は東京地評の伊藤潤一議長、特殊法人労連の岩井孝志議長、全労連・全国一般の大木寿委員長、国公労連の宮垣忠委員長、事務局長は全国一般東京地本の荒木茂仁書記長。


◆「九条の会」が講演会 井上さんの遺志を継ぐ

 「九条の会」は6月19日、「井上ひさしさんの志を受けついで 九条の会講演会」を東京で開き、2000人が参加しました。
 呼びかけ人で作家の大江健三郎さんは、「日本政府がとるべき道は、普天間基地をはじめ米軍基地縮小であり、憲法にもとづき国の根本的あり方を変えていく必要がある」とのべました。作家の澤地久枝さんは、「井上さんの最後の作品『組曲 虐殺』で小林多喜二を描き、『後に続くものを信じて走れ』といっている。井上さんの気持ちをついでいこう」と語りました。


 
 
 
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