◆公務員「賃下げ」法案阻止へ
全労働者、地域経済に影響大 国民的な闘争を
政府は、国家公務員の労働関係に関する法律(仮称)案など公務員制度改革関連法案とともに、総人件費2割削減に向けた法案を順次、1月24日に開会された通常国会に提出するため、準備をすすめています。
具体的な内容、手法等は不明ですが、昨年の臨時国会で片山総務大臣は、給与のみならず退職手当、定員、地方移管、共済年金等を検討対象とし、「賃下げ」法案提出時に総人件費削減の全体像を明らかにすると明言しています。また、「現行の法律でも不可能ではないが、(勧告制度のもとで)異例の措置であり、労働組合との合意を得るよう最善の努力をする」とも答弁しています。
昨年末には「争議権に関する懇談会」を急きょ立ち上げて報告をまとめる一方、「自律的労使関係制度に関する改革素案」が労働組合に提案され、具体的な制度設計の交渉・協議が始まっています。正月を挟んだ短期間のパブリック・コメントを経て、法案の策定作業が行われています。
加えて、国の出先機関改革と称して原則廃止を狙う「アクション・プラン」を12月28日に閣議決定し、直轄道路と河川、公共職業安定所をはじめ「国の事務・権限の徹底した見直しによる出先機関のスリム化、効率化」をめざすとしています。
以上のように、民主党の政権公約である総人件費2割削減にむけ、「自律的労使関係制度の法的措置」を前提に、「定数」と「単価」の両面からリストラが狙われているのです。そこには、国の責任や公務・公共サービスの役割、国民の生活や安心・安全確保などの視点はなく、この間の「仕分け」や意見募集などはアリバイづくりのパフォーマンスと言わざるを得ません。
公務員労働者の権利にとって憲法上の問題を有するばかりか、消費税増税など国民にさらなる痛みを押しつけるための不当きわまりない攻撃です。11年春闘の前段で、賃金底上げ・生活改善を求めるすべての労働者に冷や水を浴びせ、景気回復を願う地域経済にも甚大な影響を与えます。
国公労連は、こうした問題を国民的に明らかにし、支持と理解を広げながら断固阻止するため、総力をあげることを1月6日の中央闘争委員会で意思統一しました。全労連の評議員会でも公務・民間一体でたたかう方針が確認されています。
何よりも直接の当事者である国公労働者が決起することが決定的に重要です。「総対話MAP運動」とも結合し、積極的に地域に足を出して、内需の縮小・賃下げのスパイラルを断ち切るとりくみを旺盛に展開することが求められています。
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