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◆実現しよう 賃上げ、景気回復
許すな!政府の不当な権利侵害
公務員も民間労働者も賃金が下がり、地域経済は消費不況で深刻です。政府は、通常国会での公務員の賃下げ法案提出を明言。こうした重大な権利侵害を官民共同で跳ね返す春闘の構築が求められます。2011年春闘は、菅民主党政権による「地域主権改革」や法人税減税、TPP(環太平洋経済協定)参加など大企業応援政治を許さず、4月の統一地方選挙とも結んで、広範な労働者・労働組合、業者や農民などとともにくらしと雇用を守るたたかいです。
◇かつてない異常な事態
「総人件費2割削減」を公約とする菅政権は、マイナス人勧の完全実施とともに通常国会での給与引き下げ法案の提出を決定しました。かつてない異常な事態です。
「春闘期の賃下げ」攻撃という労働基本権の代償措置としての人勧制度を無視することは重大な権利侵害です。職場と地域からこれを許さない官民一体でのたたかいを強化することが求められます。
◇賃下げで経済成長も
国税庁による民間給与調査では09年賃金は前年より23万7000円も減少しました。マイナス人勧により国家公務員の平均年収もこの2年間で24万8000円の減となっています。民間賃金の推移を見ると先進国で日本だけが97年以降下がり続け(図表1、2)、経済成長も止まっています。経済危機の影響を日本同様に受けた他の先進諸国との違いは歴然としています。労働者の賃上げと雇用確保こそが景気回復の決め手です。
◇内部留保の還元を
資本金10億円以上の大企業は09年度の内部留保額を16兆円も積み増して(図表3)いますが、政府による「国際競争力強化」の大企業応援と労働者や下請け中小企業を犠牲にしてきた結果です。この内部留保を社会に還元させれば、雇用の安定や景気回復も、社会保障の充実も可能です。
国公労連は、大企業の内部留保のもとである租税特別措置などを廃止・適正課税するだけで11兆円もの税財源が生まれることを明らかにしています。この「2011年版税制改革の提言」を広く社会にアピールし、「社会保障のための消費税増税」「公務員の賃下げ」などのゴマカシに反撃することが重要です。
◇出先機関の役割を
いまの社会は、憲法25条による生存権や27条の勤労権はとても守られているとは言えません。また、集中豪雨など自然災害からの生命や財産の保護もまったく不十分です。しかし政府は、「地域主権改革」によって国の権限や最低基準を地方に移譲し、出先機関を廃止するとしています。
必要な医療や介護の確保、新規学卒者の就職難の解決、農林水産業や中小商工業の振興、防災対策など、国が責任を持つべき課題は山積しています。権限の移譲や出先機関の廃止によって国の責任を放棄にすることは許されません。国の出先機関の役割と重要性を民間労働者をはじめ地域に広げるとりくみが求められます。
◇基本権回復を
国民の基本的人権を保障するためにも、「全体の奉仕者」としての公務員労働者の権利確立が不可欠ですし、争議権を含む労働基本権の回復は当然のことです。今進められている公務員制度改革は、賃金や労働条件の引き下げとあわせて、公正・中立な行政運営を担保する公務員制度ではなく、当局や財界に「奉仕」するための改革となっています。
この問題点を広く労働者・国民に知らせ、民主的な公務員制度の確立を求める世論を構築することが必要です。
◇菅政権への怒りに
菅政権への支持は急落しています。TPP(環太平洋連携協定)への参加や高齢者医療制度の改悪、大企業減税など、「構造改革」の転換を求める労働者・国民の要求に反する政治への失望と怒りの表れです。
◇地域から共同を
11春闘では、こうした悪政を統一地方選挙で転換する地方政治の実現とあわせて、「すべての労働者の賃上げと雇用確保」「内需を拡大して景気回復」を掲げて、中小商工業者や農林水産業従事者などとともに、官民労働者が地域から共同を広げることが求められます。
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◆社保庁不当解雇撤回せよ
独法の存続・拡充を
◇出先廃止許さず
菅政権は、国家公務員の総人件費2割削減を可能とするため、「地域主権改革」の名のもとに国の出先機関の原則廃止を狙っています。その工程表である「アクション・プラン」の実施阻止を重要課題としてとりくみます。各県国公は、県内に所在する出先機関の具体名をあげて存続・拡充を求めるオリジナルの国会請願署名を組合員1人あたり10筆を目標にとりくみます。県国公は、集約した署名をもとに地元選出国会議員に紹介議員を要請し、5月下旬の中央行動で提出します。
国の出先機関が所在する773自治体すべての地方議会に行政サービスの拡充を求める意見書採択を求める請願・陳情をとりくみ、過半数の採択をかちとります。
◇社保庁解雇撤回
旧社会保険庁職員の不当解雇撤回闘争を官民一体のとりくみとして強化します。
人事院の公開口頭審理への傍聴・支援行動や、分限免職取り消し判定をめざす厚労省・人事院前行動を毎月18日に実施し、3月3日の中央行動では厚労省・人事院への要請・要求行動をとりくみます。
5月下旬に不当解雇撤回総決起集会を開催し、公正判定の実現、裁判闘争への決起の場として官民一体で成功させます。
全厚生闘争団を支える会の会員拡大および「安心年金つくろう会」の全県での結成をめざします。
◇独法存続・拡充を
独立行政法人の抜本的見直しに対して、「政策と要求」を確立してとりくみをすすめます。国民生活や社会経済の安定・向上に貢献している独立行政法人の事務・事業は国の責任で存続・拡充を求める世論の構築をめざします。3月5日に独法改革シンポジウムを開催します。
政府と独立行政法人当局との交渉を強めるとともに、国会議員や、マスコミ等への要請行動にとりくみます。
国立研究開発機関構想を含む抜本見直しの問題点などを告発するシンポジウムを開催し、世論にアピールしていきます。
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◆「地域主権改革」と対決
総対話MAP運動の発展を
◇幅広い共同で
「総対話MAP2010」を継続・発展させ、国民とともに行政サービスの拡充をめざすとりくみを強化します。
国民の安心・安全を脅かし、憲法で保障された基本的人権や社会権をないがしろにする「地域主権改革」の本質を広く知らせることが重要です。市民対話集会や宣伝行動、行政相談活動など、これまでの諸行動を労働組合や民主団体などとの幅広い協力・共同のとりくみとして発展させます。
◇地域総行動で
地域でとりくまれる春闘討論集会に積極的に参加し、「地域主権改革」や労働基本権問題、総人件費2割削減など国公労働者の課題を持ちこみ、理解と共感を広げるよう働きかけます。
春闘の宣伝行動や決起集会、民間労組支援行動など地域総行動に積極的に参加し、国公労働者の課題を民間労組の仲間や地域に訴え、共同の輪を広げていきます。
新聞投書活動にとりくみ公務員バッシングなどに反撃していきます。職場での人員不足や行政サービスの低下、出先機関の原則廃止による国民生活への影響などの具体的事実をあげて訴え、国民の理解を広げていきます。
◇競争入札の改善を
市場化テストや競争入札による落札業者の交替により発生する非正規労働者の解雇や労働条件切り下げに反対し、官民一体のとりくみをすすめます。また、3月12日開催の全労連「官製ワーキングプア集会」に参加します。
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◆非常勤職員含めた過半数組織実現を
労使対等で労働協約を結べる強い組合つくろう
◇労使対等関係を
労働基本権が回復すれば、労使対等の交渉によって労働条件を決定することになります。だからこそ、労働者の団結と組織の強化・拡大が不可欠です。
労働基本権回復の意義の学習を職場で強化するとともに、この春闘から職場での交渉、要求闘争を強めることが必要です。
◇各組織が目標をもって
各県国公は1月末までに春闘討論集会を開催します。また、官民一体での地域討論集会に積極的に参加します。各単組はこれらの集会に各組織人員の一割以上の参加を追求します。
3月を準備期間とする春の「組織拡大強化月間」を4〜5月に設定し、すべての組織が拡大の目標をたててとりくみます。拡大パンフ・ジョイナスとともに、国公共済会のワンコイン共済も活用して新規採用者や非常勤職員などに組合加入を働きかけます。
◇青年・女性
国公青年協は2月に代表委員会を開催するとともに、国公青年交流集会を6月に栃木県那須高原で開催します。国公女性協は2月に拡大代表委員会を開催するとともに、国公女性交流集会を5月に開催します。
◇次世代の育成を
県国公での新規採用者歓迎会や交流会を開催します。
労働組合運動の組織強化、次世代育成のため勤労者通信大学の受講を積極的にすすめます。また、国公労連第25回労働学校を5〜6月に全国8ブロックで開催します。
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◆2011春闘 賃金底上げを
景気回復は内需拡大で
大企業優遇税制を変えよう
◇賃金底上げを
国公労働者と民間労働者や国民を分断する不当な公務員バッシングを跳ね返すことが重要です。そのためにも弱者切り捨ての政治社会の転換をめざし、広範な労働者・国民と手を結ぶ国民春闘を構築しなければなりません。
「すべての労働者の賃上げ・雇用確保を!実現しよう内需主導の景気回復」をスローガンに、職場のたたかいを強化するとともに、官民一体での地域春闘を推進します。
自治体職場の非正規労働者の時給引き上げ、公契約条例制定など行われる自治体要請決起集会、団体要請、宣伝行動などの地域総行動に結集します。その際、国公労働者の要求を持ち込み、「総対話MAP運動2010」と結合させたとりくみとなるよう準備段階から積極的に参加します。
深刻な雇用を打開する国の責任が問われており、国家公務員の新規採用抑制の不当性と公的部門における雇用の拡大を訴える宣伝行動をとりくみます。
◇大企業の横暴許さず
大企業の内部留保蓄積構造を批判し、法人税率引き下げなどの身勝手な税制改正を許さないため、国公労働者の専門性を生かして資料を作成し、国民本位の税制改革をアピールします。また、1月中旬から2月初旬にかけてとりくまれる地域総行動と同時にとりくまれる「大企業包囲行動」「トヨタ総行動」などに結集します。
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◆勝ち取ろう 労働基本権
全組織で春闘要求の提出を
◇どういかす基本権
政府は、通常国会に「国家公務員の労働関係に関する法律」(仮称)を提出するとし、労使交渉で労働条件を決定する制度の具体的検討をすすめています。
公務員も勤労者であり、憲法28条が定める労働基本権があることは裁判や学説でも確立されています。しかし、「地位の特殊性」などを理由として、交渉権や行動権が制約されてきました。雇用を守り、労働条件を改善させるためにも、労働基本権が回復されなければなりません。同時に、回復された労働基本権を生かしたたたかいの構築ができるのかが問われます。
◇要求書の提出を
2月14日の週を「第1波全国統一行動週間」に設定し、春闘の意思統一を図る職場集会を全職場で開催し、すべての任命権者・所属長に対し要求書を提出します。
各級機関は、3月11日までに任命権者からの上申の完遂をめざします。その際、「賃金削減」法案反対、初任給の底上げ、長時間過密労働の解消、非常勤職員の労働条件改善をとくに重視して追及を強めます。
第1次集中回答日(3月16日)にあわせ、翌日の3月17日を「第2波全国統一行動日」として全員結集の早朝時間外(合同)職場集会を開催し、統一要求に対する最終回答にむけて政府・人事院あての職場決議を採択・送付します。
◇賃下げ許さず
公務員の賃金を引き下げる給与法「改正」案などを通常国会に提出することは、現行制度を踏みにじる暴挙です。無権利状態での不利益変更は違法であり、公務員賃金の引き下げによる社会的影響もはかり知れません。
すべての組織が、要求書を提出し、交渉を実施することが重要です。これらのとりくみを通じて、労働者としての権利意識を高めあうことが必要です。
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◆国民諸課題での共同推進
住民本位の地方政治実現へ
◇民主的税制改革を
菅政権は、財界本位の「成長戦略」で、大企業のための法人税減税や社会保障を口実にした消費税増税を進めようとしています。
しかし、大企業に応分の負担を求めるとともに内部留保の社会への還元、在日米軍駐留経費などを削減すれば、消費税に頼らずとも社会保障の充実や安定雇用の確保、最賃引き上げなども可能です。
「大企業包囲行動」や「地域総行動」などに結集し、2011年版「税制改革の提言」など国公労働者の専門性も生かして、大企業の内部留保の還元をアピールします。
また、後期高齢者医療制度廃止や、年金制度・医療・介護など社会保障の充実を求めるとりくみに積極的に参加します。
◇TPP反対の共同
農業と地域経済を破壊するTPP(環太平洋連携協定)に反対するたたかいに結集するとともに、農民連やJAなどとの共同を全国で広げます。
春の統一地方選挙では、民主党政権の悪政を地方から転換するチャンスとして住民本位の地方政治の実現をめざします。
今春闘では、予算審議ともかかわって、国民的要求の前進をめざして配置される2月10日と3月3日の中央行動に結集することが求められます。とともに、統一地方選挙での労働者の要求前進とも結合した労働者・県民集会などに結集します。
◇平和と民主主義守れ
沖縄・普天間基地の撤去を求め、新基地建設反対、在日米軍基地再編強化に反対する運動に結集します。
衆議院比例定数削減に反対する署名や改憲手続き法の始動に反対するとりくみを強めます。
また、各地の「憲法改悪反対共同センター」に結集し、憲法署名や毎月の「9の日」宣伝を継続します。
3・1ビキニデー、5・3憲法集会、国民平和大行進、原水爆禁止世界大会成功など、平和と民主主義を守る運動に全力をつくします。
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◆2011年 国公労連統一要求案
月額1万円以上要求、賃金底上げを
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国公労連は職場からの要求づくりと対話をすすめるため、この秋に全組合員を対象に「2011年要求アンケート」を取り組みました。
賃上げ要求額についてのアンケート結果は、グラフ(図表1)のとおり現状維持(ベア要求しない)が昨年の7・8%から21・1%と大幅に増えています。その影響もあり要求傾向値は図表2のとおり昨年に比べ低くなっています。要求額の決定にあたり重視してきた「3分の2ライン」は6、856円となりました。
要求額の考え方は以下のとおりです。@2年連続賃下げのもとで、公務産別の賃金要求の継続性・整合性から昨年の要求額「月額10、000円」を下回る要求を行うことは、社会的影響も大きく組合員の納得を得ることは困難であること、A春闘の基本方針である「全ての労働者の賃上げと雇用確保、景気回復等をめざす国民春闘の構築に全力をあげる」との立場から、全労連・国民春闘共闘が「誰でも月額1万円以上」を提起していることも積極的に受け止めることが重要であること。以上から、要求額案は昨年と同額の月額10、000円とします。
配分要求では、図表3のとおり民間との格差が顕著な初任給について較差改善につながる抜本的な引き上げを要求します。
非常勤職員については、月額16万円以上への引き上げと行(一)1級5号俸を基礎とすること、夏期休暇の新設などを要求します。
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2011年国公労連統一要求(案)抜粋・要約
1 国民本位の行財政・司法の確立と要員確保等について
(1)「地域主権改革」による事務・権限の移譲や国の地方出先機関の廃止は行わないこと。
(2)公務員の総人件費削減は行わないこと。
2 民主的公務員制度と労働基本権の確立について
(1) 公正・中立・民主的な公務員制度の確立に向けて、国民的な議論を保障するとともに、関係労働組合や専門家の意見をふまえた慎重な検討を行うこと。
(2) 公務員労働者の労働基本権を全面的に回復すること。
3 賃金・昇格等の改善について
(1) 民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)高卒V種初任給(1級5号俸)を160,000円、大卒U種初任給(1級25号俸)を195,000円に引き上げること。
(2) 国家公務員の賃金を月額平均10,000円(行政職(一))、臨時・非常勤職員の時給を100円以上引き上げること。
(3) 臨時・非常勤職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1,000円」「日額7,500円」「月額160,000円」以上に引き上げること。
4 労働時間短縮、休暇制度など働くルールの確立について
(1)勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不払い残業を根絶すること。
(2)期間業務職員に対し、夏季休暇を制度化すること。また、採用時から年次有給休暇を取得できるようにすること。
(3)評価制度について、制度改善をはかること。
5 高齢期雇用・定年延長について
(1)「天下り」や早期退職慣行を廃止し、定年年齢までの雇用を保障するとともに、雇用と年金の接続をはかる観点から、定年年齢を65歳とすること。
(2) 長時間過密労働の解消、所定勤務時間の短縮、各種休暇制度の充実と運用改善など、職員が生涯にわたって健康で意欲をもって働き続けられるよう職場環境整備に努めること。
6 男女平等・共同参画について
(1)雇用の全ステージにおける男女差別を禁止すること。
(2)女性の採用を拡大するとともに、数値目標を設定して大幅な登用をはかること。
7 健康・安全確保、母性保護等について
(1)職員の健康・安全を確保すること。
(2)更年期障害に関わる措置等を制度化すること。
8 独立行政法人の制度等について
(1)自主性・自律性が発揮できる独立行政法人制度の運用を保障すること。
(2)組織や事務・事業の統廃合、縮減・民営化等を前提とせず、十分な検証・検討を行い、拙速な結論を出さないこと。 |
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